〇学校の廊下
馬田いけ男「テクテク・・・いや、パカラッ、パカラッ」
モブ野かわい「きゃーっ!!　学校一のイケメン、馬田くんよ!!　パカラッパカラッって言ってるわ!!」
モブ野かわい（今日も、なんて整った馬面なの・・・!!）
モブ野かわい「あ・・・・・・あーっ！　反対側から歩いてくるのは、間違いないわ！」
モブ野かわい「学校一のいかれた女!!　でもかわいさですべてをカバーする!!　はてん子ちゃん!!」
モブ野かわい（今日も制服が破れてるわ!! あれが似合うのは、世界中を探しても、はてん子ちゃんだけよ!!）
馬田いけ男「おお、はてん子じゃないか」
広末破天子「イケ男くん!! 今日もいい天気だね!!」
馬田いけ男「明日、デートしよう」
広末破天子「嬉しい・・・ずっと待ってたんだから!!」
モブ野かわい「きゃーっ!!　なんて脈絡のない会話!! でも、なんてお似合いなのかしら・・・」
モブ野かわい「こんなお似合いな２人のデート・・・明日はどうなってしまうって言うの!?」

〇男の子の一人部屋
馬田いけ男「いやっほおおおお！ はてん子とデート！　ﾌﾞﾙﾌﾞﾙ！」
馬田いけ男「楽しみだなあ・・・初デート!! 人生初のデート!!　俺がリードしないとな!!」
馬田いけ男（となると、どこへ行く？　 映画館・・・水族館・・・動物園？）
馬田いけ男（動物園はだめだ!!　 馬を見に行った時、彼女が俺を見失ってしまうかもしれない・・・）
馬田いけ男（それに、もしも他の馬のことを好きになってしまったら・・・ ああっ!!　それだけはだめだ!!）
馬田いけ男（映画館は、はてん子のかわいい姿を２時間も見逃すことになる・・・却下）
馬田いけ男（残るは水族館・・・いや、はてん子は確か寿司が好きだったはず）
馬田いけ男（もしかしたら、魚を見た瞬間、理性を失って食べようとするかもしれない）
馬田いけ男（ああ、だめだ・・・いいデートスポットが思い浮かばない・・・）

〇女の子の一人部屋
広末破天子（ど、どどどどど、どうしよう!? デートのお誘いされちゃった!?）
広末破天子（もー・・・顔がにやついて、思考がまとまらないよ・・・）
広末破天子「とっ、とにかく、明日の服、選ばないとね!!」
広末破天子「ゴソゴソ・・・」
広末破天子「じゃーんっ！」
広末破天子（うーん・・・初デートでジャージはないかなあ・・・）
広末破天子「ゴソゴソ・・・」
広末破天子「ジャーン！」
広末破天子（これじゃあ、イケ男くんが病人みたいになっちゃうよ・・・）
広末破天子（それに、せっかくデートするんだし、もっと攻めないと・・・!!）
広末破天子「ゴソゴソ・・・」
広末破天子「どやっ！」
広末破天子「いや、さむっ!!」
広末破天子（こりゃだめね。時期的にも寒いし、ちょっと恥ずかしすぎるかも・・・）
広末破天子（ある程度の防寒ができて、尚且つ、イケ男くんの視線を独占できちゃうような・・・）
広末破天子（そうよ・・・!! あれだ・・・!!）
広末破天子「ゴソゴソ・・・」

〇男の子の一人部屋
馬田いけ男（とりあえず服は決まったな・・・問題は、やっぱりデート場所か）
馬田いけ男（はてん子を他の男に見られたくない。 だから、なるべく２人だけの時間が用意できる場所がいい）
馬田いけ男（それと、きっとはてん子は行ったことがないだろう場所・・・）
馬田いけ男「あ、ああ・・・!!　いいところがあった・・・!!」

〇密林の中
馬田いけ男「──どうだい・・・素晴らしい場所だろう？ ここなら、誰にも邪魔されない」
広末破天子「素敵!! ここであなたと暮らせるなら、わたし、もう、何もいらない・・・」
馬田いけ男「おいおい、ハニー。言ってくれるぜ。 だが・・・俺にあまり近付かない方がいい。火傷しちまうぜ」
広末破天子「はあ・・・とろけそう♡ あなたの熱いハートがあれば、暗い夜もきっと大丈夫ね」
馬田いけ男「はてん子・・・俺だけの騎手になれ!!」
広末破天子「幸せすぎて、死んじゃいそう──」

〇男の子の一人部屋
馬田いけ男「ブュフッ！　ブュフフッ！ ・・・っと、危ない危ない、涎が・・・」
馬田いけ男「完璧なデートプラン・・・ デートスポットは、”アマゾンの奥地”で決まりだ」

〇女の子の一人部屋
広末破天子「じゃーんっ！」
広末破天子「これならさ──」
馬田いけ男「なんてキューティクルで、チャーミングで、ビューティフルで、エロティックなんだ・・・」
馬田いけ男「思わず抱きしめたくなっちまう。 愛してるぜ、はてん子ザウルス・・・」
広末破天子「──だ、だめだよう・・・ これ以上近付いたら、イケ男くんのこと、食べちゃうZO☆」
広末破天子「なんか言っちゃって!! デヘヘヘヘヘへ・・・」
広末破天子「もうこの服しかないって感じ!! 決まりね」
広末破天子「ああ・・・」

〇密林の中
「──明日が楽しみだなあ・・・」