魔法使いになる前日の話

イチ

魔法使いになる前日の話(脚本)

魔法使いになる前日の話

イチ

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魔法使いになる前日の話
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〇モヤモヤ
  僕は魔法使いになりたい。
  もし、魔法使いになれたら──
  事故で死んだパパとママを生き返らせる。
  そして、同じように悲しむ人たちを救いたい──
  いや、それだけじゃない。
  戦争や飢えで苦しむ者たちを片っ端から救ってやる。
  だから──
  何がなんでも魔法使いになる。
  そう願っていた──

〇魔法陣2
  魔法使いになる前日の話

〇街中の道路
  そんな、13歳の或る日──
  『30歳まで童貞だと魔法使いになれるらしいよ。』
  そんな話し声が通り過ぎていった気がした。
イチ「えっ?」
イチ「今、魔法使いになれるって聞こえたけど──」
イチ「聞き違いかなぁ」
「その話はホンマだで」
イチ「えっ?誰??」
黒猫「こっちだで」
イチ「ネコがしゃべった!?」
黒猫「30歳まで童貞だと魔法使いになれるだで」
イチ「ネコがしゃべった!?」
黒猫「魔法使いになりたければだにゃ──」
イチ「ネコがしゃべった!!」
黒猫「話聞けやゴルァァァァだやッ!!」
イチ「ひーっ!!」
黒猫「魔法使いになりたいなら、ネコの話くらいでビビんなだや!」
イチ「ネコがしゃべった!!」
黒猫「もう慣れろやァァァァだやッ!!」
黒猫「このくだりはすぐに納得するのが定石だろうだや!」
黒猫「このやり取りのせいで、大事なシーンがダイジェストになるだやよ!!」
イチ「じゃあ、聞きます」
黒猫「急に冷静」
黒猫「30歳まで童貞だったら魔法使いになれるだやよ」
イチ「どーてー??」
黒猫「性交渉をしないことだや」
イチ「せいこーしょー??」
黒猫「〇〇○を×××に──」
イチ「〇〇○?×××??」
黒猫「どんどん聞いてくる!!」
黒猫「なんとなく分かるだやよー??」
黒猫「もう中1なんだやから──」
イチ「あー、Hのことか」
黒猫「知ってたんかいだや!」
黒猫「Hを30歳までしなければ、魔法使いになれるだや」
黒猫「では、さらばだや」
イチ「あっ、待って── 行っちゃったか」
イチ「うーん、でもホントかなぁ??」
「その話、ホントだポロンよ──」
イチ「えっ??誰ッ??」
白蛇「アチキだポロン」
イチ「ヘビがしゃべったぁぁ!!」
  ・・・
  以下略──
  この後、さらに13匹の動物から話しかけられ、ようやくイチはその話を信じることにした──

〇教室
  13歳から30歳までの約17年──
  このとんでもなく大切で長い時間──
  貞操を守るのは容易いことではない!!
  二つ歳上の生徒会長の女があわられた!!
生徒会長の女「ワタクシが勉強以外のことをお教えしてもよろしくってよ」
  イチは唾を飲み込んだ!!
  イチ『べ、勉強だけ、教えてくださいッ!』
生徒会長の女「ふふっ よろしくってよ」
生徒会長の女「保健体育でよろしくて??」
  生徒会長の女は手を緩めない!!
  イチはベルトを緩めそうになった!!
  イチ『キ、キスの仕方を教えてくださいッ・・・』
生徒会長の女「よろしくってよ」
  生徒会長の女は目を閉じた!!
  あまりのキュートさに唇が吸い寄せられそうになる!!
  しかし、イチは教室から逃げ出した!!
  イチは逃げ勝った!
  獲得経験値ゼロ!

〇地球
  その後もイチは続々と女に言い寄られまくった──
  隣に住む幼馴染の女──
隣に住む幼馴染の女「もぉ、イチくんったらぁ」
  着替えシーンを覗いてしまうハプニングや
  うっかり風呂場でお互いの裸を見てしまうお決まりのやつなどを乗り越える
黒猫「地球バックにダイジェスト始まってるだや!!」
黒猫「言わんこっちゃないだや!!」
  お誘いは身近だけではなく──
有名セレブ「グットルッキングガイね」
  有名セレブからや──
式場から逃げ出した姫君「やっぱりあなたじゃなきゃ・・・ダメみたい──」
  確実に映画化されたであろうシチュエーションのやつや
乙姫「私も亀をいじめるのが好きなのです」
  ドSの乙姫──
YouTuber「中は君にしか見せないのダ!」
  今風のやつ──
  からの──
異世界の姫「ヌシとならツガイになってやってもよいが」
  今風のやつ!!
  大人になるとさらに誘惑は多い──
プロの人「最初はみんなプロを通っていくのよ」
  お伝えできるのはここまで──
法律違反の子「なんか呼んだー??」
  アウト────

〇教会の中
  そして、様々な困難を乗り越え
  いよいよ、明日
  僕は、30歳を迎える──
イチ「いよいよか──」
イチ「あと、少しの時間で」
イチ「俺は、念願の魔法使いになれる!!」
黒猫「おつかれだやー」
黒猫「・・・」
黒猫「流石にもうびっくりしてないだやね」
黒猫「・・・」
黒猫「えっ?」
黒猫「し、死んでる??」
イチ「死んでませんよ」
黒猫「リアクションしてーだや!!」
黒猫「魔法使いのことなんだがや」
イチ「がや──?」
黒猫「お前に言わないといけないことがあるだや」
イチ「だや──?」
黒猫「引っかかるとこはそこじゃないだや!」
黒猫「お前は魔法使いになれないだや!」
イチ「えっ?えっ?」
イチ「なんでなんで??」
黒猫「なぜかと言うとだや──」
イチ「いやいや、ないないないッ!」
黒猫「うるせーッだや!!」
黒猫「お前はすでに、7歳の時に童貞喪失してるだや!」
イチ「うそーん 記憶にないパターン!」
イチ「もう無理なのか??」
黒猫「無理、だや」
イチ「早く言ってよねー 何で今頃になって言うんだよー!」
黒猫「なぜなら──」
黒猫「お前が、僕のパパとママを自転車でひき殺したからだや!!」
黒猫「それの復讐だで! そして──」
黒猫「僕は明日、魔法使いになる!」
イチ「な、なに!?」
イチ「お前、明日で30歳かつ童貞なのかッ!?」
イチ「恥ずかしいヤツめ!」
黒猫「お前が言うなだで!」
黒猫「僕は、パパとママを生き返らせて、ゴミ捨て場のネコの戦争や飢えをなくすだで!」
イチ「じゃあ、俺の魔法使いになって足の臭いの治すのはどーなるんだ!?」
黒猫「しょーもないだや! 病院行けだや!」
黒猫「おっ、そろそろ時間だで!」
白蛇「お前も魔法使いになれないポロン」
黒猫「えー??なんでだで??」
白蛇「お前はメスだポロン」
「えーっ!?」
イチ「気づくだろ!普通!」
黒猫「去勢してるから分からなかっただで!」
「シーン・・・」
  こうして、30歳になる日、とりあえずみんなで夢と魔法の国に行った。
  楽しかった。
  終

コメント

  • いや!オチが!誰も魔法使いになれないじゃーん笑
    なんのために貞操を守ってきたのか…。
    それなら早くにモテモテハーレム状態を味わっておくんでしたね…。

  • スピード感のあるテンポのいいお話でした!
    まさかこんなオチになるとは思わなかったですが、猫さんは自分の性別に気づいても良さげですよね笑
    すごく楽しかったです!

  • なんだかすごく平和な話で、心が和みました。あんなにたくさんの素敵な女性から言い寄られる主人公は、とっても素敵な少年なんでしょうね!最後に魔法使いになったら叶えたいことが、急に変わってたものおもしろかったです。

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