〇シックなリビング
押野　芽菜「いやぁ、今日も相変わらず推しは可愛いものですよ、メメントくん 一生推すわ、生まれ変わったらその世界に行きたいな」
　　本日の天気：本日の天気は曇り、明日は台風12号による大惨事な雨が降ります。
押野　芽菜「大惨事な雨、ねぇ。 防災グッズを用意しておかないと・・・」
押野　愛音「お、お、おね〜ちゃ〜んっ!!」
押野　芽菜「どした〜？いも〜とよ〜♪ 私はエネルギーを摂取したてだから気分屋だぞ〜♪」
押野　愛音「えっと、その・・・」
押野　芽菜「ぱっぱと言わないと部屋に戻ってもう一周終エンアニメを見てしまうぞ〜」
押野　愛音「え、え、えっと・・・ う、うぅ・・・」
押野　愛音「うわぁあああああんっ!!!!」
押野　芽菜「え、あ、え？妹よ、どうしたのだ？」
押野　愛音「プリネバの・・・プリネバの限定公演チケットに・・・落選した〜っ!! 二度と見られないかもしれないライブなのに〜っ!!」
押野　芽菜「い、妹よ・・・ そ、それは難儀だなぁ・・・ 私もそれはなんとかできる自身は無いぞ・・・っ？」
押野　愛音「・・・通常公演チケット」
押野　愛音「通常公演チケットにも落選したら私これから一週間飯食えなくなるよ〜!!」
押野　芽菜「・・こ、これは、困ったなぁ。 プリネバって、人気高くて抽選倍率高いって聞くし・・・ 私はアニメしか推し活をしないし・・・」
押野　愛音「・・・招集」
押野　芽菜「そのためだけに招集するのかっ!? 代価は？」
　　説明しよう!!
　　「招集」とは!!
　　ある家族内の一人がどうしても一人じゃなんとかできない推し活に阻まれたとき、代償を払って家族全員で協力することだ!!
押野　愛音「代価は・・・今日買ってきたカムトリーマームだ!!」

〇古いアパート
押野　津辺「しょーしゅー!! しょーしゅーだよー!! 今すぐ集まれ〜っ!!」

〇シックなリビング
押野　玄樹「いやぁ、久しぶりの招集だなぁ」
押野　衣舞「はぁ・・・ もうすぐメルカル様の配信が始まってしまうというのに・・・」
押野　藍「まー、次の終エンまでは時間有るし付き合うよ〜。 正直言うと二次創作に明け暮れたいけど・・・」
押野　衣舞「まー、とりあえず集まりますわ・・・」
押野　玄樹「ふふ、小さい時から話し合って協力して目標を達成する練習ができるのはいいことさ」
押野　藍「はぁ～あ、行きますか」

〇狭い畳部屋
押野　愛音「今回の目標はただ一つ、通常公演チケットを手に入れることだ!!」
押野　津辺「かみさまにおねがいする？」
押野　藍「駄目だよ、それくらいじゃ受からないじゃないか・・・」
押野　玄樹「なら、とりあえず数撃ちゃ当たる戦法でみんなでチケットを買うとか？」
押野　衣舞「それでも外れるときはありますわ。 でもまあ・・・少しはありかもしれないわね」
押野　芽菜「でもでも、同じところから抽選すると弾かれやすくなる・・・って聞くよ」
押野　衣舞「じゃあどうするのさ・・・」
押野　芽菜「う～ん、チケットを転売〇ーから買うとか？」
押野　愛音「それは絶対ダメ!! つい最近チケット転売禁止法ができたし、転売から買うなんて無礼にもほどがあるよ」
押野　津辺「おっ、公演時間は昼間のほうがあたりやすいみたいだね。 あとは地方のほうがあたりやすくなるとか・・・」
押野　芽菜「お～っ、ナイスだ弟よ～♪」
押野　衣舞「昼間・・・ まあ、最近成績もよいし１日くらいはまあ・・・ でも今度大量に勉強してもらいますからね」
押野　玄樹「決まりだね。 まず、作戦はこうさ!!」

〇小さいコンビニ
　　まず、家族全員で別のチケット売り場に向かい、地方のチケットを買う。
押野　芽菜「おっ、ミッケ!!」

〇コンビニ
押野　藍「もう、今度バイト代もらわなきゃなぁ・・・」

〇古びた神社
押野　愛音「お願いです、神様・・・ どうか、チケットを・・・」
　　愛音は運を上げさせる。

〇狭い畳部屋
押野　玄樹「こんな感じでどうかな？」
押野　愛音「うん、いいと思う♪」
押野　玄樹「それじゃぁ、決行だね」
押野　芽菜（あれ？明日、何かあったような・・・ いや、気のせいかな・・・）
押野　芽菜（ま、忘れていることだし、気にしないでいっか。 そんな重要ではないだろうし）
押野　愛音「これで行けるといいなぁ・・・」
押野　津辺「きっと行けるよ、お姉ちゃん!! ふれーふれーっ!!」

〇古いアパート
　　・・・
　　翌日。
　　日本列島に上陸した台風は、土砂降りの雨をもたらしていた。

〇狭い畳部屋
押野　愛音「う・・・嘘、でしょ・・・」
押野　芽菜「・・・・・」

〇シックなリビング
　　本日の天気：本日の天気は曇り、明日は台風12号による大惨事な雨が降ります。
押野　芽菜「大惨事な雨、ねぇ。 防災グッズを用意しておかないと・・・」

〇狭い畳部屋
押野　芽菜「・・・すまない、妹よ。 今日、こんな大雨になると分かっていたのに、すっかり忘れてしまっていた・・・」
押野　愛音「・・・どうしよう、このままだと・・・ 実は、チケットの販売期間が急に短くなってしまって・・・ あと一週間なんだよね・・・」
押野　玄樹「これは困ったな、ハッハッハ！ なにせ今週は２つの台風が来るからな、大惨事になるぞ〜♪」
押野　芽菜「ぬぐー・・・ もう、お父さん」
押野　玄樹「逆に今日やらないと今週はもう出られないぞ〜」
押野　愛音「・・・やってやるさ」
押野　芽菜「えっ・・・」
押野　芽菜「それは危険だぞ、妹よ!! なにせ、台風の中特攻するなんて、まじでふっ飛ばされて死ぬかもだぞ!!」
押野　愛音「私の愛は・・・ こんな台風じゃふっ飛ばされないんだよ!!」
押野　芽菜「・・・でも、うちには車なんてない。 この大雨の中、どうするのか・・・？」
押野　玄樹「ふふふ、そういうと思って・・・」

〇タクシーの後部座席
押野　愛音「こんな大雨でもやってるタクシーなんてあったんだ。 意外・・・」
押野　藍「もー、お姉ちゃん、一人で行かせるのは怖いからって私のことを使わないでよ・・・はぁ・・・」

〇小さいコンビニ
押野　芽菜「ひゃっふぅううううっ!!! 雨の中踊るのは気分がいいぜ〜っ!!!」
押野　衣舞「こら、前に「台風でふっ飛ばされるから行くべきじゃない」って言いながら思いっきり傘ふっとばして踊っているんじゃありません」
押野　芽菜「はいはーい」
押野　衣舞「あぁ、もう、風邪引くから早く行くわよ。 まったくもう・・・ですわ」

〇裏通りの階段
押野　愛音「私は頑張るぞ、推しのために!! どららららぁらぁ!!!」
押野　藍「ち、ちょちょちょ!!! 待って!!!」

〇古びた神社
押野　愛音「お願いです、神様、どうか、どうか・・・ 願いを、叶えて下さい」
押野　愛音「私、どうしても行きたいんです、このライブに。 人生、最後かもしれないので」
押野　愛音「私は―――」
押野　愛音「神様、どうかおねがいします。 願いを、叶えて下さい」

〇見晴らしのいい公園
押野　愛音「ふー、なんとか戻ってこれた・・・」
押野　藍「も〜っ!! こら、探したんだから・・・ どこいってたの？ あんな一瞬で消えるなんて思わなかった・・・」
押野　愛音「ご、ごめんごめん・・・ つい置いてっちゃったよ、ごめんね」
押野　藍「全く、次やったらバイト代もらうからね」
押野　愛音「はいはーい」
押野　藍「やばっ!! てかもう風強くなってきてるじゃん!! もう、急いで撤退だよ!!」

〇狭い畳部屋
　　２週間後・・・
　　チケット当選者発表日。
　　そこには、ガックリした様子の一人の少女がいた。
押野　愛音「チケット全ハズレええええぇえええっ!!!」
押野　芽菜「いいいいいい妹よ、落ち着けえええええっ!!!!」
押野　愛音「うるせぇ、どうせ地球は滅ぶんだ暴れてもいいだろこらぁあああっ!!!! 神頼みも結局意味ね―じゃね―かクソがぁあぁあああっ」
押野　玄樹「ふふふ、これもまた人生なり。 失敗の経験は将来大変することになるからな、まあいいだろう!!」
押野　芽菜「招集、招集だ〜っ!! どうすれば妹の気が収まるか・・・ うわぁああああっ!!!」
押野　衣舞「これは、もうしばらく覚悟しておいたほうがいいですわね。はぁ・・・面倒・・・」
押野　津辺「わ〜っ、お姉ちゃん落ち着け〜っ!! 家が倒壊しかねないよ〜」
押野　藍「・・・あーあ、駄目だったねぇ」
押野　衣舞「ただでさえ、身体が弱いんだから、無理しないほうがいいのに・・・」
押野　愛音「くっそぉ、一生の不覚だよっ!!! 次こそ、次こそはやってやるさぁあああっ!!!」
押野　芽菜「その前にお前は落ち着け―いっ!!!」
押野　愛音「うっせぇ！黙れやこんにゃくー!!」
押野　芽菜「ちょ、痛いってば〜っ!!妹よ〜っ!!」
　　推し活MISSION１
　　「通常公演チケットに当選しろ」
　　結果：Failure
　　その後暴れた少女は誰にも手がつけられなくなったとさ。

〇シックなリビング
　　ある日。
　　本当に推しを愛しているかで大喧嘩になった二人の少女。
　　ふたりとも力がとても強く、このままだとボロ屋が大変な事になってしまう。
　　だから、どうにかしないといけない。
　　招集を言い渡し、集まる一つの家族。
　　喧嘩の原因とは何なのか？
　　二人の想いのすれ違いとは。
　　次回、「全力!!推し活ファミリー」
　　
　　MISSION２　
　　「姉と妹の推し愛喧嘩を止めろ」
　　
　　お楽しみに。