パパに肩車をしてほしい(脚本)
〇島国の部屋
ぼくは優しいママと強いパパが大好き!!
ママの作るご飯は世界一美味しいし、パパはかっこよくて力持ち
ぼくが「これをしたい!!」といえばなんでも叶えてくれる。本当に優しくって大好きなんだ!!
でも・・・できないこともある
それは・・・
パパ「おはよう!!我が息子よ!! 今日は何をして遊ぼうか!!」
ぼく「パパ、ぼくね・・・『肩車』がしてほしいなあ」
パパ「む・・・肩車だと・・・!?」
パパ「申し訳ない息子よ!!その願いは叶えてやることができんのだ!!」
ぼく「どうして・・・?こうちゃんもけんじくんも、みーんなパパに肩車してもらってるよ?」
パパ「すまない息子よ・・・パパが闘牛なばっかりに・・・」
ぼく「闘牛だとどうして肩車ができないの?」
パパ「ツノが・・・」
パパ「ツノが刺さってお前を殺してしまうかもしれないんじゃー!!」
ぼく「えーっ!!」
ママ「ちょっと!!」
ママ「2人ともどうしたの?」
パパ「肩車をしてやれないんだぁ~!!」
ママ「なあんだ、そんなこと?」
「え?」
ママ「そんなの簡単に解決するわよぉ」
ママ「さあパパ、こっちにいらっしゃい」
パパ「う、うむ・・・」
ギュイーン!!
ママ「切っちゃえばいいのよ♡」
パパ「やっやめてくれー!!」
ママ「うふふ♡息子のためでしょ!!」
ママ「待ちなさーい!!」
ギュイーン!!
ガリガリガリガリ
パパ「ぎゃー!!し、死んじゃうー!!」
ぼく(そこまでしなくていいのに・・・)
ママ「うふふ!!あなた!!ツノがなくてもとっても素敵よー!!」
「助けてくれー!!息子よー!!」
〇見晴らしのいい公園
ぼく「ごめんねパパ。ぼくのせいでママと喧嘩しちゃったんだよね・・・」
パパ「気にするな息子よ。あれはママなりの優しさだ」
ぼく「うーん・・・ とにかくツノが折られなくてよかったよ」
パパ「我が息子は本当に優しいなあ」
ぼく「そうかな?」
パパ「うむ! 誰かを思いやり、素直に謝れるのは素晴らしい才能だ」
ぼく「よかったぁ」
パパ「ほかのお願いなら何でも叶えてやるからな!!」
ぼく「本当?じゃあね、パパ・・・」
ぼく「ぼく、パパのツノに刺されてみたいんだぁ!!」
パパ「え!?」
ぼく「ぼくね、肩車されて刺されることに興味があったんだよ?だからツノがなくならなくてよかったってつくづく思うよ!!」
ぼく「痛いのかな、血が出るのかな?死んじゃうのかな、怖いのかなぁ・・・」
パパ「そ、そうだぞ 痛いし傷がつくし、死んじゃうかもしれない!!危ないんだぞ」
ぼく「そうなの? わぁ、一度刺されてみたいなぁ!!」
パパ「ば、ばか そういうのは冗談でも言うもんじゃ・・・」
パパ「むっ・・・!?」
ぼく「パパ見て!! ぼくね、パパに刺されてみたくて 赤色のタオル持ってきたんだぁ♡」
パパ「わ、我が息子よ・・・!! なんてことを・・・う・・・ううっ・・・」
パパ「体が、うずく・・・!!」
パパ「突っ込みたくてたまらない・・・!!」
パパ「うおおおおお!!」
ママ「そこまで!!」
ぼく「ママ!!」
ママ「自分を傷つけたらダメでしょう!!」
ぼく「ご、ごめんなさい・・・」
ママ「あなたがたとえ不死身だったとしても、私たちはあなたが死ぬのなんて嫌!」
ママ「だって、あなたはパパとママの大事な子供なのよ・・・!!」
ぼく「ごめんね、ママ・・・パパ・・・」
今日も刺してもらえなかった
ぼくはいつになったら
自分の不死身の力を試せるのかな?
ママ「あっ パパをいじめるのは、いくらでもやっていいわよ♡」
パパ「なっ、なんで・・・!!」
ママ「だってパパはとーっても強いじゃない♡」
ぼく「あはは・・・それはちょっと・・・いいかな・・・」
ママ「遠慮しないの!! じゃあママがパパと遊んじゃおっと!!」
ママは赤いタオルを、公園の高台から空に向かって放り投げた
パパ「うおー!!」
パパ「赤いものー!!」
ママ「うふふ〜♡ 生きて帰ってきてね〜♡」
どんな願いでも叶えようとしてくれるパパとママ
だけど今日も、ぼくの『刺されてみたい』という願いは叶わなかった
ぼく(あーあ、いつになったら刺してもらえるかなぁ)
最初はクッション性のある素材でツノカバーを作ればいいかと思ってたけど、問題は息子のほうにあったんだ〜という驚きと脱力感が襲ってくる展開、いいですね。Mっ気の強い不死身少年てやばい…。ってか、作者さんの発想が一番やばいですね(いい意味で)。
お父さんのツノ切ろうとしたお母さんめちゃくちゃすぎる😂って思ってたんですけど、刺されるのを熱望する息子が、もっとめちゃくちゃで面白かったです😂そして母も息子も赤い布でお父さん興奮させるって言う手段の取り方も面白かったです😂
ママこわい!と思ったら、
ぼくの方が相当怖かったです!😂
パパとママのドタバタ、面白かったです。