回答エニーちゃんー思い込みの激しい武弘君ー

夜缶

幽霊って、いるのかな?(脚本)

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夜缶

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〇明るいリビング
手塚剛「ただいまー!」
手塚武弘「お帰り父さん」
手塚剛「出迎えご苦労! 我が息子よ!」
手塚梨恵「お帰りなさい。あなた」
手塚凛「お帰り。遅かったね今日」
手塚剛「ちょっと君達にお土産をね?」
手塚武弘「お土産?」
手塚剛「母さん、武弘、それに凛」
手塚剛「俺たちに新しい家族ができるぞぉ!」
手塚凛「家族? ペットでも飼うの?」
手塚武弘「でも、家では飼えないって」
手塚梨恵「そうよぉ。 ペット代だって馬鹿にならないって」
手塚剛「まぁ見たまえよ」
手塚剛「俺たちの新しい家族──」
手塚剛「エニーちゃんだ!」
エニー「おはようございます」
エニー「女性型ヒューマノイドロボット──」
エニー「エニーと申します」

〇明るいリビング
手塚凛「あら可愛い」
手塚梨恵「どうしたのこの子?」
手塚剛「知り合いから貰ったんだ」
手塚剛「何でも最新の人工知能を持ってて」
手塚剛「質問に答えてくれたり」
手塚剛「家事とか何でもできるんだって」
手塚凛「へー」
手塚梨恵「凄いわね今の技術」
手塚剛「試しに何か聞いてみるか」
手塚剛「エニー」
エニー「お呼びでしょうか?」
手塚剛「俺たちの名前、分かるか」
エニー「お応えします」
エニー「武弘様」
エニー「凛様」
エニー「梨恵様」
エニー「剛様、ですね」
手塚剛「おぉ! 合ってるぞ!」
手塚凛「私たちのこと、もう理解してるんだ」
手塚剛「事前にプログラムされてるとは聞いてたが」
手塚剛「顔はもう認証してるみたいだな」
手塚凛「私もちょっと聞いてみよ」
手塚凛「ねぇエニー」
エニー「はい。何でしょうか?」
手塚凛「おすすめの料理とかある?」
エニー「お応えします」
エニー「おすすめの料理は」
エニー「アノマロカリスです」
手塚凛「へー」
手塚凛「アノマロカリスかぁ・・・」
手塚凛「何、それ?」
エニー「蟹です」
手塚凛「蟹なの?」
  ※違います
手塚梨恵「それって高級な料理?」
エニー「はい」
手塚剛「じゃあ食べられないな」
  ※そもそも絶滅しています
手塚剛「武弘も質問してみるか?」
手塚武弘「僕?」
手塚凛「アンタ、よく考え事とかするじゃない?」
手塚凛「何かないの?」
手塚武弘「えーとじゃあ」
手塚武弘「エニー」
エニー「何でしょうか?」
手塚武弘「幽霊って、いるのかな?」
エニー「お応えします」
エニー「幽霊は・・・」
エニー「います」
手塚武弘「えぇ!?」
手塚梨恵「はっきり言ったわね」
手塚武弘「ほ、本当なの!?」
エニー「はい」
手塚武弘「そ、そんな・・・」
手塚凛「ちょっと待ちなさいって」
手塚凛「そういうのって科学的に証明できないものでしょ?」
エニー「そうですね」
エニー「ですが、私はいると考えています」
手塚凛「何で?」
エニー「何となくです」
手塚凛「お父さん、この子本当に大丈夫なの?」
手塚剛「うーん。知り合いからは──」
手塚剛「『大体合ってる回答はしてくれるよ』」
手塚剛「とは言ってたな」
手塚凛(割と適当なんだ・・・)
手塚梨恵「まぁとりあえず」
手塚梨恵「ご飯にしましょう」
手塚梨恵「お腹ぺこぺこでしょ皆?」
手塚剛「そうだな」
手塚凛「空いた空いたー」
手塚梨恵「武弘もそんな心配しなくてもいいのよ」
手塚剛「そうだぞ。誰も見たことないんだから」
手塚武弘「うん・・・」
手塚凛(これは、しばらく考えこんじゃうわね武弘は)

〇教室
  次の日
菅野康太「それじゃ、花丸公園で!」
前田蓮「オッケー!」
同級生「あ! 俺も行きたい行きたい!」
菅野康太「おういいぜ!」
菅野康太「あっそうだ!」
菅野康太「お前も来るか?」
菅野康太「武弘!」
菅野康太「武弘っ!!」
手塚武弘「ハッ!?」
菅野康太「おはよう!」
手塚武弘「あぇ、僕寝てた?」
菅野康太「おっさんみてぇな鼾してたな」
手塚武弘「ご、ごめん」
菅野康太「気にしてねーぞ?」
手塚武弘「それで何か用?」
菅野康太「花丸公園で一緒に遊ばね?」
手塚武弘「あー・・・」
手塚武弘「ごめん。やめとく」
菅野康太「オッケー」
前田蓮「にしても珍しいな」
前田蓮「武弘が寝てるなんて」
菅野康太「そういやそうだな」
菅野康太「何かあったの?」
手塚武弘「えっと」
手塚武弘「み、皆は幽霊とか信じる?」
前田蓮「幽霊? いや別に」
菅野康太「俺も信じないけど──」
菅野康太「これからそれを見に行く」
手塚武弘「見に行く?」
前田蓮「花丸公園で出るらしいんだ」
前田蓮「幽霊がさ」
手塚武弘「えっ」
菅野康太「まっ。多分嘘だろうけどよ」
菅野康太「何か楽しそうじゃん?」
手塚武弘「駄目だ」
菅野康太「えっ?」
手塚武弘「絶対にそれは駄目だ康太君!!」
菅野康太「ハァ!? 何で!?」
手塚武弘「呪われるぞ!?」
菅野康太「そうなのか?!」
手塚武弘「死ぬぞ!?」
菅野康太「えぇ!?」
前田蓮「それ本当だったら、今頃問題になってるだろ」
手塚武弘「まだ誰も犠牲になってないのかも」
前田蓮「何を根拠に」
手塚武弘「とにかく駄目だ、駄目なんだ!」
手塚武弘「ハッ!?」
前田蓮「今度は何だ?」
手塚武弘「まさか、僕の家にその幽霊が来ているのか・・・?!」
前田蓮「いやだから根拠どこだって」
手塚武弘「こうしちゃいられない!」
前田蓮「行っちゃった」
前田蓮「相変わらず、とんでも思考だよな」
菅野康太「面白いヤツ」

〇明るいリビング
手塚武弘「た、ただいま」
手塚武弘「誰もいない?」
「おかえりなさいませ」
手塚武弘「で、でたぁ?!」
エニー「おかえりなさいませ」
手塚武弘「へぇ?」
手塚武弘「エニー?」
エニー「エニーです」
手塚武弘「お、お母さんは?」
エニー「お仕事です」
手塚武弘「そ、そっか」

〇明るいリビング
手塚武弘「うぅ」
手塚武弘「エニー」
エニー「お呼びですか?」
手塚武弘「何か物音しない?」
エニー「外の音だと思われます」
手塚武弘「うーん」
手塚武弘「ヒッ!?」
エニー「どうされました?」
手塚武弘「今絶対近くで何か落ちた!」
エニー「ビー玉が落ちたみたいです」
手塚武弘「ビー玉──」
手塚武弘「ハッ!?」
エニー「どうされました?」
手塚武弘「ビー玉の幽霊だ・・・」
エニー「はい?」
手塚武弘「ビー玉の幽霊が近くにいるんだ!!」
エニー「ビー玉の幽霊、ですか」
エニー「私のデータにないものです」
エニー「詳しくお聞かせください」
手塚武弘「ビー玉の幽霊はきっと」
手塚武弘「姉さんをビー玉にしたんだ!」
手塚武弘「そして奴はこう言うんだ!」

ビー玉の幽霊?「くくく・・・」
ビー玉の幽霊?「目障りな女だったなぁ・・・」
ビー玉の幽霊?「だが奴さえ消えればここを略奪したも同然」
ビー玉の幽霊?「次は・・・」
ビー玉の幽霊?「家族の中で最弱な貴様だぁ!!」
ビー玉の幽霊?「姉弟共々、仲良くビー玉にしてやるぅ!!」
手塚武弘「い、いやだぁあ!!」

〇明るいリビング
手塚武弘「何て恐ろしいんだ!」
手塚武弘「もう終わりだぁ・・・」
エニー「なるほど興味深いです」
エニー「データに残しました」
手塚武弘「可哀想な姉さん・・・」
エニー「武弘様」
手塚武弘「何?」
エニー「凛様がビー玉にされたと言っていましたが」
エニー「そもそも彼女、帰ってきてませんよ?」
手塚武弘「あっ」
手塚武弘「じゃあ違うか・・・」

〇開けた交差点
市川優菜「リンリンもしかして風邪?」
手塚凛「うーん違うけど何か急に」
市川優菜「誰か噂してんじゃねー?」
手塚凛「そんな漫画じゃないんだから」
市川優菜「そう・・・きっと白馬の王子様が噂を──」
手塚凛「それは少女漫画な?」

〇明るいリビング
手塚武弘「エニー!」
エニー「どうしました?」
手塚武弘「怖いからしりとりしよう!」
エニー「何故怖いのですか?」
手塚武弘「だって幽霊が・・・」
エニー「ビー玉のですか?」
手塚武弘「うん!」
エニー「分かりました」
エニー「では武弘様からどうぞ」
手塚武弘「えーと」
手塚武弘「りんご!」
エニー「ゴースト」
手塚武弘「うわぁああ!?」
エニー「武弘様、『ト』ですよ」
エニー「『う』ではありません」
手塚武弘「わ、分かってるよ!」
手塚武弘「と、トースト!」
エニー「灯油」
手塚武弘「幽霊!」
手塚武弘「いやぁああ!?」
エニー「生贄」
エニー「武弘様」
手塚武弘「分かってるよ! 『エ』だろ──」
エニー「いいえそうではなく」
エニー「何故幽霊が怖いのかと」
手塚武弘「何でってそれは・・・!!」
手塚武弘「の、呪ってくるから?」
エニー「実際に呪われました?」
手塚武弘「いや、ないけど・・・」
エニー「なら武弘様」
エニー「怖がる必要ないですよ」
手塚武弘「どうして?」
エニー「呪われた事例がないのなら」
エニー「きっと幽霊は、あなたが思ってるより優しいんですよ」
手塚武弘「幽霊が優しい・・・?」
エニー「はい」
エニー「きっと、我々を陰ながら見守っているのです」
手塚武弘「そっか・・・」
手塚武弘「僕らを見守ってるんだ・・・」
エニー「きっとそうです」
手塚武弘「ありがと」
手塚武弘「エニー──」
エニー「武弘様!?」

〇明るいリビング
手塚凛「ただいま──」
手塚凛「うん?」
手塚凛「ありゃりゃ、寝ちゃったのね」
手塚凛「全く・・・」

〇明るいリビング
手塚剛「ほぉ?」
手塚剛「エニーがそんなことを言ったのか」
手塚武弘「うん!」
手塚武弘「だからもう怖くない!」
手塚剛「そうかぁ。良かったな武弘」
手塚凛「昨日あんなに怖がってたのに」
手塚梨恵「『母さん、怖いから一緒に寝ていい?』とか言ってたわね」
手塚武弘「僕そんなこと言ってないよ!」
手塚凛「えーほんとぉ?」
手塚武弘「ほんとだって!」
手塚剛「まぁまぁいいじゃないか! 一件落着ってことで!」
手塚剛「エニー、ありがとな」
エニー「いえいえ。当たり前のことをしただけです」
手塚凛「そういやこの料理、エニーが作ったんだっけ?」
エニー「はい。お口に合うでしょうか?」
手塚武弘「美味しいよ!」
手塚梨恵「隠し味とか入れてる?」
手塚梨恵「参考にしたいわ」
エニー「それはもちろん」
エニー「アノマロカリスです!」
手塚梨恵「あれ? それ高級食材じゃないの?」
手塚凛「それ古代生物でしょ? 後で調べたけど・・・」
手塚梨恵「そうなの?」
  ※そうです
手塚剛「ん?」
手塚剛「ビー玉?」
手塚凛「どしたのそれ?」
手塚剛「いや何か転がってきてな」
手塚凛「私のとこにもきた!」
手塚剛「武弘。食事中に遊ぶんじゃない」
手塚武弘「ぼ、僕じゃないよ!」
手塚剛「えぇ? じゃあエニーか?」
エニー「いえ違います」
エニー「恐らくこれは──」
エニー「ビー玉の幽霊の仕業です」
手塚武弘「やっぱり!」
手塚剛「話が見えないんだが?」
手塚梨恵「名前が可愛い幽霊ね」
エニー「我々をビー玉に変えようとしてきます」
手塚凛「いや怖っ!?」
手塚凛「ていうかどんだけ出るのよビー玉!?」
手塚梨恵「私のとこにも来たわ」
手塚梨恵「ビー玉にされちゃうわ!」
手塚凛「お母さん、間に受けすぎ!」
手塚剛「うわどんどん転がってくるぞ!」
手塚凛「どこから来てるのよ!!」
手塚剛「発生元はどこだ──」
手塚梨恵「あなた! 足元気をつけて!」
手塚剛「え? うぉ!?」
手塚凛「あっつ!? 味噌汁かかった!?」
手塚武弘「わ、わわわ・・・!」
エニー「やはり幽霊はいるようですね」
手塚武弘「そ、そんなぁ!?」
エニー「ですか武弘様、ご安心を」
エニー「幽霊は優しいのですから」
手塚凛「この状況でよくそんなこと言えるわね!?」
手塚武弘「や、やっぱり──」
手塚武弘「やっぱり幽霊怖いよぉ!!?」

コメント

  • 凄く癒されるお話で、ほっこりしましたー✨😊

    ビー玉の幽霊ってすごく可愛い幽霊ですね✨😍

    ほのぼのとした感家族との時間が流れていくんだろうなぁと思える作品で素敵です!!

  • エニーがポンコツかわいい!
    ほっこりする優しいおはなしです。

  • 抜けているように見えて、しっかりしているかと思えば、やっぱりどこか抜けているエニーちゃん、可愛いですね!
    思い込みが激しくて心配性な武弘くんとの掛け合いも面白かったです。そして、家族それぞれにも弱点がありそうで、興味を惹かれます^^

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