〇街中の道路
新可和　壱互「あれ、あおいとかなえ、あんな ところで何してるんだろう？」
新可和　壱互「ねえ何してるの～。 あ、もしかして、わたしだけ仲間外れ～」
黄義　香苗「ち、ちがうわよ。いちご。 ちょっと用事があってそれに手伝ってもらってるだけなのよ」
桐原　青亥「そ、そうだよ、いちご。 べつに何もやましいことなんてないって」
新可和　壱互「ほんとに～？」
桐原　青亥「ほんとほんと。 ただ、ちょっと、いちごには言いづらいかな～、なんちゃって」
新可和　壱互「わたしに・・・・・・？」
黄義　香苗「あぁ～!!　ち、違うの。そそそその、 そう!!　て、テストのことでして～」
新可和　壱互「ああ、あおい。また赤点取ったんでしょう」
桐原　青亥「はぁ!?　アタシのことは関係ないだろ!!」
黄義　香苗「と、とにかく。そういうことなので それでは～」
桐原　青亥「なんか納得いかないけど、じゃあな～」
新可和　壱互「?　うん、じゃあね～」
新可和　壱互「（あれ？　そういえば、あおいって今回は赤点取ってないって言ってたような）」
新可和　壱互「（う～ん、怪しい）」

〇街中の道路
　　そして、翌日の日曜日。
　　この日、わたしは朝から彼女たちを尾行してた。
桐原　青亥「うーん、コレがいいかな～？」
黄義　香苗「いえ、やっぱりコレがいいんじゃないかしら」
桐原　青亥「いや、やっぱりここはアタシの好きな食べ物がいいんじゃないかな」
黄義　香苗「あおいが食べたいだけでしょ」
桐原　青亥「ダメかな。買うついでに自分のも買おうかなって思ったんだかえどな～、あはは」
黄義　香苗「ダメです。もっとちゃんと選びなさい」
桐原　青亥「は～い。って言ってもどれがいいのか・・・・・・分からないな～」
黄義　香苗「実用性のあるものがいいわよ」
桐原　青亥「どんなの？」
黄義　香苗「例えばボールペンとか」
桐原　青亥「つまんない～!!」
黄義　香苗「じゃあ、他の案を言いなさいよ」
桐原　青亥「ゲームとかは？」
黄義　香苗「ゲームって・・・・・・。 そんなんだと、勉強が出来ないでしょう」
桐原　青亥「じゃあ、かなえは何かあるの？」
黄義　香苗「そうね、参考書とかいいんじゃないかしら」
桐原　青亥「アタシが貰っても全然うれしくならないな～」
黄義　香苗「あなたに渡すものじゃありません!!」
黄義　香苗「いえ・・・・・・案外いいかもしれませんね」
桐原　青亥「そ、それだけはやめてよね・・・・・・」
新可和　壱互「怪しい・・・・・・」
新可和　壱互「わたしに隠れてなにやってんだろ？」
　　その瞬間、彼女は背後から迫る車に気づかず、意識を失った。
新可和　壱互「（あれ、いまなにが・・・・・・起きたの？）」

〇部屋のベッド
新可和　壱互「・・・・・・」
新可和　壱互「ん、あれ・・・・・・？」
新可和　壱互「（わたしはなんで、ここにいるだろう・・・・・・？）」
黄義　香苗「あ、起きたわ!!」
桐原　青亥「よ、よかった～。 このまま目覚めなかったらどうしようかと 思ったよ～」
黄義　香苗「あなた、車に轢かれたのよ」
新可和　壱互「くるまに・・・・・・？」
黄義　香苗「あ、そうだコレ。 忘れない今のうちに渡しておくね──」
黄義　香苗「誕生日おめでとう。 花のペンダント──選ぶのすごく迷ったんだから」
新可和　壱互「あ、ありがとうございます。えっと・・・すいません、どちら様でしょうか？」
黄義　香苗「え？　い、いちご!?　私たちのこと覚えてないの!?」
新可和　壱互「いちご？　わたし、いちごっていうんですか？　ごめんなさい名前分からなくって」
桐原　青亥「そんな、うそだよね。 悪い冗談でしょ」
新可和　壱互「ごめんなさい。ほんとによく分からなくって・・・・・・」
黄義　香苗「そんなぁ・・・・・・」