そこは私の場所なのに

れこん

そこは、私の場所なのに……(脚本)

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〇警察署の入口
刑事「・・・それでやった事は認めるんだな?」
私「はい、認めます・・・けど、私がやった事は自分の場所を取り戻しただけです」
  12月25日──通称、聖なる夜。
  私は他人の生命を奪った。
刑事「はぁ・・・何を言ってるか分からんが、犯行に至るまでの動機を教えなさい」
私「わかりました」

〇コンビニのレジ
  事の発端
イケメン「前から君の事が気になるんです。よかったら僕と一回デートしてくれませんか?これ、僕の連絡先です」
私「結構です、あなたに興味ありませんから。それと他のお客様のご迷惑になるのでやめてください」
イケメン「うぐ・・・・・・そうだよね、ごめんなさい。けど本気なんで受けとってください。それじゃあ」
私「ありがとうございました」
私(二度とこないでください)
ギャル「あらら、あんな冷たい対応でいいの?せっかく誠実そうなイケメンの連絡先交換だったのに」
ギャル「しかもあの人この店の常連で態度も紳士的で全然いいのに」
私「別に構いません、そもそも恋愛には興味はないんで」
ギャル「あっそう、だったらその連絡先私にくれない?」
私「ダメです、一応個人情報に当たるので私が責任をもって処分します」
  私は連絡先をグシャっと潰して制服のポッケにしまった。
  次の日
ギャル「いつもの時間にあの人来ないね」
私「そうですね。それより今日はキャンペーン中の『カラフル肉まん』売れてないですね」
ギャル「はっ、あんなマズそうなの売れる訳ないじゃん」
私「えっ?」
私(一応私は好きでよく購入するのですが)
ギャル「あっ、けどあの例のイケメンさんはよく買ってたわ」
私「そうですか」
私(好物が同じだったんですね)
  次の日
私「いらっしゃいませ」
私「・・・あっ!」
イケメン「・・・」
イケメンじゃない「あい、これちょーだい」
私「500円になります」
私(あの人と恰好が同じで一瞬見間違えました)
イケメンじゃない「・・・あい、これ」
  チャリーン
私「丁度お預かり、致します」
私(乱暴に支払いされた!?)
イケメンじゃない「あ・・・レシートいらね、捨てといて」
私「かしこまり・・・ました」
私「ありがとう・・・ございました」
ギャル「なんなのあの客! 態度悪っ、二度と来るな」
私「そうですね」
私(まだあの人が来てくれた方が良かったです)
  次の日

〇学食
  大学内食堂にて
陽気な男子学生「・・・でさぁ(笑)」
陽気な女子学生「・・・え、本当? あはは(笑)」
私(全く席が空いてないからって私の隣にこないでほしいです)
私(それにしても、なんだか二人は楽しそうですが、そんなにカップルとは良いものなんでしょうか・・・)

〇生徒会室
  文科系サークルにて
先輩「後輩ちゃん・・・こ、今度の日曜・・・ぼ、僕と図書館にデートしに行かないか!?」
後輩「え。は、はい・・・えーと・・・先輩となら・・・行きます」
私「・・・(読書中)」
私「・・・」
私(意外ですね、奥手な後輩があんな先輩とデートに行くとは・・・・・・まぁ、私には関係ないですね)
私(寧ろデートと言えば、もし誘いを受けてたらあの人は私をどこにデートへ連れていってくれたんでしょうか・・・)
私(行くとしたら私も本が好きなので図書館が良いですね)
私(それから帰りにカフェにでもよ寄って静かな雰囲気の中でお互いに何を読んだのか会話するのも良いですね)
私「・・・」
  次の週
  文科系サークルにて
私「・・・(読書中)」
私(あれから先輩と後輩が仲良くなって、サークルに顔を出さなくなりました)
私「まぁ、これで静かになって良かったのですが・・・」
私(なんだかモヤモヤします)

〇コンビニのレジ
  次の日
ギャル「・・・」
私「・・・あの人、全く来なくなりましたね」
ギャル「えっ、当たり前でしょ。私さんが脈無しだと向こうは思ってるんだから」
ギャル「あっ、もしかして今更フッた事後悔してんの?」
私「そんな訳ありません」
私(そういえばまだポッケにあの人の連絡先と個人情報がありますね)
  次の日

〇女の子の部屋(グッズ無し)
私「・・・」
私「まったく不用心ですねあの人は、まさか本名でSNSをしてるとは」

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コメント

  • サンタから飛んで来ましたが、なかなかサイコパスで良いですね!
    同じクリスマス作品でも、全然違う毛色でどちらも面白く読ませてもらいました。

  • なら最初から応えておけば…と思いますが、人のものになりそうになると焦って気になる気持ちはなんとなくわかります。
    誰でもいいのか?ってもやもやしそう!

  • あまりにも身勝手な動機の殺人事件ですね。
    逃したものが欲しくなるっていうのはあると思いますが、なんか怖かったです。
    伏線の回収が見事で、興味深く読ませていただきました。

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