V family

やまもと

彼女はまだ知らない(脚本)

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〇ゲームセンター
井部 セシル「ねーねーあれ見た? TikTakのめっちゃバズってるやつ!」
石川 いちほ「見た見た! あのコめっちゃ可愛いよね~!」
井部 セシル「あのコ配信もやっててさ、めっちゃ面白いんだ~!」
石川 いちほ「へ~そうなんだ~」
石川 いちほ「セシルもさ、前までTikTakでライブ配信してたよね」
石川 いちほ「もう、配信とかやらないの?」
井部 セシル「あ・・・うん」
井部 セシル「その、普通に飽きたっていうか・・・」
石川 いちほ「そうなの? 結構人気あったのに、勿体ないよ~」
井部 セシル「まあ、色々と・・・ね」
石川 いちほ「そっか~・・・」
石川 いちほ「あ、もうそろそろ帰らなきゃだね」
井部 セシル「・・・そうだね」
石川 いちほ「じゃあ、また明日ね!」
井部 セシル「うん、また明日」

〇おしゃれなリビングダイニング
井部 セシル「ただいま~」
井部 マイカ「・・・アンタ、こんな時間までどこ行ってたの?」
井部 セシル「別に、友達とゲーセン行ってただけだよ」
井部 マイカ「遊んでばっかいないで、勉強でもしたら? この間のテスト、また点数下がってたでしょ」
井部 セシル「この間のテストは難しかったの!」
井部 セシル「・・・お母さんだって、そんなに勉強できなかったくせに」
井部 マイカ「なに? 言いたいことがあるならはっきり言いなさいよ!」
井部 セシル「なんでもない」
井部 マイカ「こら! 待ちなさい!!」

〇部屋の前
井部 セシル「・・・あ」
井部 マモル「・・・ん、ああ、おかえり」
井部 マモル「どうした? ・・・また母さんと喧嘩でもしたのか?」
井部 セシル「・・・・・・お父さんには関係ないでしょ」
井部 マモル「・・・・・・」

〇女の子の一人部屋
  私の家族は、とても仲が悪い
  お母さんは、私のことが嫌いだ
  私が何をしても、気に入らないみたい
  お父さんは、家ではひたすら部屋にこもってゲームをしたり、アニメを見たりしている
  私がお母さんに理不尽に怒られていても、助けてくれない
  家にいるのが、つらい
  でも、そんな私にも唯一、楽しみがある

〇ゆめかわ
花登 せあら「みんな~~! こんせあら~~~!」
「こんせあら~~」
「せあらちゃん今日もかわいい~」
花登 せあら「今日はね、聞いて欲しいことがあるんだ 愚痴みたいになっちゃうんだけど、良い・・・??」
「良いよ!」
「どんとこい!」
花登 せあら「ありがと~~。 実はね、さっきお母さんと喧嘩しちゃったんだあ・・・」
「思ってたより全然可愛い愚痴で草」
「せあらちゃんでもお母さんと喧嘩するんだ!」
花登 せあら「まあね~~。 お母さん、せあらのこと嫌いみたいでさあ・・・」
「俺はせあらちゃんのこと大好きだよ!」
「私達がついてるよ~~」
花登 せあら「みんな・・・ありがとう・・・」
花登 せあら「じゃあ、今日はこのへんで! おつせあら~~」
「おつせあら~~」
「おつせあら!」
  そう
  私、井部 セシルは
  大人気Vtuber 花登 せあらなのである。
  画面の向こうの視聴者たちは、
  私の見方でいてくれる
  それが何よりも心の支えだった
  そして、私には憧れのVtuberが2人いる

〇西洋の街並み
廻 るるも「ほーい、じゃあ今日はこの新作RPGをプレイしてくよー」
「待ってた!!」
「生き甲斐」
廻 るるも「なるほど、こういう感じのゲームか。 じゃあ、さくっとやってくか~」
「さすがるるも。まじ攻略はえ~~」
廻 るるも「お、謎解きじゃん。 良いねえ、実に面白い」
「謎解きヒント無しで最速クリアwwすげ──」
  彼女は廻 るるも。
  とってもゲームが上手なVtuber。
  るるもちゃんはアニメも好きで、
  私自身は今までアニメとかあまり見たことなかったんだけど、
  るるもちゃんのオススメアニメだけは
  見るようにしている。

〇ポップ
望月 まりさ「じゃあ、今日はみんなのリクエスト曲じゃんじゃん歌っていくわよ~!」
「あの曲歌って欲しい!」
「よき!!」
望月 まりさ「良い曲よね。分かったわ!」
望月 まりさ「ふふ、ありがとう」
「まじうめ~~」
「まりさちゃんの歌が一番好き」
望月 まりさ「やだ~~嬉しい。ありがとう」
  彼女は望月 まりさ。
  とっても歌が上手なVtuberだ。
  彼女の配信を見るようになってからは、
  彼女が配信で歌った曲ばかり聴いている。

〇ゆめかわ
  私の夢は、そんな彼女達とコラボ配信をすることだ
  そのためには、
  もっともっと頑張って、
  人気にならないと!!

〇ゆめかわ
  彼女はまだ、知らなかった
  憧れのVtuber達の正体を

コメント

  • えーっと悲鳴が出そうでした! まさかお父さんまで! なんだかんだ親子なんですね、考えることが一緒。3人がコラボして何かバレた時を想像すると、こっちがソワソワします。

  • お母さんならまだ分かるけれど、お父さんがまさかアレだとはセシルじゃなくてもどんな娘も想像できないんじゃないかな。Vtuberは年齢性別全てが不明だからこれからの世の中「知り合いが実はあのVtuber」なんてことは十分ありうる話ですよね。

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