私のパパはサンタ社長(脚本)
〇クリスマス仕様のリビング
みちる「パパー! いま大丈夫?」
パパ「うん、どうしたんだい? みちる」
みちる「学校の宿題でね、親の仕事についてレポートをかけって言われたの」
みちる「インタビューしていい?」
パパ「いいよ!」
みちる「じゃあまず一問目! パパの仕事を一言でいうと?」
パパ「自己実現の物々交換のお手伝いさ!」
みちる「?? どういうこと?」
パパ「よし、実際に昨日あったことを見てみよう」
〇おしゃれなリビングダイニング
ゆうき「肉じゃが食べたいー!」
ゆうこ「もう! ワガママいわないの 今日はカレーよ」
ゆうき「うぅ・・・肉じゃが・・・」
ゆうき「そうだ、サンタさんに手紙を出そう」
ゆうきくんは「サンタメール」アプリで手紙を書いた
サンタさん! 肉じゃが食べたい
ゆうきより
〇シックなリビング
たいちへ
冷蔵庫にある肉じゃがをあっためて食べてね
ママより
たいち「肉じゃがか〜 カレーが食べたい気分なんだよな・・・」
たいち「そうだ! サンタさんに手紙を書こう!」
サンタさんへ
カレーが食べたいです
太一より
〇諜報機関
パパ「ふむふむ。4番地の佐藤さん家のゆうきくんが肉じゃがを食べたいけど今日の献立がカレー」
パパ「その2件隣の家の太一くんがカレーを食べたいけど今日の献立が肉じゃが」
パパ「グッドタイミングだね!」
パパ「早速二人に連絡しよう!」
〇おしゃれなリビングダイニング
ゆうき「うお! 太一って俺の友だちじゃん!」
ゆうき「ママ! 俺のカレーと太一の肉じゃが交換してきてもいい?」
ゆうき「太一、いっつもひとりでご飯食べてるって言ってたし、俺が行ったらさびしくなくなるよ!」
ゆうこ「あらま! それならうちに 太一くん呼んじゃいなさい」
ゆうこ「みんなで楽しく食べましょ!」
〇おしゃれなリビングダイニング
ゆうこ「太一くん、いらっしゃい!」
たいち「わーい肉じゃがだー!!」
ゆうき「カレーだ!!」
〇クリスマス仕様のリビング
パパ「こんなふうに、大体の望みは近場で交換し合うことができるんだよ。面白いよね」
みちる「おもしろい!」
みちる「じゃあパパ、わたし、とってもすてきなボーイフレンドがほしいのだけど、近くで私みたいな子を望んでいる子がいるか、わかる??」
パパ「そういうのは自分で見つけなさい」
みちる「ちぇー」
パパ「パパの子なんだから、注意深く周りを見たらわかるはずだよ」
みちる「そっかー やってみる!」
みちる「ん? みんなが自分でジコジツゲンのブツブツコーカンできたら、パパの仕事なくなっちゃわない?」
パパ「そうだね〜 なくなってしまったほうがいいね ちょっとさびしいけど」
みちる「ええ〜仕事にぷらいど持ってないの??」
パパ「ははは! パパの仕事は遊びだからね。そんな深刻なものいらないよ!」
パパ「それに、プライドは生きる自信のことだよ! 生きる自信に、いろんな肩書きくっつける必要なんてないじゃないか」
みちる「生きる自信か・・・!」
みちる「じゃあパパ! サンタさんが廃業したら、なにしたい?」
パパ「そうだな、みちると遊びたいな~」
みちる「え〜 やだ」
パパ「かなしい」
みちる「パパと遊んでくれそうな人を探したらいいんじゃない?」
パパ「みちるじゃなきゃ いやだなあ」
みちる「そういうとき、こまるね ジコジツゲンのブツブツコーカンにならない」
パパ「いっそ 物々交換もできないような強い願いだけ持てるのは幸福だね」
パパ「パパの仕事が廃業するときってのは、みんなが本当の願いに気付いたときだろうね」
みちる「本当の願いか〜 なんだろう?」
みちる「パパ! インタビューに答えてくれてありがとう お礼に遊んであげる!」
パパ「やったー!」
サンタさんがこんなジモティ的なマッチングをしてくれるなんて知らなかった。もはやクリスマスとか関係ないし。それにしても、パパの発言はどれも素晴らしすぎる。「生きる自信に肩書き不要」とか「物々交換できない願いを持つのは幸福」とか、世の中の子供たちに聞かせてあげたい。
お父さんの仕事めっちゃ良いと思いました😊
こういう事をしてくれる人がいたら世の中の争いが減るのでは無いかなあと思いました😌
廃業せずにずっと続けて欲しいです!