ウマくやりたきゃ指示を聞け!

あえうぇあw

好きな人とまともに喋れなくて、兄の指示通りに動いたほうがまだマシ。(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
ひろき「うっせえババア!!」
夏芽「双子だろーが!!じゃあお前もジジイじゃん!!」
ひろき「う、る、さ!!ババア!! 母ー!兄ーちゃん!行ってきまーー!!」
卯之彦「いってら~」
母「行ってらっしゃい」
夏芽「じじい!」
ひろき「ババアババア!」
夏芽「あー、もぉ!」
夏芽「おにーちゃん、いつも洗い物ごめんね、ありがと!行ってきまーす!!」
夏芽「お母さんも!いってきまーす!」
卯之彦「おう、行ってらっしゃい!」
母「気を付けてね」
卯之彦「──今日、父ちゃんとこ行ってくるから、その時に持って行っておくよ」
母「いつも助かるわ、ほんと」
卯之彦「いいっていいって」
母「ありがとうね、卯之彦 いってきます」
卯之彦「行ってらっしゃい」
卯之彦「さて」
卯之彦「仕事仕事・・・っと」

〇大きな木のある校舎

〇大きな木のある校舎
ひろき「学校おわり~!」

〇一戸建て
ひろき「夏芽はゲームのアイドルお、た、く~♪」
ひろき「とくにメガネだー~んしー~♪」
ひろき「閉まってる~♪」
ひろき「ただいまー!家っ!」

〇通学路
夏芽「なにかあったら言ってね。美優が困ってたら私が助けるから」
美優「ありがと」
美優「でも、夏芽も頼ってよ?」
美優「夏芽って、人の世話焼いてくれるけど 意外と自分出せないとこあるもん」
夏芽「そう? かな・・・」
美優「そうそう!」
夏芽「でも男子ってほんっとバカだよねー」
夏芽「好きな相手にそうゆうことするんだって」
美優「好きになるわけないのにね~」
夏芽「ほんっと!! 男子ってガキばっか!!」
夏芽「・・・?」
夏芽「!?!!」
江東「うぃっす。田臥、野田」
美優「うわ!江東じゃん」
夏芽「あっ・・・」
江東「”うわっ” ってひど!」
江東「さっきの聞こえてたんだけど~ 田臥にガキって言われたわ―ショックだわー」
美優「あっははは!」
夏芽「あっ・・・」
夏芽「ごめん・・・」
「え?」
夏芽「・・・」
江東「いやいやいや!!」
江東「本気じゃないからね? まじ男子とか、実は全員バカだから!」
夏芽「あっ・・・」
夏芽「うん・・・」
美優「いや、”うん” って.」
夏芽「あっ・・家・・・」
夏芽「ばいばい・・・」
美優「ばいば~い・・・」
江東「おおう、また明日・・」
「あ、そうだ、明日皆でカラオケだったね──」
夏芽「・・・」
卯之彦「夏芽、ただいま──」
卯之彦「おかえり? 丁度一緒か」
夏芽「あ、うん・・ただいま・・」
卯之彦「・・・?」

〇おしゃれなリビングダイニング
夏芽「も~~~~~~~~」
夏芽「なんで~~江東君~~あ~~も~~」
夏芽「も~~、ちゃんと・・・」
夏芽「なんで話せないかな〜〜」
卯之彦「それで落ち込んでたのか」
夏芽「うーーん・・ もう何言ったらいいか全っ然!!」
夏芽「どうやったら仲良くなれんの? 教えてよ!」
卯之彦「そんな難しく考えなくても、男心なんてちょちょいのちょいだろ・・!」
夏芽「ちょちょいのちょいって──じゃあなんて言えばいいの!」
卯之彦「なんて言えばっ、て その場にいるならまだしも・・」
夏芽「もぉ、ついてきていいから・・・」
卯之彦「はは、相当シュールじゃないか?それ──」
卯之彦「あ、ごめんな? バイブにしっぱなしだったか──」
「はいもしもし田臥です」
夏芽「はぁ」
夏芽「お兄ちゃん・・」
夏芽「スマホ持たずに電話してる──」
夏芽「知らなかったら独りで喋ってるみたいだなぁ」
夏芽「・・・」
夏芽「──!!」
夏芽「これだ!!」
卯之彦「(──? 夏芽が俺のイヤホン指さして口パクパクさせてる? なんだ?)」

〇電器街
  次の日──
「そっちの声はちゃんと来てるよ」
「一応もう一度、俺の声が聞こえてるなら マイクを2回トントンしてくれ」
  トン、トン
「よし、通じてるよ それじゃ──」
「夏芽~ 歩くの遅いよー? どーかしたー?」
「頑張ってこい!」
夏芽「あ、別にー!なんでもなーい!」
  トン、トン

〇カラオケボックス(マイク等無し)
奈菜「イェ~~イ」
  そうそう、ひとつ確認しておきたいんだけど──
夏芽「?」
  江東君とはよく話すのか?
夏芽「・・・」
  トン、トン、トン
  あんまり話せてないのか
  じゃあ、一年間ぐらいずっと、話したいけど話せてないって状況なのか・・
  トン、トン
  そうかぁ
  よし、そうだな
  今日の目標は・・
  江東君と
  ”二人で出かける約束をする” にしよう
夏芽「!!!?!!」
  トン、トン、タァン!
  ・・・
  がんばれ
夏芽「・・・」
美優「ま、ち、を~♪」
美優「みわーたせる おーかに~♪」
美優「ちょっと化粧直し──」
夏芽「はーい」
江東「ズズズ──」
江東「あ、氷しかなくなってた」
江東「飲み物入れてくるけどついでにいるひとー」
  !!
  夏芽!・・・紅茶だ!紅茶頼め!
夏芽「え!?」
夏芽「こ、紅茶!」
江東「紅茶・・・?」
  ”ティーバッグの”
夏芽「てぃ、ティーバッグ・・の?」
  ”ごめん、自分でやる。私も皆の分手伝うよ”
夏芽「!」
夏芽「ご、ごめん!変なこと言って・・」
夏芽「私も皆の分手伝うよ!」
江東「おう!」
江東「んじゃあ他にいる人言って──」
夏芽「・・・」
夏芽「(やばいやばいやばい──)」
夏芽「(江東君と二人っきりになっちゃうじゃん──!)」

〇おしゃれな受付
夏芽「(二人きりになっちゃった!?)」
江東「さっき野田が歌ってた歌のさぁ」
夏芽「えっ、うん・・」
江東「街を見渡せる丘って、俺らの街にもあるよね」
夏芽「?」
夏芽「そ、そうなの?」
江東「あれ?知らない?」
江東「チャリだったらそんな遠くないんだよなぁ バスもあるし」
夏芽「ほぇぇ・・」
夏芽「・・・」
  連れていって欲しいなぁ
夏芽「つれ──」
夏芽「!!」
江東「ん?」
夏芽「(ちょっと!」
夏芽「何言ってんのお兄ちゃん!そんなこと言えるわけないでしょ!)」
  夏芽・・
  それくらい言えないと、いつまで経っても進展なんかしないぞ?
夏芽「う・・・」
夏芽「・・・」
江東「どした?」
夏芽「え、あ、」
夏芽「あ」
夏芽「あ──」
夏芽「・・・」
夏芽「な、なんでもない」
夏芽「(やっぱ無理だ・・・)」
夏芽「(ごめんお兄ちゃん・・・)」
美優「うっわ、珍しい組み合わせ!」
夏芽「わぁああっ!!」
江東「うおっ」
美優「おもしろ!驚きすぎっしょ」
夏芽「美優が急に来るから!」
江東「田臥の声の方が驚いたわ」
夏芽「ぁ・・ぇ・・」
美優「なに、飲み物?私も運ぶの手伝うよ」
夏芽「え、うん」
夏芽「ありがと──」

〇カラオケボックス(マイク等無し)
夏芽「(なんで何も言えなくなるの──!)」
夏芽「(私のばか──)」
奈菜「次の曲、夏芽?」
奈菜「マイクはい」
夏芽「さんきゅ」
美優「あ、この曲知ってる」
美優「ドラマの途中で流れてたやつだよね?」
奈菜「あたし信じらんないくらい泣いたんだけどあのドラマ──」
美優「──」
夏芽「届かない思い~♪」
奈菜「(めっちゃ感情こもってんじゃん──)」
夏芽「それでもまだ~♪」
夏芽「(まだ・・・カラオケが終わったわけじゃない)」
夏芽「(なんとか、江東君と話すタイミングを──!)」

〇通学路
夏芽「終わった・・・」
奈菜「楽しかったー」
内村「じゃーなー!」
「ばいばーい」
夏芽「ばいばーい」
夏芽「(帰り道ももう美優とずっと一緒で、切り出すタイミングなんかない──)」
夏芽「はぁ──」
夏芽「(美優・・・あれ?どこ行った──)」
江東「あーー・・・」
江東「ごめん おれ、一緒に帰らない方がいいかな?」
夏芽「え?」
夏芽「美優? 美優は──」
江東「野田、どっか寄っていくってよ」
江東「だからこっち方面は二人になっちゃったんだけど──」
夏芽「あ、え?あ、」
  夏芽、落ち着け
夏芽「!」
  とりあえず、返事しな
  一緒に帰ろうって
夏芽「あっ──一緒に帰ろう」
江東「気、使わなくていいよ?」
夏芽「え?いや・・・」
江東「そう?」
江東「じゃあまぁ──」
江東「帰ろっか」
夏芽「うん」
「・・・」
  おーい
  どうなってる?
  なんで何も反応しない?
  こっちの声が聞こえてない・・・?
夏芽「(・・・はっ!)」
夏芽「(いつの間に!どこここ!」
夏芽「──私の家じゃん!)」
江東「あ、ここだよね、田臥ん家」
  え?もう家についたのか?
夏芽「あ・・・」
  夏芽!最後のチャンスだぞ!
  街が見渡せる丘に連れて行ってって言おう!
夏芽「!」
江東「じゃ、じゃあ──」
夏芽「あの──!」
江東「!?」
夏芽「街が見えるところ──」
江東「ああ!あの話?」
夏芽「見たい・・・かも」
夏芽「今度・・」
江東「!!」
江東「いいよ!」
江東「連れてく連れてく!」
夏芽「!!」
夏芽「うん!」
江東「いつにする?」
江東「来週の金曜とかどう? ほら、ちょうど早く学校終わる日──」
夏芽「!」
夏芽「いい・・」
夏芽「その日で・・」
江東「決まりな!」
江東「じゃあさ、連絡先・・・あ、バッテリーないんだったわ」
江東「月曜、学校で会った時交換しようよ! 連絡先!」
夏芽「う、うん!」
江東「じゃあ、また月曜な!」
夏芽「うん!」
夏芽「ばいばい──」
夏芽「・・・」
夏芽「・・・」
夏芽「~~~~~っ!」

〇飾りの多い玄関
夏芽「ただいま!」
「おかえりー」

〇おしゃれなリビングダイニング
夏芽「お・・・」
夏芽「(部屋に来て!)」
卯之彦「(分かった)」

〇可愛い部屋
夏芽「おにいちゃんのおかげだよー、まじで!」
夏芽「まさか二人ででかける約束までしちゃうなんてね!」
夏芽「ほんっとにありがとう!」
卯之彦「いやいや」
卯之彦「大変なのはこれからだろ?」
卯之彦「これからは自分の言葉だけで会話するんだから」
夏芽「次もお願いします」
卯之彦「ばか!これじゃあ俺と江東君が会話してることになるだろ!」
夏芽「喋ってるのは私だからいーじゃん!」
卯之彦「おいおい・・今からそんなこと言ってて大丈夫か」
卯之彦「もし江東君と付き合えたらどうするつもりだよ」
夏芽「江東君と付き合ったらやばいよっ!!!」
卯之彦「・・・」
卯之彦「?」
卯之彦「自分で・・・何言ってるのか分かってるか?」
夏芽「・・・」
夏芽「・・いいやぁ?」
卯之彦「・・・」
「うおおおーーーーーー!!」
「!?」
「なつめーーーーーーー!! にーーーーちゃーーーーん!!」
  ドタドタドタ
夏芽「なにひろき! 何かあったの!?」
ひろき「とーちゃん!!」
ひろき「退院決まったって!!!」
「!!」

コメント

  • 一度目のチャンスでうまく言えなくて二度目のチャンスで思い切って言えたというのが、本当にリアルだと思いました。それにしても妹思いのお兄さんがいい人すぎるしヒマすぎる。なんだかんだ最初のデートの時も指示役をしてくれそうな気がします。

  • 私も若い頃、普段はおしゃべりなのに気になっている人の前では全くの無口になってしまうタイプだったので、彼女の心境が痛いほど伝わりました。優しいお兄さんがいて良かったですね!江東君はきっと素敵な彼氏になりそうな予感です。

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