初デート大作戦

CotchTheScotch

初デート大作戦!(脚本)

初デート大作戦

CotchTheScotch

今すぐ読む

初デート大作戦
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇大企業のオフィスビル
  俺はサトシ。自分で言うのもなんだが、エリートです。
  ずっと勉強を頑張って仕事も頑張ってきたからこれくらいは言わせてください。サトシ25歳、エリートです。
  ひょんな事から明日、デートすることになったんだが──
  どんな相手なのか全くわからないんだ・・・
  今まで女子と接してきていない俺には難易度が高すぎる初デート・・・せめてメールだけでもやりとりしておきたかったが──
  デートは明日だ。腹をくくるしかないか──
リョータ「よぉー!サトシ!何してんの?」
サトシ「おっ、リョータ君。ちょっと考え事しててね・・・」
リョータ「なんだ?エリートが悩み事なんて珍しいな」
サトシ「考え事ね!悩んではないから!」
リョータ「そっか(笑)今日ランチ一緒にどうよ?その考え事とやらを聞かせてもらおう!」
サトシ「聞きたいなら話してもいいけどさ、ランチはリョータ君のおごりでよろしく~!」
リョータ「ちゃっかりしてんなぁ~(笑)じゃあいつもの店で!」
サトシ「オッケー!」
  そしてランチの時間────

〇シックなカフェ
リョータ「こっちこっち~!」
サトシ「おまたせ」
リョータ「で、早速だけど聞かせてもらおうか?」
サトシ「知り合いから女の子紹介されてさ・・・実は、明日初デートなんだ・・・」
リョータ「初デートか!いいじゃん!相手はどんな感じの子なの?」
サトシ「それが全く分からないんだけどさ、それよりも問題なのは──」
サトシ「女の子との接し方が分からないんだよね・・・」
リョータ「もしかして人生で初のデートって事?」
サトシ「ま・・・まぁ・・・そういう事」
リョータ「そうなんだ・・・じゃあ・・・練習するしかないな!」
サトシ「れ・・・練習!?」
リョータ「俺、デートの練習けっこう得意なんだよね~!」
サトシ「デートの練習が得意ってどういう事?(笑)」
リョータ「まぁまぁ!じゃあ今日の夜、駅で待ち合わせな!本当のデートだと思って10分前には着いてろよ~!」
サトシ「待ち合わせからすでに練習は始まってるってわけね。オッケー!」
  ──────
リョータ「そういえば俺たちって何か注文したっけ?」
サトシ「何もしてないな・・・っていうより水も来てないけど」
リョータ「ちょっと待った!この店まだオープンしてないわ(笑)」
サトシ「どうやって入ったんだよ!(笑)」
  二人はこっそり店を抜け出した──
  そして夜を迎えた──

〇駅の出入口
  ──予定時刻10分前
サトシ(練習って何するんだろ・・・)
「待ち合わせ場所に着く時間は完璧だね!」
サトシ「えっ?」
サトシ「──どちら様・・・ですか?」
リョータ「俺だよ(笑)リョータ!」
サトシ(何言ってるんだろ・・・?)
  ・・・
サトシ「ええええっっっ!!!?」
  サトシはリョータと名乗る女性を数秒凝視した──
  髪型とメイクで別人のようになっているが、確かに顔はリョータだった──
サトシ「どういう事!?」
リョータ「どうも!女装男子で~す(笑)」
サトシ「えっ──」
  この状況でどう返事をすれば正解なのか・・・サトシは悩んだ挙げ句──
サトシ「へぇ~!可愛いじゃん!」
サトシ(人に可愛いって言うの初めてかも・・・相手は男なのに・・・)
リョータ「あ・・・ありがと」
サトシ(えっ?何か嬉しそうだな・・・)
リョータ「──それじゃ~時間も限られてるし、早速予行練習開始ぃー!」
サトシ「そうだね、まずは何をしたらいいんだろ?」
リョータ「ん~じゃあ、俺の事はリョーコって呼んでくれ(笑)」
サトシ「わ・・・わかった!」
サトシ(リョータ君って分かってるのに、何か恥ずかしいな・・・)
リョータ「それと練習になるように話し方も女の子っぽくしてみるよ(笑)」
サトシ「わ・・・わかった」
リョータ「──サトシ君、いこっ!」
サトシ「は・・・はい」
サトシ(中身はリョータ君、中身はリョータ君・・・)

〇公園のベンチ
リョーコ「ん~初デートって言ったらやっぱり公園だよね!」
サトシ「そうなんだ」
リョーコ「そして歩きながら女の子を褒める!」
サトシ「そ・・・そうなんだ」
リョーコ「さぁ、褒めてみて!」
サトシ「リョーコさん、か・・・可愛いですね」
リョーコ「そして畳み掛けるように手を繋ぐっ!」
サトシ「い・・・いきなり!?」
リョーコ「デートってそういうもんよ(笑)」
サトシ「そ・・・そうなんだ。難しいな・・・」
リョーコ「そして壁際に誘い込んで・・・」
リョーコ「壁ドーーーン!!」
サトシ「壁ドンってそうやるんだ・・・」
リョーコ「それからそれから~!────」
  予行練習は深夜近くまで続いた──

〇新橋駅前
  待ち合わせ10分前──
  特訓の甲斐があってサトシは自信に満ち溢れた男になっていた
「あの~サトシさんですか?」
  サトシはすぐに待ち合わせの相手だと気付いた
サトシ「俺があのサトシです!」
紹介された女「はじめまして、私──」
サトシ「可愛いですね!その服もすごく似合ってる!」
  相手の名前も聞かず練習の成果を出しにいこうとするサトシ!!
紹介された女「あ・・・ありがとうございま──」
  すぐさま手を握ったサトシ!!
紹介された女「えっ!?」
  近くの壁へ女を誘導するサトシ!!
紹介された女「な・・・なに!?」
  スゥーっと息を吸うサトシ!!
サトシ「壁ドーーーーン!!」
紹介された女「きゃぁーーー!!」
サトシ「あれっ?」
  紹介された女は逃げていった
サトシ「待って~!まだ決め台詞を言ってないのにぃ~!」
  呆然と立ち尽くすサトシ・・・
サトシ(一体どうしたんだろ・・・)
「なにやってんのー!?」
サトシ「リョータ君!どうしてここに?」
リョータ「っつーかあんな事したら誰でも逃げるって(笑)」
サトシ「リョータ君の言うとおりにやっただけだよ!」
リョータ「俺は何もしてないぜ?」
サトシ「えっ?」
リョーコ「そうね!教えたの私だから(笑)」
サトシ「ええっー!?」
リョータ「双子の妹のリョーコだよ!昨日は騙して悪かったな!」
  サトシの頭の中は真っ白になって
  驚きのあまり二人の会話が何も聞こえなくなっていた──
  ──その中でサトシは喜びを噛み締めた。
  昨日芽生えた初恋にちゃんと向き合っていいんだと──
サトシ「あははっ」
リョーコ「急に笑ってるよ!頭おかしくなっちゃったのかな(笑)」
  おわり

コメント

  • ひょっとしてリョーコさんは、元からサトシくんが気になってたんでしょうか?
    だとしたらあのレッスンは、わかっててやったのかな?と思いました。
    いきなり手を握って壁ドンはないですよね!笑
    楽しく読ませていただきました!

  • あとがきからりょーたの妹が彼の事を気に入って、わざと初デートを失敗に導くようにしたのかなあと思いました。何か裏がありそうな気がするけど、こんなに純粋な男子の恋の行方がとても気になります。

  • 完全に目覚めてしまう流れかと思いました笑
    確かに言われた通りの順番でそんなことしたら誰でも逃げるかも笑
    まぁでも…結果オーライなのか?!笑

コメントをもっと見る(5件)

ページTOPへ