〇通学路
しづか「私のウジムシ・・・！」
しづか「せっかくの休みに、だらだら寝て過ごしちゃうなんて・・・」
しづか「あまつさえ休日何もしなかったという事実に耐えきれず──」
しづか「こんな時間に無理矢理外出するなんて！」
しづか「私のおたんちん・・・！」
しづか「私っていつもこうだ」
しづか「取り返しがつかなくなってはじめて！」
しづか「死にかけの悪あがきみたいに動き出す・・・」
しづか「今さら活動し始めたところで」
しづか「計画的に一日を過ごしてきた人達に追いつけるはず、ないのに!!」
しづか「コンビニで買った焼酎飲んで、寝よ・・・」
しづか「酒だけがこの痛みを忘れさせてくれる」
「まちなッ！」
「ナー！　ナー！　ナナナ!! ナナナ！　ナナナ！」
NANA（女）「なー！　なー！　ななな！ なな　まちなっ!!!」
しづか「え〜？　え〜？　何〜？ 変な人が踊りながら話しかけてくる〜」
しづか「こわいよ〜」
NANA（女）「私はナナ！」
しづか「聞いてないよ〜」
NANA（女）「女だッ！」
しづか「見ればわかるよ〜」
NANA（女）「アンタの言葉！　聞き捨てならないね！」
しづか「何が!?」
NANA（女）「諦めんなよ！」
しづか「何を!?」
NANA（女）「悪あがき上等じゃねえか！」
NANA（女）「今からでも遅くねえ！ 充実した一日にしてみろよ！」
しづか「・・・無理に決まってr」
NANA（女）「アンタ！　夢はねえのか!?」
しづか「めっちゃ被せてくる!?」
NANA（女）「私はあるっ！」
NANA（女）「私のダンスで！　世界中の皆を笑顔にすることだ!!!」
NANA（女）「アンタ！　名前は!?」
しづか「え、あ、しづか、です」
NANA（女）「じゃあしづか！」
NANA（女）「しづかが一人目だ！ このダンスをその目に焼きつけな！」
しづか「え、一人目って・・・」
しづか「いつからダンサー目指してるんですか!?」
NANA（女）「昨日！」
しづか「昨日!?」
NANA（女）「会社辞めてきた！　清々したぜ！」
しづか「ナナさんて、いくつなんです？」
NANA（女）「77！──と言いたいところだが」
NANA（女）「ごじゅうなな！　だ！」
しづか「人生の折り返し地点過ぎてるじゃないですか！」
NANA（女）「関係ねぇ！」
NANA（女）「実際にたどり着けるかなんて関係ねぇ」
NANA（女）「今日、私は一歩を踏み出した」
NANA（女）「大事なのはそれだけだ！」
NANA（女）「アンタも！　今からでも追いかけてみろよ！」
NANA（女）「一歩でも！　半歩でも！」
NANA（女）「たどり着く前に死んだとしてもッ！」
NANA（女）「やりたいことを握りしめたらッ」
NANA（女）「その為に命を燃やすのが！ 人生だろうが!!!」
しづか「・・・」
しづか「・・・私」
しづか「昔、小説家になりたかったんです」
NANA（女）「いいじゃん！」
しづか「いつの間にか諦めてた」
しづか「でも、もう一度書いてみます」
しづか「たった一文字でも」
NANA（女）「ああ！　応援してるよ！」
しづか「ありがとうございます！」
NANA（女）「その笑顔が見たかったんだ」
しづか「あはは・・・」
　　そうして私は踏み出した
　　夢への、新しい一歩を──
しづか「・・・」
しづか「ウンチ踏みました」
NANA（女）「そういうときはな」
NANA（女）「もうコレしかないよな」
しづか「これを飲めるのは──」
「ナー！　ナー！　ナナナ！」
「なな　おとなッ！」
NANA（女）「もいっちょ！」
しづか「私達は──？」
「なーなーななな！」
「なな　女！」
　　Yeah！