文化が滅んだので想像で創造した県

おそなえひとみ

八地方区の地主神(脚本)

文化が滅んだので想像で創造した県

おそなえひとみ

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〇城
  江戸(2周目)

〇屋敷の大広間
徳川家康(アンドロイド)「無、無念」
  将軍
  討死に!!

〇東京全景
  江戸は神の炎に包まれた

〇東京全景

〇荒廃したハチ公前
  人々は文化を失った

〇荒廃したハチ公前

〇テクスチャ3
  だが希望は消えていなかった

〇謎の施設の中枢
徳川瀬奈(アンドロイド)「目覚めるのです」
徳川瀬奈(アンドロイド)「機械仕掛けの神 ローカロイドよ」

〇コックピット

〇コックピット

〇コックピット
ホクトウ「ここは一体?」
禁忌「うっ、頭がうずく 俺の封印された記憶が──」
九縄(クジョウ)「僕達は地主神(とこぬしのかみ)」
九縄(クジョウ)「どうやら機械の体に封じ込められたようですが──」

〇謎の施設の中枢
徳川瀬奈(アンドロイド)「そう貴方達は地主神」
徳川瀬奈(アンドロイド)「その御霊を機械の体に宿しました」
徳川瀬奈(アンドロイド)「口惜しいことに」
徳川瀬奈(アンドロイド)「江戸は滅ぼされました」
徳川瀬奈(アンドロイド)「この恨みは復讐でしか──」

〇コックピット
なかよし「そんなの知りません」
なかよし「復讐なんてダメですよ」

〇謎の施設の中枢
徳川瀬奈(アンドロイド)「話しを聞きな──」

〇コックピット
カント「通信終了」
カント「では またどこかで」
シー・ビー「情報を聞き出してから 使い捨てれば良かったものを」
シー・ビー「これではなにも分からんぞ」
九縄(クジョウ)「これだけの設備です」
九縄(クジョウ)「手掛かりはここにもあるでしょう」
九縄(クジョウ)「それも含めて面白いですね」
ホクトウ「この姿で会うのは初めてだが 皆、旧知の仲だな」
禁忌「眠りし記憶が蘇る──」
禁忌「我々は日本を構成する者」
なかよし「えぇ、遠き昔からの家族です」
ホクトウ「私は北海道と東北」
カント「僕は関東」
シー・ビー「妾は中部じゃな」
禁忌「俺が近畿で」
なかよし「私は中国・四国」
九縄(クジョウ)「僕が九州・沖縄と」
ホクトウ「八地方区を治める地主神だ」
カント「まさかこんな風に 集まることになるとはね」
シー・ビー「しかし ここはどこじゃ?」
九縄(クジョウ)「ここは船内だ」
九縄(クジョウ)「しかも空を飛ぶタイプの」
なかよし「飛ばせるの?」
九縄(クジョウ)「やってみよう!!」
ホクトウ「衝撃に備え座ろうか」
カント「ほら チューブもここへ」
シー・ビー「そのようなダサい名前ではない」
シー・ビー「妾はシー・ビーじゃ!!」
カント「腰かけてくれるかい? シー・ビー」
シー・ビー「座れば良いんじゃろう」
九縄(クジョウ)「では離陸だ!!」

〇地下空間の戦艦

〇雲の上

〇コックピット
九縄(クジョウ)「よし成功だ!!」
シー・ビー「先程の老人 江戸は滅んだと言っておったな」
禁忌「ここから地上の様子は分かるか?」
ホクトウ「私も手伝おう」
ホクトウ「この船に記録が残っているな」
ホクトウ「なるほど」
カント「神々の侵攻により文化は消失したと」
なかよし「被害が文化だけで済んで良かったです」
禁忌「そうも言ってられないみたいだぞ」

〇近未来の開発室

〇コックピット
禁忌「寝て起きて、サプリを摂る・・・」
九縄(クジョウ)「文化的な生活とは程遠いですね」
九縄(クジョウ)「文明的ですけど」
カント「苦労なく暮らせているのなら良いことだ」
禁忌「俺としては許せないな」
禁忌「復讐しろと血が騒ぐ!!」
禁忌「もっと騒げ俺の血よ!!」
ホクトウ「復讐はどうでも良いが 放っては置けないな」
シー・ビー「妾には関係ないことじゃ」
なかよし「そんなこと言わないの」
ホクトウ「では多数決を取ろう」
ホクトウ「このまま人間を見放すべきか?」
ホクトウ「それとも救うか!!」
カント「恣意的な問いだね」
カント「それでは現状が悪いと誘導している」
ホクトウ「これが理想的な生活だと?」
カント「そうは言っていない」
カント「でも 及第点だとは思うけどね」
シー・ビー「なにゆえじゃ?」
カント「幸福を知るからこそ 苦痛は増すものだ」
カント「ならばどちらも無い方が良い」
シー・ビー「だから文化を与えるな、か──」
シー・ビー「極論じゃが──」
シー・ビー「それで苦痛が減る者が おるのも事実じゃな」
九縄(クジョウ)「このままの生活が良いと思うか」
九縄(クジョウ)「それとも 以前の文化的な生活が良いと思うか」
九縄(クジョウ)「これならどうだろう?」
ホクトウ「それで採決を取ろう」
カント「構わないよ」
ホクトウ「このままの生活で良いと思う者は?」
シー・ビー「2票じゃな」
カント「では文化的な生活を 取り戻させたいと思う者」
九縄(クジョウ)「こちらは3票 決まりだね」
なかよし「禁忌はどっちなの?」
禁忌「復讐だ!!」
禁忌「怒りで右手、左手、右目、左目が疼く」
シー・ビー「疼きすぎじゃろ!!」
カント「やれやれ」
カント「火を与えたプロメテウスの 二の舞にならないことを願おう」
なかよし「問題はどうやって文化を取り戻すかね」
禁忌「俺の封印されし記憶があれば 人間を救えるのだが・・・」
シー・ビー「恥ずかし気もなく よく口にできるな」
九縄(クジョウ)「記憶か──」
九縄(クジョウ)「それが答えかもしれない」
シー・ビー「お主まで毒気に当てられたか?」
九縄(クジョウ)「まさか」
九縄(クジョウ)「僕らは地主神だ」
九縄(クジョウ)「僕らの中にも文化の記憶が眠っている筈だ」
なかよし「人と共に歩んできたものね」
九縄(クジョウ)「その記憶を実体化できるとしたら?」
なかよし「私達にそんな事ができるの?」
禁忌「その力があると 別人格の俺が囁いている」
カント「徳川のご婦人は 僕らを機械仕掛けの神と呼んだ」
カント「全てを解決する 都合の良い力があるのかもしれないね」
シー・ビー「そうだとしても 問題もあるな」
なかよし「問題?」
シー・ビー「遥か昔は 人と共に生きていたのは事実じゃ」
シー・ビー「しかし、いつからか 人は妾らの事を忘れてしまった」
禁忌「人は我らを忘れ 我らは人を忘れた」
禁忌「封印された記憶を思い出すのは 容易じゃないな」
九縄(クジョウ)「だからこそ この船に僕等は乗せられた」
なかよし「この船に何か秘密があるの?」
九縄(クジョウ)「この船にも 文化の断片が残っているみたいなんだ」
九縄(クジョウ)「試してみよう」
九縄(クジョウ)「食べ物、有名、人気っと」
  三重県の名産
  松阪牛
なかよし「この中から選ぶのかしら?」
禁忌「牛とは一体・・・」
禁忌「くっ、頭が!!」
カント「これで良いんじゃないかい?」
カント「大きくて食べ応えありそうだし」

〇ブリーフィングルーム
  松阪牛
  想像をもとに創造します
  生成されました
松阪牛「ウモォオオ!!」
  三重県に投下します

〇雲の上

〇荒廃した街
松阪牛「ウモォオ!!」
「うわぁぁぁ!!」

〇コックピット
  三重県
  治安悪化↑↑
  不満度上昇↑↑
シー・ビー「逆じゃ!! ノットクリアじゃろ!!」
なかよし「わー お祭りみたい♪」
禁忌「三重の民が被害に!!」
禁忌「なんてことをしてくれる!!」
カント「本当に間違いかな?」
カント「松阪牛を飼育する技術が 無かっただけかもしれない」
ホクトウ「これは困ったな」
ホクトウ「正解を見定める基準がないのか」
九縄(クジョウ)「民が喜ぶかどうかが 判断基準になるんじゃない?」
なかよし「そうですね 喜んでたら正解だと思います」
シー・ビー「次は 妾がやろうかの」
カント「反対派じゃなかったのかい?」
シー・ビー「楽しそうじゃからな」
シー・ビー「やってみたくなったわ」
カント「どうぞお好きに」
シー・ビー「では中部地方で一番有名な物よ」
シー・ビー「甦れ!!」
  ◆富士山
  ・国の象徴
  ・下が大きく上が小さい
  ・不老不死の逸話
  ・太陽
シー・ビー「うむむ?」
シー・ビー「富士山とはなんじゃったか?」
なかよし「閃きました♪」
シー・ビー「では、お主に任せよう」
なかよし「富士山ってこんなの♪」

〇ブリーフィングルーム
  富士山
  想像をもとに創造します
  大きすぎて艦内では
  生成できません
  地上にて生成します

〇雲の上

〇菜の花畑

〇ピラミッド

〇コックピット
  静岡と山梨
  神秘度上昇↑
  魅力度上昇↑↑
  観光客増加↑↑
シー・ビー「素晴らしい物ができたわ」
禁忌「日本にあんなものあったか?」
禁忌「記憶に無いんだが」
シー・ビー「まだ記憶が封印されておるのか 貴様!!」
シー・ビー「あれこそ国の象徴よ!!」
なかよし「沢山の人達が訪れています」
なかよし「喜んでいるから間違いないですね」
ホクトウ「次は九縄がやってみたらどうだ?」
九縄(クジョウ)「余り乗り気じゃない」
なかよし「どうして? 皆が喜んでくれるのよ」
九縄(クジョウ)「人は僕らを忘れてしまった」
九縄(クジョウ)「そんな人達に 幸福を授ける必要があるのかな?」
ホクトウ「忘れられてしまったのは悲しいことだが」
ホクトウ「それでも私の地に生きる者には 幸せで居て欲しい」
九縄(クジョウ)「はぁ・・・」
九縄(クジョウ)「一度は賛成した身です」
九縄(クジョウ)「一回くらいなら やってあげるかな」
九縄(クジョウ)「食こそ幸福の根源」
九縄(クジョウ)「九州の美味しい物よ」
九縄(クジョウ)「甦れ!!」
  ◆さつま地鶏
  ・茶色い
  ・早起き
  ・卵を産む
九縄(クジョウ)「うーん 記憶にないものばかりですね」
なかよし「きっと どれでも大丈夫」
なかよし「知恵と工夫で 美味しく食べてくれます」
なかよし「それが人間ですもの」
なかよし「後は運よ」
なかよし「一番と二番を 同時に選んでみましょう」
ホクトウ「九縄 君が選ぶんだ」
ホクトウ「君の土地の民に届けるものだ」
ホクトウ「責任をもって選びなさい」
なかよし「一番と二番 どちらにする?」
九縄(クジョウ)「これにするよ」

〇ブリーフィングルーム
  さつま地鶏
  想像をもとに創造します
  生成されました
  鹿児島県に投下します

〇大樹の下

〇コックピット
禁忌「反応がないぞ?」
カント「あれをどう食べるのか 考えてるのさ」
カント「調理する文化さえ忘れてしまったからね」
  鹿児島県
  ・食文化向上↑
  ・魅力度上昇↑↑
  ・幸福度上昇↑↑↑
ホクトウ「民達は喜んでいるようだな」
九縄(クジョウ)「僕が間違うはずないでしょう」

〇ブリーフィングルーム
  地上より転送物あり

〇コックピット
九縄(クジョウ)「これは?」

〇古びた神社
「地主神様 さつま地鶏をありがとうございます」
「こんなに美味しいものは初めてです」
「どうか地主神様も お召し上がりください」

〇コックピット
九縄(クジョウ)「なんだ人間のヤツ」
九縄(クジョウ)「僕達のことを忘れてたくせに」
九縄(クジョウ)「急に奉納なんかして──」
九縄(クジョウ)「ふん・・・」
ホクトウ「彼等は心から感謝をしてるだけだよ」
ホクトウ「昔を思い出す」
ホクトウ「こうして よく捧げ物をしてくれたものだ」
シー・ビー「それも、いつしか減ってゆき」
シー・ビー「終いには なくなってしまったがな」
禁忌「文明の進歩ゆえか」
禁忌「はたまた文化が変われば 心も変わるのか」
禁忌「我等が忘れられたのは何故だろうな」
カント「人は困った時にしか祈らない」
カント「今まで祈ることを忘れていたのに それを思い出させてしまった」
カント「彼等は困っていることを自覚した」
カント「これからが大変だよ」
なかよし「求める者には手を差し伸べるべきです」
ホクトウ「あぁ、我が地に暮らす者だ」
ホクトウ「幸福でいて欲しいと願うばかりだよ」
シー・ビー「その為に妾達が働くのか」
シー・ビー「嫌な話じゃのう」
禁忌「うむ、旨い!!」
九縄(クジョウ)「ちょっと!! なに勝手に食べてるのさ!!」
九縄(クジョウ)「それは僕に捧げられた物だぞ!!」
禁忌「良いじゃないか」
禁忌「代わりに三重の特産」
禁忌「松阪牛を振る舞おう」

〇荒廃した街

〇コックピット
九縄(クジョウ)「僕が食べられちゃうよ!!」

コメント

  • ずっと気になってたのですが、やっと読めました!
    設定が壮大で驚きました。
    都道府県の神々(ローカロイド)の悪戯(本人たちは真剣な供給ですよね)が、人間に新しい文化を供給しているのがツボりました。
    本当に新しい視点での作品で、続きも皆が書けそうですよね。面白かったです😊

  • 松坂牛がとんでもないことになっていて、笑いました🤣
    九州では、ちゃんと鶏が選ばれていてホッとしました😊
    これから、いろいろな県が被害に遭いそうですね😂

  • これはいい日本創造シミュレーションゲーム!!👍
    三重県不憫なので最強ニンジャを投入したい…!!w w w

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