ある日のエレベーターから……

八野なな

ショートストーリー(脚本)

ある日のエレベーターから……

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〇エレベーターの前
ひろ美「おはよう。 今日は早いね」
ひろ美「・・・・・・そっか。お昼からの営業の準備かぁ」
ひろ美「頑張ってるよね。 ・・・・・・あっ、エレベーター来たみたい」

〇エレベーターの中
ひろ美「最近調子良いみたいだね、仕事。 皆褒めてるよ!」
ひろ美「そんな事ない? ふふ、謙遜しちゃって!」
ひろ美「私も凄いなって思ってるよ、あなたの事。 見習わなきゃなって!」
ひろ美「えっ?嘘じゃないよ!本当にそう思ってるよ。 ・・・・・・あなたの事はよく見てるつもりだし」
ひろ美「えっ?いや、何でもないよ。 でも、本当に凄いなって思ってるよ」
ひろ美「頑張るのは良いけど、無理をしちゃだめだよ」

〇オフィスのフロア
ひろ美「何か手伝える事があったら言ってね。 あっ、遠慮は無しだから! 頑張ってね!」
「・・・・・・」
ひろ美「あっ!今から行くの?営業。 頑張ってね。応援してるよ!」
ひろ美「・・・・・・きっと上手くいくよ。あなただったら」

〇オフィスのフロア
ひろ美「あっ、お帰りなさい!お疲れ様」
ひろ美「・・・・・・何か嬉しそうな顔してる。 上手く行ったんだね!」
ひろ美「良かったね!! やっぱりあなたは凄いね」
ひろ美「あっ、そうだ! あのさ・・・・・・」

〇おしゃれなレストラン
ひろ美「急な誘いだったのに、ありがとう! 付き合ってくれて」
ひろ美「本当に大丈夫だった? 他に予定があったんじゃ・・・・・・」
ひろ美「そんな事ないって・・・・・・そっか。 だったら良かった。でも、本当にありがとうね!」
ひろ美「急に誘われてびっくりしたって? ふふ、ごめんね。 でも前からね、あなたともっと話がしたいなって思ってたんだ」
ひろ美「あなたの事を知りたいし、私の事も知って欲しいんだ! それで・・・・・・」
ひろ美「今より仲良くなれたらなって。 ・・・・・・イヤ、だったかな」
ひろ美「あ、ありがとう! じゃあ、今日は沢山お話しようね!」

コメント

  • ひろ美さんの柔らかな空気感、そしてそっと寄り添う言葉の数々、読んでいて気持ちよくなりますね!穏やかな幸せな気持ちに包まれます!

  • 相手の姿も言葉もないので、ずーっと一人で話している人なのかと思って途中から少し怖くなりましたが。「ある日のエレベーターから恋が始まった」のか「ある日のエレベーターから狂い始めた」のか、読者にお任せな感じだとしたらものすごく斬新な作品だと思います。

  • 斬新でした。ひとりのセリフしかないのに、もう1人がなんと言ってるのか何となく分かりました。すごく相手のことを考えて話すひろ美さんの健気さが報われるようにと自然と応援し始めていました。

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