僕と列車と父さんと

テイレシアス

エピソード1(脚本)

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〇外国の駅のホーム
  僕の名前は有明かもめ。今日は久しぶりの休日のお父さんと一緒にかっこいい特急列車に乗って旅行するんだ。
  今日はお父さんが生まれる前からあった機関車の転車台や蒸気機関車を見に行こうと言ったら、お父さんも乗り気になってくれた。
有明かもめ「お父さん、今日の列車の旅楽しみだね」
有明つばめ「そうだね、今日は久しぶりの休みだからいっぱい楽しもう!!」
  チャイムが鳴った。僕たちの乗る特急電車が来たようだ。
有明つばめ「この特急電車に乗るは久しぶりだな・・・ かもめ、乗るぞ!!」
有明かもめ「うん!!」
有明つばめ「(ところで俺はいつから、通勤電車しか乗らなくなってしまったんだろうか?)」
有明つばめ「(っと、今はそんな事考えずに今日の旅行を楽しもう!!)」
  有明親子は特急電車に乗り込んだ。

〇新幹線の座席
有明つばめ「(さすがに車内は古い感じもするがシートの乗り心地はいいな) かもめは窓側に座っていいよ」
有明かもめ「うん、わかったよお父さん。 どんな風景が見れるか楽しみだよ」
  有明親子が席に着いた時に特急電車は
  発車した。
有明かもめ「はっやーい!! 特急だから駅に止まらずにどんどん進んでいるよ」
有明つばめ「本当だ。どんどん進んでいるね・・・ (ダメだ昨日の残業の影響か眠くなって──)」
有明かもめ「お、お父さん?寝ちゃったの? そういえば、昨日も遅くに帰って来たってお母さんもいっていたんだった・・・」
有明かもめ(起こさないようにしないと・・・ とりあえず、景色を見ておこう・・・)
  特急電車は街を抜けて田園風景が広がる地域へと突入した。
乗務員のお姉さん「記念に無料で写真撮りますか? って、お父さん寝ちゃっているね。 君だけでも撮らない?」
有明かもめ「ありがとう、お姉さん。けど、お父さんが寝ているからいいです・・・」
乗務員のお姉さん「ごめんなさい、代わりといってはなんだけど、降りた先のオススメスポットを教えてあげる──」
有明つばめ((ん、かもめと誰かが話している?))
有明かもめ「──ありがとう、お姉さん!!お父さんとそこに行ってみるよ!!」
乗務員のお姉さん「それはよかったわ。私は業務にもどるね。良い旅を」
有明かもめ(お姉さんから教えてもらった所を紹介してお父さんを驚かせて、褒めてもらうぞ!!)
有明つばめ「ごめん、ごめん、つい寝てしまった」
有明かもめ「しょうがないよ、昨日も残業だったし、しょうがないよ」
有明つばめ「さっき、誰と話していたの?」
有明かもめ「乗務員のお姉さんに色々な事を教えてもらったんだ。駅に着いてからのお楽しみ!!」
有明つばめ「それは楽しみにしておくよ」
有明つばめ(楽しませるつもりがかもめに気を使わせてしまったな、どこかで挽回しないと・・・)

〇田舎の駅舎
有明かもめ「着いた!!」
有明つばめ「あ、もうお昼だな。どこか食べれる所を探さないと・・・」
有明かもめ「美味しい定食屋がこの近くにあるんだ。お父さん、着いてきて!!」
有明つばめ「よし、任せた!!」

〇古民家の居間
有明かもめ「ここだよ。お姉さんに教えてもらった所ですべての料理が美味しいって言っていたよ」
有明つばめ(お客さんも多いし、ここは本当に当たりだな)
女将さん「あんた達2人で間違いないかい?」
有明つばめ「はい」
女将さん「それじゃ、奥の席に行っておくれ」
有明かもめ「はい!!」
女将さん「元気がいいね、ぼく。食べたいものが決まったら、呼んでおくれ」
有明つばめ「どれにしようかな、ざるそばにしようかな? かもめはどうする?」
有明かもめ「僕は唐揚げ定食にするよ」
有明つばめ「じゃあ、女将さんを呼ぶよ」
有明つばめ「すいません!!」
女将さん「決まりましたか?」
有明つばめ「はい、ざるそばと唐揚げ定食を一つずつお願いします」
女将さん「ざるそばと唐揚げ定食一つずつね。 少し待ってください」
有明かもめ「はーい」
有明つばめ「にしてもいい店だな、ここ。 日頃の疲れも吹っ飛んだよ」
有明かもめ「ご飯、まだかな?」
  それから少しして
女将さん「はい、唐揚げ定食とざるそばだよ」
「ありがとうございます!!」
女将さん「それじゃ、ゆっくり食べるんだよ」
「いただきます!!」
「美味しい!!」
有明つばめ(俺ももう少し、家族の団らんの時間を作るべきだな・・・)
有明かもめ(お父さんも楽しそうでよかった。これならワガママ言ってよかったよ)
有明かもめ「ご飯も食べたし、機関車の所に行こうよ」
有明つばめ「そうだな、よし行くか」
女将さん「唐揚げ定食とざるそばで二千円だよ」
女将さん「五千円ね、お釣の三千円だよ」
有明つばめ「ご馳走さまでした。 ご飯、本当に美味しかったです」
女将さん「それはよかった。 また来ておくれよ」
有明かもめ「ご馳走さまでした!!」
女将さん「ありがとう、坊や」
  有明親子はSLがある広場へと向かった

〇田舎の駅舎
有明つばめ「今日の旅行は楽しかったか?」
有明かもめ「うん、楽しかったよ。いっぱい、機関車の事知れてよかったよ、お父さん」
有明つばめ「電車が来たようだな」
有明かもめ「これでこことはお別れか・・・ 少し寂しいよ」
有明つばめ「いつか、また来よう!! 今度はお母さんも連れてこよう」
有明かもめ「約束だよ」
  そして有明親子は特急電車に乗り込んだ

〇新幹線の座席
有明つばめ(俺は父親らしい事をかもめにしてやれているのか?)
乗務員のお姉さん「また、会いましたね」
有明かもめ「あ、お姉さんだ。お昼ごはん、美味しかったよ、ありがとうお姉さん!!」
乗務員のお姉さん「どういたしまして」
有明つばめ「貴方が息子にオススメを教えたのですか。 本当にあの食堂のご飯、美味しかったです」
乗務員のお姉さん「こちらこそ、お役に立てて光栄です。 改めて・・・記念に写真を撮りませんか?」
有明かもめ「お父さん、撮ろうよ。タダだし」
有明つばめ「・・・そうだな、すいません、写真撮影お願いしてもよろしいですか?」
乗務員のお姉さん「はい、喜んで」
  そして、僕ら親子の旅は終わった。父と子の溝はどのくらい縮まったのかはわからない。
  ただ、一つ言える事は今日の旅はお父さんと一緒に楽しめたと言うことだ。

コメント

  • 「つばめ」と「かもめ」は九州の特急列車から名付けたのかな?父と息子、男同士で二人だけの鉄道旅は貴重な時間ですね。大人になってからも心に残る旅って案外こういうさりげない小旅行だったりするんですよね。

  • かもめくんが優しくてしっかりしていて、とても良い子だなあと思いました。
    お父さんは本当はずっと起きてかもめくんと楽しみたかったんだろうなあっていうのが伝わってきました。
    寝てしまったのは残念だけれど、良い1日だったのでは無いかなあと思います😊

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