迷路の館(脚本)
〇暗い廊下
都丸裕太「迷ったねー!」
益子玲紀「さすが「リアル体験迷路」 でも、ちょっと疲れたな」
都丸裕太「残り時間は?」
益子玲紀「2時間で時間切れだから、そろそろかな」
都丸裕太「よし、こうなったら最後の手段」
益子玲紀「何すんの?」
都丸裕太「検索する『リアル体験迷路・抜け出し方』って」
益子玲紀「お前なぁ、金払って入った迷路なんだから、もうちょっとがんばろうよ」
都丸裕太「えー‥」
益子玲紀「あのな、迷う事を楽しむんだよ」
都丸裕太「おっ!」
益子玲紀「なに?」
都丸裕太「迷う事を楽しむ‥何かカッコイイな」
益子玲紀「あっ、そう‥」
益子玲紀「とにかく出口を探そうよ」
都丸裕太「何か、いいなぁー! 俺もそういう事言いたい」
益子玲紀「言えるって、ちょっとしたコツだよ」
都丸裕太「コツかぁ」
益子玲紀「あれ?」
都丸裕太「なに?」
益子玲紀「ほら、誰か来る」
都丸裕太「えっ、ホントだ」
都丸裕太「あの人も迷ってんのかなぁ」
益子玲紀「まあ、迷路だからな」
都丸裕太「聞いてみよっか?」
益子玲紀「えっ、やめとけって、おい!」
都丸裕太「あの‥」
迷う男「はい?」
都丸裕太「迷ってますか?」
迷う男「えっ‥はい」
都丸裕太「ですよねー」
都丸裕太「僕らもそうなんですよ、なかなか出口が見つからなくて」
迷う男「出口‥そんなもの、本当にあるのでしょうか」
都丸裕太「はい?」
迷う男「そもそも出口が必要なんでしょうか‥」
都丸裕太「どういう事です?」
迷う男「迷う事の中に答えがある、そんな気がするんです‥」
都丸裕太「‥それってもしかして」
迷う男「はい?」
都丸裕太「迷う事を楽しむ‥ですか?」
迷う男「あなた、うまい事をおっしゃる」
都丸裕太「いやー、それほどでも」
益子玲紀「お前、なに意気投合してんだよ」
都丸裕太「うまい事をおっしゃるって言われた! コツがつかめたよ」
益子玲紀「コツじゃねえよ、俺が言った言葉だよ」
都丸裕太「あの人、けっこういい人だぞ」
益子玲紀「いや、ヤバそうな感じしか‥」
迷う男「ご両名」
都丸裕太「はい!」
益子玲紀「はい?」
迷う男「どうやら迷われてるご様子 宜しかったらご一緒しませんか?」
益子玲紀「いやぁ、それはちょっと」
都丸裕太「いいんですか!?」
益子玲紀「お前、なに食いついてんだよ!」
迷う男「お互い、迷路という心の霧を抱えた身」
迷う男「迷いを抱えた三人が、こんな場所で出会えた事も何か縁でしょう」
都丸裕太「かっこいい!」
益子玲紀「あのな、迷路の中で迷いを抱えるのは当然だぞ!」
迷う男「迷いとは何か?その先に何があるのか?」
迷う男「我ら盲目の子猫ちゃんとなり、真理を探す子羊となりましょう」
都丸裕太「はい!! 益子、スゲえぞ、この人!」
益子玲紀「お前なに興奮してんだよ!」
都丸裕太「子羊となろうぜ!」
益子玲紀「その前に子猫ちゃんだからな! 言ってる事おかしいだろ!」
都丸裕太「じゃあオレ子羊な、お前子猫ちゃん」
益子玲紀「そういう事じゃないんだよ」
迷う男「さあ、参りましょう!」
迷う男「三人寄ればボンジュールと千恵子も言いました!」
迷う男「必ずや迷いの霧は晴れていきます!」
益子玲紀「おかしさが増している!」
都丸裕太「行くぞ!益子!」
益子玲紀「行くって、迷ってんだよ!俺たち!」
迷う男「迷いの霧よ!晴れたまえ!」
お疲れ様です、タイムオーバーとなりました 最寄りの非常扉より退場してください
本日はありがとうございました
迷う男「おお!願いが叶ったのだ!」
益子玲紀「いや、時間切れだから‥」
都丸裕太「かっこいいなぁ」
おしまい
あー!!!!!!こういう話めっちゃ好きですー!!!!!
名言と迷言が入り混じってて最高でした!!!
悩んでいる時に、この三人と一緒に迷路の中に入りたいものです、、、元気になりそうです!!(≧∀≦)
迷う男さんのちょっとイイ感じ風のセリフ(しかし中身はスカスカ)が、2人に精神的な混迷も与えてしまってますね。どうして2時間制限のアトラクションで人生を悟った風なことが言えるのか、画面に向かってツッコミたくなりますw
謎の「迷う男」がいいこと言ってる風で実は大したこと言ってない加減が絶妙でした。盲目の子猫ちゃん、3人寄ればボンジュール、て・・・。この人の頭の中がすでに迷路なんだからわざわざ迷路に来る必要なかったな。ご両名もいい味出してました。面白かった!