完璧な俺の完璧じゃない日常

都麻(とま)

5歳児、来襲(脚本)

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〇大企業のオフィスビル

〇オフィスのフロア
  今日も俺は『完璧』だ
後輩「鳴海さん、おつかれさまです!!」
鳴海タクト「おつかれさま」
後輩「はわわ・・・」
後輩「今日も超かっこい~!! なんかいい匂いしたし~!!!!」
  顔よし性格よし匂いよし
  仕事もデキる男、それが俺
  ──カツン
高梨サヤ「鳴海くん」
高梨サヤ「いよいよ明日ね、新商品の最終プレゼン」
高梨サヤ「その余裕っぷりを見ると、 自信アリってかんじ?」
高梨サヤ「さすが我が商品企画部のエースね」
鳴海タクト「ははは、エースは高梨さんのほうだろ」
鳴海タクト「高梨さんのプレゼンも楽しみにしてるよ」
鳴海タクト(今度こそ絶対に完璧に勝つ!!)
鳴海タクト(今日は家にプレゼン原稿を持ち帰って 最終調整だな)
後輩「あの~鳴海さん」
後輩「受付にお客様らしいッスよ」
鳴海タクト「客?」
後輩「弟さんみたいなんですけど・・・」

〇研究施設の玄関前
鳴海ソウヤ「にいちゃーーーん!!」

〇オフィスのフロア
鳴海タクト「・・・俺に弟はいな」
「にいちゃあああん 助けてよおおおお!!」
鳴海タクト「・・・ちょっと行ってくる」

〇研究施設の玄関前
鳴海ソウヤ「あっにいちゃん!!」
鳴海ソウヤ「おひさ~!!」
鳴海ソウヤ「も~、LINEも電話もつながらないから 来ちゃったよ」
鳴海タクト「なんの用だ」
鳴海タクト「その子は・・・」
鳴海ソウヤ「俺の息子のミチル!!」
鳴海ソウヤ「ちょっと今日、この子預かって!!」
鳴海ミチル「・・・」
鳴海タクト「・・・」
鳴海タクト「はああ!?」
鳴海ソウヤ「頼むよ~!!」
鳴海ソウヤ「これから俺、出張でさ~ 明日の朝まで帰ってこられないんだよ」
鳴海ソウヤ「お願いしてたシッターさんが急に来られなくなっちゃって、まじ困ってるの」
鳴海タクト「知るか!!俺は明日大事な会議が・・・」
鳴海ソウヤ「一晩だけ!!一晩だけでいいから!!」
鳴海タクト「断る!!」
鳴海ソウヤ「助けてよお にいちゃあああん」
鳴海タクト「・・・!!」

〇オフィスのフロア
後輩「え~鳴海さんの甥っ子さん?」
後輩「カワイ~!何歳?」
鳴海ミチル「5歳!」
後輩「5歳かあ~しっかりしてる・・・」
鳴海ミチル「オナラぷ~~!!おしり!!」
鳴海ミチル「キャハハハ!!」
後輩「あ、えっと・・・アハハ」
鳴海タクト「・・・すみません、そんなわけで今日は早退させていただけますか・・・」
部長「構わないわよ」
鳴海タクト「明日のプレゼンの準備はしっかりおこないますので」
高梨サヤ「無理しなくていいわよ」
高梨サヤ「いざとなったらアタシが代わりにプレゼンしてあげるから」
鳴海タクト「ハハハ、お気持ちだけ受け取っておくよ」
高梨サヤ「ウフフ、子どものお世話で倒れちゃわないようにね」
鳴海タクト「ハハハまさか、完璧にこなしてみせるよ」
鳴海タクト「育児も仕事もね」
鳴海タクト「さあミチル、帰ろうか」
鳴海ミチル「キャハハハ!!」
鳴海タクト「ミチル」
鳴海ミチル「ギャハハハ!!!!」
鳴海タクト「か ・ え ・ る ・ ぞ !!!」

〇高層マンションの一室
鳴海ミチル「スゲー!!広い!!」
鳴海タクト(子どもの世話の経験はないが)
鳴海タクト(所詮は5歳児・・・)
鳴海タクト(テレビでも見せておけばいいだろう)
鳴海タクト(それよりプレゼンの準備だ)
鳴海ミチル「ベランダもひろ~い!!」
鳴海タクト「え?」
鳴海タクト「いつの間にベランダにぃーー!?」
  ※43階です
鳴海タクト「コラ!!勝手に窓を開けて出るな!!!!」
鳴海タクト「ハア・・・」
鳴海ミチル「スゴいおっきなテレビ!!」
鳴海タクト「そ、そうそう!! 好きな番組みていいぞ」
鳴海ミチル「あ、だいじょーぶ!!」
鳴海ミチル「おもちゃ持ってきた!!」
鳴海タクト「おおそうか」
鳴海ミチル「ハイ!!」
鳴海タクト「・・・ん?」
鳴海ミチル「おじちゃんが悪の組織のボス 【ビッグエレファント】ね!!」
鳴海ミチル「ヤアー!!くらえ!!必殺スーパービーム!!」
鳴海タクト「・・・」
鳴海ミチル「きかないだと~!?おのれ~ スーパーウルトラハイパーパンチ!!!!」
「・・・」
鳴海タクト「・・・ぐ、グワァ~!!」
鳴海ミチル「はーはっはっは」
鳴海ミチル「次はねぇ、これ使って!!」
鳴海ミチル「【ビッグエレファント】の部下の 【エンジェルわんわん】だよ!!!! ボスを裏切って組織を乗っ取るの!!!!」
鳴海タクト「なんだその設定・・・」
鳴海タクト(っていうか)
鳴海タクト(まさかずっとこの遊びをやるつもりなのか・・・!?)

〇高層マンションの一室
鳴海タクト「ハアハア・・・」
鳴海タクト「や、やっと解放された・・・」
鳴海ミチル「めっちゃウメー!!」
鳴海タクト「クソッ 俺のとっておきのなめらかプリンが・・・」
鳴海タクト「もう夕方か」
鳴海タクト「全然PC開けてないな・・・」
鳴海タクト「夕飯はウーバーで済ませて とっとと寝かせよう」
鳴海タクト「ミチルは何が食べたい?」
鳴海ミチル「ハヤシライス~!!」

〇高層マンションの一室
鳴海タクト「お~うまそうだな」
鳴海ミチル「・・・」
鳴海ミチル「玉ねぎ入ってる・・・」
鳴海タクト「そりゃハヤシライスには入ってるだろ 玉ねぎ」
鳴海ミチル「・・・食べれない~」
鳴海タクト「は!?」
鳴海ミチル「玉ねぎ入ってないハヤシライスがよかった~」
鳴海ミチル「作ってぇ~~~」
鳴海タクト「はああ!?」
鳴海タクト「くっ・・・」
鳴海タクト(・・・そめんどくせえええ・・・!!)
鳴海タクト(・・・いやいや我慢我慢・・・ 俺は完璧・・・ 俺は完璧・・・)
鳴海タクト「よーし、ちょっと待ってろ~」
鳴海タクト「できたぞ!!」
鳴海ミチル「・・・パク」
鳴海ミチル「おいし~!!!!」
鳴海タクト「ハッハッハ」
鳴海ミチル「父ちゃんのハヤシライスの次においしいよ!! おじちゃんスゲー!!」
鳴海タクト「次に・・・?あいつの・・・!?」
鳴海ミチル「ごちそさま!!」
鳴海タクト「え・・・残してるじゃないか、ダメだぞ~」
鳴海ミチル「おなかいっぱい」
鳴海タクト「・・・」
鳴海タクト(我慢我慢我慢我慢・・・)
鳴海タクト「ハァ・・・」
鳴海タクト「ハッ」
鳴海タクト「も、もう9時・・・!?」
鳴海タクト「いかん・・・マジでとっとと寝かせないと 明日のプレゼンの準備が・・・!!」
鳴海ミチル「ギャハハハ!!オナラぷう~!!」
鳴海タクト「どうやったら寝るんだ!?コレ・・・」

〇高層マンションの一室
鳴海タクト「や・・・やっと寝た・・・」
鳴海タクト「恐るべし、5歳児・・・」
鳴海タクト「よし、仕事だ」
鳴海タクト「見てろよ高梨~~~ エースの座は俺がもらうからな・・・!!」
鳴海ミチル「おじちゃん・・・」
鳴海タクト「お、おお・・・どうした?」
鳴海タクト(おいおい、まさか怖くて眠れないとか 言うなよ・・・まったく)
鳴海ミチル「なんか・・・ぎぼぢわるい・・・」
鳴海ミチル「ボエエエエ」
  ※お食事中の方は申し訳ありません
鳴海タクト「ボーナスで買ったばかりの 最高級マットレスがーーーー!!!?」
鳴海タクト「お、おいどうした!? 大丈夫か!!!?」
鳴海タクト「ゲッ・・・ 身体熱っ・・・!?」
鳴海ミチル「うえ~ん」
鳴海タクト「病院・・・ いやこの時間にやってるとこなんてあるのか?」
鳴海タクト「救急車・・・ いややりすぎか?」
鳴海タクト「ソウヤ・・・!!」
鳴海ソウヤ「え!?ゲロ吐いた!?」
鳴海ソウヤ「あ~~~」
鳴海ソウヤ「そういえば保育園で ウイルス性胃腸炎が流行ってるって 聞いたかも・・・」
鳴海タクト「どどどうすればいい!? きゅきゅきゅ救急車呼ぶか!?」
鳴海ソウヤ「にいちゃん落ち着いて」
鳴海タクト「バ、バカ落ち着いてるに決まってるだろ」
鳴海ソウヤ「とりあえず服脱がせて、 シャワー浴びさせてやって」
鳴海タクト「あ、ああそうだな」
鳴海タクト「・・・それぐらいわかってたがな!!」
鳴海ソウヤ「ミチル、父ちゃんこれから迎えにいくからな」
鳴海ミチル「グスッ・・・うう・・・」
鳴海タクト「・・・」
鳴海タクト「ミチル」
鳴海タクト「大丈夫だ 父ちゃんすぐ来るからな」
鳴海タクト「それまで俺がついてる」
鳴海タクト「安心しろ」
鳴海ミチル「・・・うん」
鳴海ソウヤ「にいちゃん・・・」
鳴海タクト「よし、風呂いくぞ!!」
鳴海タクト「俺も直撃受けたから 一緒にシャワー浴びるか・・・」
鳴海ソウヤ「直撃・・・?」
鳴海タクト「そーだよ! ハア、このシャツもう駄目かな・・・」
鳴海ソウヤ「ちなみに、ミチルの食べ残しを 食べたりしてないよね・・・?」
鳴海タクト「あ~、ハヤシライス・・・ ほとんど残してたから、 それはちょっと食べたな」
鳴海ソウヤ「・・・」
鳴海ソウヤ「グッドラック・・・!!」

〇タワーマンション
鳴海タクト「ボ・・・ボエエエエ」

〇大企業のオフィスビル

〇オフィスのフロア
高梨サヤ「急病? あの鳴海くんがですか?」
部長「そうなのよ、甥っ子さんの胃腸炎がうつったとかで」
高梨サヤ「・・・」
高梨サヤ「部長、あの・・・」

〇高層マンションの一室
鳴海タクト「・・・高梨から・・・?」
鳴海タクト「・・・もしもし」
高梨サヤ「あ、鳴海くん?ヒッドイ声ね~」
鳴海タクト「笑えよ・・・」
高梨サヤ「え?」
鳴海タクト「ゲロまみれで床に転がってる俺を笑えよ・・・」
鳴海タクト「どこが顔よし性格よし匂いよし仕事もデキるパーフェクト完全無欠ハイスペ男子だって笑えよ・・・!!!!」
高梨サヤ「鳴海くん自分のことそんなふうに思ってたの・・・?」
鳴海タクト「今日の最終プレゼン、 どうせ高梨さんの企画が通ったんだろ・・・」
鳴海タクト「わざわざ報告しなくてもわか──」
高梨サヤ「通ったのは鳴海くんの企画だよ」
鳴海タクト「へ?」
高梨サヤ「言ったでしょ、いざとなったら 代わりにプレゼンしてあげるって」
高梨サヤ「感謝してよね~」
鳴海タクト「・・・」
鳴海タクト「あ・・・ありがとう・・・」
高梨サヤ「べ、別に」
高梨サヤ「次は負けないからね!! それだけ!!じゃ!!お大事に!!」
鳴海タクト「・・・」
鳴海タクト「うっ」
鳴海タクト「ボエエエエ」
鳴海ソウヤ「あーにいちゃんまた吐いちゃった? ハイお水!口ゆすいでペッして!」
鳴海ミチル「ギャハハハ!!」
鳴海ソウヤ「こーらミチル!! 調子にのってるとまた熱あがるぞ!!」
鳴海タクト「な、なんでコイツはこんなに 元気なんだ・・・!?」
鳴海ソウヤ「ホント子どもって回復早いよね~」
鳴海タクト「ハァ・・・ほんとにとんでもない生き物だな」
鳴海ソウヤ「・・・にいちゃん」
鳴海ソウヤ「きのうは助けてくれて、 ホントにありがとう」
鳴海ソウヤ「さすが俺のにいちゃん!!」
鳴海ミチル「ありがと~おじちゃん!!」
鳴海タクト「・・・フン」
鳴海タクト「大したことない」
鳴海タクト「俺は完璧だからな」
鳴海タクト「・・・」
鳴海タクト「ボエエエエ」
鳴海ミチル「また遊びにきたーい!!」
鳴海ソウヤ「アハハ、すっかりなついちゃったな~」
鳴海ソウヤ「3人でどこかに出掛けるのも楽しそうだね~!!」
鳴海タクト「・・・に・・・」

〇空
「二度とごめんだ・・・!!」

コメント

  • 5歳児相手のバタバタ感と、最後のほっこりする展開が気持ちよかったです。胃腸炎の辛さが思い出されて、なおのことみんなのやさしさがしみましたね。

  • まっ、まさかサヤがツンデレだったなんてっ・・・✨💓😍

    いいですね✨😊🌸

    胃腸炎大変ですよね💦一度かかったときあまりの辛さにしくしくと泣いた記憶があります・・・

  • 胃腸炎、うっかりしてると移りますよね……(主人公と同じことして子供に移されたことあります😅)
    やんちゃな5歳児(しかもリアル!)と完璧主義の主人公の対極的な二人のドタバタ、とても面白かったです!
    仕事でも助けてくれる彼女が、次に甥っ子預かるときには一緒に面倒見てくれたり……と妄想が広がりました😊

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