新しい家族(脚本)
〇宮殿の部屋
???「お嬢様、起きてらっしゃいますか!」
???「お嬢様?」
???「まさか・・・また・・・!?」
サツキ「失礼します!」
サツキ「・・・」
アスカ「すぅ・・・」
サツキ「・・・寝てる」
サツキ「起きてください!」
アスカ「うぇっ!?遅刻!?!?」
サツキ「遅刻・・・?」
アスカ(そうだった。私は轢かれて転生したんだった)
サツキ「それよりも、早く着替えましょう。もうすぐ朝食の時間です」
アスカ「わかりました」
〇おしゃれな食堂
アスカ(・・・結構広い。 メイドさんがいなければ迷子になってしまう)
お母様「アスカ、大丈夫ですの?」
アスカ「あ、はい。 だいぶ良くなりました」
お母様「ならよかったわ」
アスカ(さすが悪役令嬢の母。 怖くも美しい!)
お母様「そろそろ来るはずだけど・・・」
お父様「お待たせ。 例の子を連れてきたよ」
アスカ(お父さん!?初めて見た・・・!! 作中にはいなかったのに!! しかも例の子って・・・)
ハル「・・・ハルです。これからお世話になります」
アスカ(攻略対象、ハルのお出ましだ!)
お父様「今日からアスカの弟となる子だ。 仲良くしてやってくれ」
アスカ「わかりました。よろしくね、ハル」
ハル「よろしくお願いします」
アスカ(・・・この子がチャラ男になるのが想像できないくらい、表情が動かない)
お父様「さて、全員揃ったね。 そろそろいただきますをしようか」
「いただきます」
ハル「・・・いただきます」
アスカ(・・・とりあえず、ハルとは仲良くなろう! 家族になるんだ。話せたほうが良いだろう)
〇洋館の廊下
アスカ「ハル、あんまり緊張しなくていいからね」
ハル「・・・はい」
アスカ(口調が固いなぁ・・・)
アスカ「ねぇ、ハル。敬語外さない?」
ハル「・・・!?」
ハル「いえ、僕、元は平民なので。 無礼をはたらくわけにはいきません」
アスカ(うーん・・・気にしないんだけどなぁ・・・)
アスカ「今は貴族の仲間入りでしょう? 少しずつでいいから外してほしいな」
ハル「・・・」
アスカ(強引にいっちゃった。圧になってないか不安だけど・・・)
アスカ「とりあえず私の部屋ここだから。 なんかあったら来てもいいからね」
ハル「・・・わかりました」
サツキ「ハル様、部屋を案内します」
アスカ「よろしくね」
サツキ「はい」
〇貴族の部屋
・・・・・・・・・
・・・・・・
お父様「せっかく姉弟になったんだ。または買い物へ行ってみてはどうだ」
アスカ「突然ですね!?」
お父様「いいだろう、せっかくの機会だ。仲良くなってこい」
アスカ「はえぇ・・・」
〇商店街の飲食店
アスカ(”はえぇ”は肯定じゃないよ!気まずいよ!!)
・・・ということで私たちは街に出かけていた。
アスカ「サツキ、おすすめのところある?」
サツキ「あちらのチーズケーキ屋さんとかどうでしょう。使用人の間で有名ですよ」
アスカ「じゃあそこに行きましょう ハルはチーズケーキ大丈夫?」
ハル「・・・はい、大丈夫です」
サツキ「では、こちらです。お嬢様方」
〇レトロ喫茶
アスカ(とりあえず、入ってみたけれど・・・)
・・・・・・
アスカ(静かだ!!!!!)
アスカ「ねぇ、ハル。好きな食べ物なに?」
ハル「・・・?」
ハル「特にないです」
アスカ「・・・」
アスカ(大変!会話が続かない!!!!)
アスカ「サツキ!!!!!助けて!!!!」
サツキ「・・・」
サツキ「・・・天気、悪くなってきましたね」
アスカ(まさかの天気!?)
ハル「・・・そうですね 雷が鳴らないといいですけど。」
アスカ(繋がった!!)
店員「失礼します」
店員「チーズケーキ3つと紅茶でございます」
アスカ「ありがとうございます」
アスカ「わあ、すごい美味しそう!」
パクっ
アスカ「えっ、美味しい!!!」
ハル「本当ですね とても美味しいです」
アスカ(あ、ハル笑ってる!)
アスカ「ね、これ、お屋敷にお土産として持っていこう!!いいよね、サツキ!!」
サツキ「いいと思いますよ。きっと喜ばれます」
アスカ「だよね!よし、5個お土産にください!」
店員「はいよ!」
アスカ(ハルはチーズケーキが好きなのかもしれない いい情報が手に入った気がする)
〇商店街の飲食店
店員さん「ありがとうございましたー!」
ざあぁぁぁぁぁ・・・
アスカ「わあ、雨が降ってる!!」
サツキ「大変・・・少し雨宿りさせてもらいましょう」
〇商店街の飲食店
・・・・・・
・・・
アスカ「なかなかやまないわね・・・」
サツキ「やむどころか、どんどん強くなってませんか?」
アスカ「サツキもそう思うよね。服がびしょびしょなんだけど」
アスカ「・・・雷!?」
アスカ(すごい近くに落ちた・・・!!)
ハル「うっ・・・」
ばたっ・・・
アスカ「・・・!! ハル!!!!」
アスカ「ハル!?・・・ハル!!!どうしたの?!」