真桜は千癒と結ばれたい

ちぇのあ

真桜は千癒と結ばれたい(脚本)

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〇闇の要塞
  勇者は生きている
真桜(まお)「勇者を救え」

〇結婚式場前の広場
  噴水に映る二人を見せる

〇闇の要塞
  涙を滴らせる魔王
  勇者の過去の記憶を話す

〇基地の広場(瓦礫あり)
  優樹が真偽を推し測る為攻撃を放つ
  彼女を守り気を失う
  泣きながら駆け寄り治癒する
  真実であると悟り罰が悪そうに
優樹(ゆうき)「致命傷は外した悪く思うな」
  エリクサーをかけ目を覚ますのを確認し自身の城へ姿を消す

〇貴族の部屋
  負け確の戦いに打つ手を無くす
真桜(まお)「色々想い出作れたね」

〇月夜

〇田園風景

〇貴族の部屋

〇貴族の部屋
  勇者が魔王城目掛け侵攻する
  覚悟を決め千癒に別れを告げる
  泣いてしがみつき止める彼女
真桜(まお)「大丈夫すぐ戻って来るよ」
  その言葉に根拠も希望も無い事を彼の一番側に居る彼女は知っていた
  泣き続ける彼女に困った顔をする
真桜(まお)「かわいい顔が台無しだ」
真桜(まお)「ちゆちゃんを泣かせる悪い奴は俺が懲らしめてくる」
真桜(まお)「真桜はちゆちゃんと結ばれたいのだからこんな事で帰って来ない訳がないだろう?」
  彼女の瞳を見返して答える
千癒(ちゆ)「そうだよね」
千癒(ちゆ)「あたしは真桜くんとずうぅ~~~~っと!!」
千癒(ちゆ)「結ばれるんだから」
千癒(ちゆ)「だからあたしは真桜くんを信じて帰りを待つよ♪」
千癒(ちゆ)「だから・・・だがら・・・!!」
千癒(ちゆ)「か・・・が、がべ・・・がえって・・・!!帰って来でくれるよねええええええ!!!!」
  抱き合い声を堪え泣く
真桜(まお)「一緒に逃げたいずっと一緒に居たい」
真桜(まお)「でも今逃げたら一生ちゆちゃんを危険に晒すんだ!」
真桜(まお)「僕が何度死んでも!何年経っても!」
千癒(ちゆ)「それでも良い」
千癒(ちゆ)「今すぐちゆと逃げてずっと一緒にいよう!」
千癒(ちゆ)「あたしだって真桜くんを守れるんだから!」
真桜(まお)「わかったちゆちゃん一緒にいこう」
千癒(ちゆ)「一緒にいく!」
千癒(ちゆ)「真桜くん約束だよ?」
  頷き小指と小指を絡ませる
  頬や唇に唇を重ねて涙を流しながら安心した彼女に優しく微笑む
  僕は嘘を付いた頭を撫でる手に魔力を込め彼女に催眠をかけベッドに眠らせ最期の口付けを交わす
  勇者の元へ駆け出した

〇闇の闘技場
  城門を抜け

〇闇の要塞
  目前にちゆちゃんを泣かせた悪い奴が居る
  奴と魔王の関係奴の王国での日々何も関係無い
  悲しき負の連鎖を絶ち切り俺の大事な者を守る

〇戦場
  互いの情念が激しくぶつかり合う
  希望が絶望に抗う
  この歪んだ世界に打ち勝ち止まない雨を晴れ渡らせる!
  しかし攻防の要所で勇者が一枚上手で攻めても有効打にならない
  勇者の表情は淡々としている
  不意に勇者が全てに疲れて飽きた様な表情を浮かべると魔導師の名を口にする
  まずいこのままでは勇者の能力が発動してしまう!

〇闇の闘技場
  しかし不意に子供が親への悪戯を思い付いたように無邪気な笑顔を浮かべると俺の魔王の剣を奪う
陽満梨(ひまり)「今からあの城内へ斬り入り全てを血肉に変えてくる!」
陽満梨(ひまり)「その後この剣を返せばまともな勝負になるだろう?」
  その表情に躊躇いは微塵も無い。
  このままではちゆちゃんを守れない。
  捨て身で勇者に襲い掛かる。

〇流れる血
  血が滴り腕の先に感覚は無い
  誰かに背負われている

〇要塞の廊下
  勇者だ!
  背中をゾクゾクと身震いさせ・・・魔王城に悪意をばら蒔いている
  俺に気付いたのかそうではないのか独り言のように呟く

〇洋館の廊下
陽満梨(ひまり)「いつしか快感になっていた・・・」
陽満梨(ひまり)「怯えて許しを乞うあの顔・・・」
  勇者は剣に付いた血をなめている
  まずい・・・この方向はまずい!!
陽満梨(ひまり)「糞尿と涙を垂らしてのたまう醜態・・・」
陽満梨(ひまり)「尊厳ある時と掛け離れた無様な姿・・・」

〇貴族の部屋
  歩みを止め前方の寝室を指差す
陽満梨(ひまり)「私が城へ攻め込むと言った時・・・目線はあの部屋を向いていたなあ・・・!」
真桜(まお)「止めろ!!!」
  俺は体内の全ての魔力を暴走させ自身に防御も施さずに魔力を起爆させる
  吐血し全身の感覚が鈍くなる俺の前に勇者が無傷で立っている
陽満梨(ひまり)「あーあ」
陽満梨(ひまり)「ほとんどの魂が私の盾になって消えちゃった」
  周囲に纏う魂が怨嗟の声をあげ消えていく
  ちゆちゃん・・・約束・・・ごめんね・・・
  薄れゆく意識の中声が響く
陽満梨(ひまり)「そこで這いつくばって見てなよ」

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コメント

  • いろんな葛藤を胸にみんな戦ってたんですね。
    でも、四人とも幸せになってもいい気がしました。
    恋は人の心を動かすものです。

  • 文章一つ一つが考えられていて、内容がハイクォリティでした。また、シーン毎に勇者について、恋愛シーン、戦闘シーン、といった構成になっているため、読みやすかったです。

  • 世界の行方も恋愛の行方も決まる瞬間ですね…。四人とも苦しみもあったけど、会えてよかったんだということが伝わってきました。台詞が重くて、読みごたえがありました。出会いや思い出をあえて絵だけで表現しているところにも感動しました。

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