ひよこ極道

でんぷん

前世が極道でも、ひよこはひよこ(脚本)

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〇校長室
  極道組 事務所
  ガタガタガタッ
霧「誰だいあんた達!」
下っ端黒服「貴様が頭だな?」
霧「だからどうしたってンだい!」
下っ端黒服「そうか」
下っ端黒服「十分だ」
霧「なっ」
  バタッ

〇通学路
  あら?
  ここは・・・
  確か、事務所の近くの・・・
轟「何やこの姿!アッカーン!」
霧「うるさいわねぇ」
霧「信号機みたいな声出してんじゃねーぞ!」
轟「何やこの声!」
轟「アカン幻聴や!アッカーン!」
霧「ちょっとアンタ!」
轟「アッカーン!アッカーン!」
霧「・・・」
轟「アッカーン!アッカーン!」
轟「おどれ何ぶつかっとんじゃあ!」
轟「アッカーンしてまうぞ!」
霧「アンタ、極道組の轟かい?」
轟「そのしゃべり方・・・」
轟「まさか姉御?!」
霧「アンタ意外と可愛いの好きなのねぇ」
霧「でもいくら好きだからって」
霧「それそのものになっちゃうのはちょっと・・・」
野口「あなたもですよ、霧さん」
霧「はっ!」
霧「・・・」
霧「ポッ」
霧「って、組の頭である私を名前呼び?」
霧「アンタまさか・・・」
野口「ええその通り」
野口「私こそ、極道組の財の管理を一手に引き受ける有能役員」
野口「野口です!」
野口「今からできる限り現状を説明しますね」
野口「あ、そうそう。ちなみに僕の名前はのぐ」
霧「組に入って間もない若造だね!組の掟を叩き込んでやるわぁ!!!」
轟「おどれ話長いんじゃあ!アッカーンでパッカーンしてまうぞ!」
野口「なんで知らねぇんだよ!」
野口「てかアッカーンとパッカーンで韻踏んでんじゃねぇ!」
野口「ラッパー目指してる中学生か!コンチクショー!」
轟「何やと!?そこでビビって待っとけや!」
  ヒューン
霧「空に逃げるなんて卑怯じゃないの!」
  たーすーけーてー!
轟「な・・・ありゃよく見たらトンビや!」
霧「いや、あれはスズメじゃ・・・」
作者「トンビです!」
霧「は、はぁ」
轟「野原が連れ去られてまう!」
「野口ですううううう」
  ヒューン
霧「ちょっと轟!何とかできないの!」
轟「ニヤリ」
霧「いい案があるのね!やるときゃやるじゃない!」
霧「さあ!やっちゃって!」
轟「・・・」
霧「・・・?」
轟「アッカーン!なんも思い付かへん!」
轟「山田が食われてまう!どないしたらええねん!」
轟「アッカーン!」
猫すけ「にゃあ!」
霧「あら?可愛い猫だこと」
猫すけ「にゃあにゃあ!」
霧「背中に乗れってことかしら?」
霧「よくわかんないけど行くよ!轟!」
轟「了解です姉御!」

〇街中の道路
轟「あ!あそこ!」
轟「えーっと、え~」
轟「く、食われそうや!姉さん!」
野口「おい諦めんじゃねぇ!一応上司だぞ轟いいいいいい!」
霧「さあ行くでえ!猫すけ!」
猫すけ「にゃあ!」
  ぴょん!
霧「大丈夫かい!?轟!」
轟「行ってください姉御!」
野口「霧さん急いで!このままトンビに飛ばれたらもう追い付きません!」
霧「じゃかぁしい!そんなのわかってるに決まってるでしょ!」
霧「行くよ!猫すけ!」
猫すけ「にゃあ!」
  ピョーン
トンビ「バサバサッ」
轟「飛びやがった!」
野口「だめです霧さん!このままじゃ届きません!」
轟「姉御ぉ!」
轟「そのクソトンビに頭突きでもかましてやってください!」
霧「とう!」
霧「頭の根性見せたらああああああ!」
トンビ「ピイピイピイ!」
「あーれー」
  ドサッ
轟「大丈夫か!二人とも!」
霧「私は大丈夫。あんたは大丈夫かい?」
野口「ええ、何とか」
野口「霧さん」
霧「?」
野口「どうして名前もわからないような僕のことを助けてくれたんですか?」
霧「そんなの決まってるでしょ」

〇校長室
  アンタが組に入った時から
野口「よろしくお願いします!」
霧「威勢だけはいいようだね」
霧「さぁ盃を交わすよ」
霧「いつもの赤いやつ持ってきな!」
霧「これを飲んだらもう後戻りは出来ない」
霧「本当にいいんだね?」
  ゴクッ
野口「よろしくお願いします!」
  あの盃を飲んだ時から

〇街中の道路
霧「アンタは、私達の家族なんだよ」
霧「たとえ、血が繋がってなくともね」
野口「霧さん・・・!」
霧「さあ行くわよ!野鼠」
野口「もう人ですらないんですね・・・」
轟「そんなの、ここにいる3人一緒やで」
野口「轟・・・!」
  にゃん!
霧「おやおや、四人だったみたいだねぇ」
  にゃんにゃんにゃん!
霧「どうしたんだい?猫すけ。そんなに焦ったりして」
  ピイピイピイ
  ピイピイピイ
  ピイピイピイピイ!
霧「ねえ野口、トンビってあんなに群れる生き物なの?」
野口「さ、さぁ、、」
轟「とにかく猫すけに乗るんや!」
「アッカーーーーーン!!!」
  こうして
  3+1匹によるサバイバル生活が幕を開ける・・・

〇公園のベンチ
霧「そういえば、私達ってどうしてひよこなんやっけ」
野口「確かに。そういえばそうですね」
轟「そんなことより飯や飯!このままじゃ餓死するで!」
  大丈夫かなぁ、、、
猫すけ「にゃあ!」
  おしまい

コメント

  • 極道の話なのに登場人物が小鳥と猫ちゃんだから全然怖いどころかとても可愛くてずっと見ていたくなりました😂
    特に轟は、強い口調にも関わらず見た目が小鳥なので、可愛さしか無かったです😂

  • 極道がひよこになっただけで、ものすごく応援したくなるのはなんでだろう。「カワイイ」って正義なんですね。読んだ後しばらく「アッカーン!」が頭の中をぐるぐるしそうです。

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