逆転家族

本田すみれ

もはや誰がどの役かわからない(脚本)

逆転家族

本田すみれ

今すぐ読む

逆転家族
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇高層マンションの一室
外崎喜美子「こら、光下。 勉強はしっかりしてきたのか? 宿題またやらない気じゃないよな」
  父親役を懸命に演じる喜美子。
外崎光男「悪かったよパパ。 勉強するからおやつのプリン食べさせて」
外崎光下「お父さんもそんなにあんまり息子を叱らないであげて。 私がもっと言い聞かせればよかったんだから」
  ママ役をやる息子がこれまたギャップである
外崎光下「お母さんはこれから買い物だからペットのアイちゃんと仲良くするんだよ?」
  次に姿を現したのはペットの和猫アイちゃんになりきったリナちゃんである。
外崎リナ「おやつが欲しいニャー。 最近全然かまってくれなくて寂しいニャー」
外崎喜美子「可愛いのう、アイちゃんは。 トイレも間違えてやらないし 我が家のアイドルだ」
  さすがに猫の役をやるのはどこかムチャがあるような気がする。
  そう思った夫婦であった。
外崎光男「ママぁ〜僕もお腹空いた」
外崎喜美子「光下くん、お腹空いちゃったんだ 何か食べる? あんぱんでいい?」
外崎光男「うん、僕あんぱんだーい好き」
外崎リナ「キャットフードはマグロ缶食べさせて」
外崎喜美子「わかったぜ いいペットを持ったもんだ?」
外崎光男「パパぁ〜シッコ」
外崎喜美子「行ってくるんだよ」
外崎喜美子「いつまで続くのかしら、この生活」
外崎光下「戻ってきたらアイちゃんがいるじゃないか 猫じゃらしで遊ぼうか」
外崎リナ「猫じゃらしで遊ぶ〜」
  光下が猫じゃらしを持ってリナちゃんの前でブラブラさせる
  猫パンチをしてみせるリナ。
外崎喜美子「買い物ご苦労だった。 よく今日の献立買ってこれたな」
  その日母親役の光下が作ったシチューはおせじにも美味しいといえる物ではなかった
  だが愛しい息子が作った料理という補正があるからなのか父と母には美味しく感じられた

〇高層マンションの一室
外崎光男「ママぁ、宿題やりたくない」
外崎光下「ダメでしょ、しっかりやらなきゃ」
外崎喜美子「お母さん、そんなに怒らなくても 光下くん、一緒に宿題やってあげる」
外崎光下「仕方ないわね 私は少し不服だけどまあいっか」
外崎光男「ママの作るシチュー、味変わった気がするけどまあいっか」
外崎喜美子「オレも前はシチュー作ってたけどこの家族役割入れ替えゲームが終わればまた作ってあげる」
外崎光男「ママぁ、パパぁ、もう寝るね」
外崎光下「おやすみ、また明日」
外崎喜美子「おやすみなさい 明日は学校に行って 楽しんでくるのよ」
  そう。この家族役割入れ替え実験では普段の仕事も入れ替えるので光男は小学校に、光下は主婦、喜美子は夫の会社に行くことに
外崎喜美子「明日オレも仕事だから早めに寝るかな」
外崎光男「喜美子、仕事のミスとかはしてないだろうな。 さすがに息子が父親役にならずに済んでホッとしているが」
外崎喜美子「働くって楽しいのね ずっと専業主婦だったから 刺激があるわ」
外崎光下「ふああ、もう母さんは眠くなってしまったわ」
  眠りにつく外崎一家であった。

コメント

  • 息子の代わりに学校に行ったお父さんがテストで低い点だったら、お父さんの立場に復帰できなくなったりして。父親と母親が入れ替わっても問題ない家庭は多そうですよね。いろんな想像が膨らむ楽しいストーリーでした。

  • 読みながら、誰が誰になったのか頭にいれないといけないので、脳の活性化しそうです! 今のところ、誰一人嘆いている人がいないのがこの家族のいいところですね。

  • みんな入れ替わった家族の役割を徹底して演じているなあと思いました😂
    シチュー美味しくないのはキツいですよね!😂
    お母さんの偉大さを感じます😂
    猫ちゃんは誰役になったんですかね〜😁
    家族を温かく見守る役ですかね😚💭

コメントをもっと見る(4件)

成分キーワード

ページTOPへ