美少女とおパ〇ツ(脚本)
〇綺麗な図書館
図書室に咲く一輪の花
地味な景観の中一際目立つその可憐な形に
俺は吸い寄せられるようにして足を進めた
ミレイ「何ですか またあなたですか・・・」
ミレイ「先に言っておきますが 下着は見せませんからね」
ぐっ・・・なぜバレて・・・
ミレイ「あなたの幼稚な考えなどお見通しです」
ミレイ「用がないのなら邪魔しないでほしいのですけど」
そんなこと言わずにさ
ちょっとくらいならいいだろ?
ミレイ「いいわけないでしょ 本当に何を考えているのですか、あなたは」
ミレイ「そんなことばかり言っているから クラスであなたの悪い噂が立つのですよ?」
悪い噂・・・?
ミレイ「知らないんですか? クラスの人たちからあなたがなんて呼ばれているのか」
んん・・・
ミレイ「はぁ・・・」
ミレイ「まったく、あなたって人は・・・」
ミレイ「”変態”ですよ、へ、ん、た、い、」
へ、変態・・・?
ミレイ「そうです」
ミレイ「あなたは普段から不埒なことばかりしているから、そのような不名誉なあだ名で呼ばれるのです」
不埒って・・・
俺はただミレイさんのパ〇ツが一目見たいだけで・・・
ミレイ「それが不埒だと言っているんです」
ミレイ「いいですか これに懲りたら今後私に下着を見せろとか 卑猥なことを言うのはやめることです」
いや・・・でも──
ミレイ「”でも”じゃないです」
うぅ・・・
ミレイ「それでは 私はこれから用があるので」
ミレイ「せっかく来たのですから 本でも借りていったらいかがですか?」
ミレイ「読書でもすれば あなたの乱れた思考も 少しはマシになるかもしれませんよ」
スタスタスタ──
ミレイさんは足早に去ってしまった・・・
・・・
・・・はぁ
変態な自覚はあったけど
まさかあだ名にまでされていたとは
ミレイさんにだけとはいえ、最近の俺は少しちょっかいが過ぎたかもしれない
ミレイさんのパ〇ツを見たいという気持ちは変わらない・・・
けどこのままだときっといつまで経ってもパ〇ツ拝むことができないのは確か
なら彼女に言われた通り
まずは卑猥を卒業することから始めよう
そうすればいつか彼女に振り向いてもらえる時が来るかもしれない
こうして俺の歪んだ欲望に
僅かばかりの歯止めが掛かった
〇教室
──放課後の教室
ガタンッッ!!
きゃぁっ!!
地を鳴らすような大きな音
そして甲高い声が教室中に響いた
危ないっっ──!!
反射的に腕を伸ばせばズシッ──と
骨を揺らすような衝撃が全身に走る
マナカ「いててて・・・」
大丈夫か!?
マナカ「ごめんなさい 足を滑らせてしまって・・・」
怪我とかは無かったか!?
マナカ「はい おかげさまで」
マナカ「助けていただき 本当にありがとうございました」
そう言うと
彼女は俺の腕の中でにへらと笑った
やがてその胸元に
ひらひらと一枚の紙が舞い降りてきた
見たところ
それは教室でよく見る張り紙
どうやら彼女はこれを壁に張ろうとして足を滑らせたらしい
マナカ「あの、リョウさん」
ん?
マナカ「そろそろ降ろしていただけると助かるのですが・・・」
──はっ!!
す、すまんっ・・・!!
マナカ「いえいえ お気になさらず」
ようやく現状に気づいた俺は
ゆっくりと彼女を床に降ろした
本当にすまん
わざとじゃないんだ
ミレイさんに言われて
卑猥な行動を控えるようにしてたのに
仕方なかったとはいえ
俺に触れられてマナカさんも嫌だったよな
マナカ「何も問題ありませんよ リョウさんが居てくれて良かったです!」
お、怒らないのか・・・?
マナカ「なぜ怒る必要があるのですか?」
だって俺
クラスでは”変態”って呼ばれてるし
マナカ「例えどんな噂があろうと 私はリョウさんに助けていただきました」
マナカ「あなたの優しさに感謝するのは 助けられた身として当然のことですよ?」
そ、そうか?
マナカ「はい なのでリョウさんは 何も気にする必要はありませんから」
そう言うと、落ちた張り紙を拾い
もう一度椅子に上ったマナカさん
あ、よかったらそれ
俺が代わりに貼ってやるよ
マナカ「いえいえそんな 助けていただいた上に申し訳ないですよ」
見てたけど
高さ的に結構キツそうだったろ?
こういうのは男の俺に任せとけって
マナカ「そういうことなら・・・」
俺はマナカさんから張り紙を受け取る
マナカ「やっぱりリョウさんって優しいですね」
優しい?
マナカ「はい! 私ビックリしちゃいました」
こうして俺とマナカさんは
残っていた張り紙を協力して片づけた
パ〇ツしかなかった俺の日常だけど
こういう人助けも意外と悪くはない
そう思えた今日の放課後だった
〇綺麗な図書館
あの放課後以来 俺は困ってる人を見つけては手助けするようになっていた
ある日は掃除当番の手伝いをしたり
またある日は
クラスの仕事を率先して引き受けたり
誰に言われるでもなく、自分から誰かのために行動する毎日は、パ〇ツしかなかった俺の人生を価値のあるものに変えた
学校に来るのが楽しい
誰かのために何かをする今この時が
そんな風に人生に前向きになっていた俺は 引き寄せられるように図書室へとやって来ていた
「・・・あら?」
ミレイ「あなたをここで見るのは久しぶりね」
ミ、ミレイさん
相変わらず読書熱心だな
ミレイ「ええ 私は本が好きだから」
ミレイ「それよりどうしてあなたがここに?」
ミレイ「下着を見るのは もう諦めたはずでしょう?」
ま、まあ 前ほどは執着してないけど
前にミレイさんに言われただろ
読書でもしたら? って
ミレイ「ええ 確かに私は読書を勧めたけど」
だから俺も何か読んでみようかなって
ミレイ「へぇー あなたでもそんなこと思うのね 読書が苦手だと思っていたから意外だわ」
もちろん苦手は苦手だけどさ
ミレイさんがお勧めしてくれたから
ミレイ「そ、そう それはいい心がけね」
そう言うと ミレイさんは読書に戻る
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ミレイさんの大胆ないいよの返事は、照れ隠しのお付き合いオッケーてことなのかな、主人公も改心したようだしハッピーエンドな純愛になっていくのかなと思った私が間違いでした。予定外すぎておいっとつっこみがはいりました。おもしろかったです。
見せてもらってよかったですね。
でもそれ本当によかったのかが謎ですが。
模範的な態度を続けて欲しくて見せたのに、さらに悪化してしまうとは…笑
いろいろな意味で真っ直ぐな主人公に、一周して好感を抱いてしまいました。自分の心に正直に向かい合う様子に感心させられるド畜生君ですね。