エピソード15(脚本)
〇田舎の駅舎
〇田舎駅の改札
「敏か?」
円城寺敏郎「いえ、人違いです」
児島信夫「嘘吐くんじゃねえ。敏に決まってる」
児島信夫「ほーれ敏じゃねーか」
円城寺敏郎「はは。バレちゃった」
児島信夫「バレちゃったじゃねー。なーんだ。 能代帰って来るなら言ってくれればみんな集めたのに」
児島信夫「なんなら今から集めるか?」
円城寺敏郎「あ、いや。呼ばなくていいよコジ。 今回は、その・・・お忍びだから」
児島信夫「ああ、そっか。敏は芸能人だもんな。 こないだもうちの明子が、敏がテレビでキ スしてるーって騒いどったわ」
児島信夫「すまんすまん。気が回らなくって」
周りに人が集まって来る。
円城寺、周りを気にする。
児島信夫「で、何しに帰ってきたんだ?」
円城寺敏郎「えっと、ネットニュース、観た?」
児島信夫「ナットヌース? なんだそれ? 俺は東京のことはよく分からんわ」
円城寺敏郎「そっか。はは。 久々に休みとれたから、親に会いに来ただけだよ」
児島信夫「おお、そうか。 そりゃあ、母ちゃん喜びそうだな」
児島信夫「家まで送ってこうか?」
円城寺敏郎「いや、いいよ」
児島信夫「遠慮すんなって。 高校で同じ釜の飯食った仲だろ?」
円城寺敏郎「いいって。・・・じゃあ、俺、行くわ」
児島信夫「おお。みんな、お前のこと応援してっから。 頑張れよ!」
〇昔ながらの一軒家
円城寺敏郎「・・・・・・」
円城寺が玄関のドアを開ける。
円城寺敏郎「ただいまー」
〇実家の居間
円城寺敏郎「もういいって母ちゃん」
円城寺君子「何言ってんの。そんなに痩せちゃって。 もっと栄養付けなきゃいけんよ」
円城寺敏郎「平気だって」
円城寺君子「いいから食べておきなさい。 で、今回はいつまでいられるの?」
円城寺君子「久しぶりに帰ってきたんだから、しばらくいなさいよ」
円城寺敏郎「・・・・・・」
円城寺君子「どうしたの?」
円城寺敏郎「けっこう長くいてもいい?」
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