彼を元の世界に帰したくない彼女達(脚本)
〇宇宙空間
──今日もまた、世界は動き出す。
〇村に続くトンネル
ルミナ「スギサワさん! 帰るだなんて言わないでください!」
スギサワ「ルミナちゃん。俺、大学の事もあるし 色々と整理してきたいんだ」
ルミナ「でも・・・!」
スギサワ「大丈夫。魔法陣があれば すぐに戻ってこれるんだからさ!」
スギサワ「それに村のみんなも頑張ってるから 俺がいなくたってやっていけるよ」
ルミナ「私はスギサワさんがいてくれたから 父の代わりを頑張ってこれたんです!」
ルミナ「あなたが側で笑ってくれたから 不安でも前を向いていられたのに・・・」
スギサワ「ルミナちゃん──」
ルミナ「ご、ごめんなさい!こんなの私のわがまま ですよね!」
スギサワ「・・・・・・」
涙をこぼすルミナの姿に胸を打たれ、
スギサワは思わず彼女を抱きしめていた。
ルミナ「スギサワさん・・・」
スギサワ「俺、もう少しだけここで頑張るから」
スギサワ「──もう、泣かないで」
ルミナ「はい!ありがとうございます!」
〇宇宙空間
──そこには確かに、彼らだけの時間が
流れていた。
〇ヨーロッパの街並み
ミィア「シュウゴロウ!ミィア達をおいていくの?」
シュウゴロウ「いや、そういうわけではないが──」
シュウゴロウ「向こうの親しい者たちに挨拶くらい しておくべきだと思うんだ」
ミィア「ダメ!異世界から来た人達みんな そう言って帰ってこなかった!」
シュウゴロウ「!?」
ミィア「パパも行ってきますって言って 事故で戻ってこなかったの・・・!」
ミィア「もしも、シュウゴロウに何かあったら ミィアも死んじゃうんだから!!」
シュウゴロウ「死ぬだなんて言ってはいけない!!」
「死」という言葉にシュウゴロウは
亡き妻の姿を思い出す。
ミィア「・・・ごめんなさい」
シュウゴロウ「ミィア、私は決めたよ。君がきちんと 大人になるまでここで面倒をみよう」
シュウゴロウ「だから、自分の命を投げ出すようなことは言わないと約束してくれるね?」
ミィア「うん!ミィア、約束する!!」
〇電脳空間
スギサワ離脱回避!村の士気30%上昇!
シュウゴロウ離脱回避!
ミィアとの親密度30%上昇!!
〇アクアリウム
オトコ「ふー、今回も乗り切ったわ」
ヒメコ「やっぱ最初から二度と戻れない設定に しておけばよかったんじゃない?」
オトコ「前にそれやったら、帰れない絶望で 初期パラメガクンと下がったのよ」
ヒメコ「なるほど~。そういやハコニワと 現代世界ってガチで時間違うんだよね?」
オトコ「そうね。異世界での1日が現代世界の 1年だから──」
オトコ「スギサワの同級生はもうヨボヨボの 爺さんなのよね☆」
ヒメコ「わ!えげつな〜!!」
オトコ「時間設定は神々の領域だから どうしようもないわ」
ヒメコ「ホント、神様ってワケわからないよね~」
オトコ「そうそう。神のきまぐれに触れないのも 私達の役目ってわけ」
ヒメコ「でもさ、本当に帰るの止められなかったら どうなるの?」
オトコ「多分、記憶喪失の人間として再スタート でしょうね」
ヒメコ「うわぁー。残酷~」
オトコ「私達の「失敗」も結末は一緒よ」
ヒメコ「げげっ!?」
オトコ「そうならないためにも、気合入れて 育成していくわよ!」
ヒメコ「YES!BOSS!!」
面白いですね🌟
AI音声も全然スムーズに聞けるので、ずっと驚いてました😆
男たちを陥れる策略のようなものが、自然と生まれた情によって、騙されているのか騙しているのか曖昧ささえ感じてしまうところが、また意味ありですね。
自分たちの世界にやってきた男たちに帰る場所があると思わせてあの手この手で帰さない。帰ったところで時間軸が違うから絶望が待っている。まさにハコニワで生殺しの状態にするわけですね。いつの世もどの世界でも一番怖いのは1つの目的のために結束した女たちなんですね〜。