作:家族 ver.1

イヌドングリ

次女の悩み(脚本)

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〇おしゃれなリビング
九里江せいこ「私たち一家の作品、つくってみない?」
九里江げんた「お前たち、脚本家になりたいんだろう?」
九里江げんた「だから俺たち、考えたんだ」
九里江せいこ「あなた達がつくった作品を」
九里江せいこ「ネット動画にして、配信してみようってね」
九里江らいと「父さん、母さん、どんな作品にするんだ?」
九里江あいか「私たち、スタイルバラバラよね?」
九里江かいせい「どうするんだ?」
九里江そら(みんなの作風・・・・・・合わせられるかな?)
九里江せいこ「あなた達、普段はひとりで書いてるみたいだし」
九里江せいこ「この機会に自分の創作について」
九里江せいこ「語ってみて欲しいの」
九里江げんた「明日この時間にプレゼンするんだ」
九里江げんた「しっかり、準備してこいよ」
九里江そら(わ、わたしの創作についてプレゼン!?)
九里江そら(わたしの趣味、理解されるかな・・・・・・)

〇教室
伊草つくば「九里江ちゃん、おっはよ〜」
九里江そら「あ、伊草ちゃん、おはよう」
伊草つくば「どうした、元気ないね?」
九里江そら「うちの家族のこと知ってる?」
伊草つくば「あ〜、たしか、脚本家一家だっけ?」
伊草つくば「志望含めだけど」
九里江そら「うん、それでね」
九里江そら「一家で作品をつくるって、ことになったの」
伊草つくば「すげぇ・・・・・・」
九里江そら「で、今晩わたしの創作についてプレゼンしなきゃいけないのよ」
伊草つくば「でもさ、」
伊草つくば「そういや九里江ちゃんて、なにつくってんだっけ?」
九里江そら「・・・・・・言ってなかったね」
九里江そら「わたしね──」
九里江そら「SFものつくりたいんだ」
伊草つくば「SF!?」
伊草つくば「ワタシも好きだよ」
九里江そら「えっ、ほんとに?」
伊草つくば「やっぱり親友だねぇ」
九里江そら「だね」
伊草つくば「じゃあさ、じゃあさ、やっぱり好きなわけ?」
伊草つくば「ロボとか、ビームとか、爆発とか!」
九里江そら(えっ、あ、伊草ちゃんそっちだったんだ)
九里江そら(でも、わたしもビームとか、爆発がある作品も好きだし)
九里江そら(ロボとか、宇宙探査船みたいなもん、かな)
伊草つくば「あ〜、九里江ちゃん?」
九里江そら(いや、これはロボ好きに怒られるな)
九里江そら(かっこいいとは思うんだけど、)
九里江そら(それじゃ説明しつくせない・・・・・・)
伊草つくば「九里江ちゃん!」
九里江そら「え、あ、ゴメン」
伊草つくば「こっちこそ、勢いあまって、つい・・・・・・」
伊草つくば「九里江ちゃんは、どんなのが好きなの?」
九里江そら(あっ、趣味が違うのバレた!)
九里江そら「いや、いいよね、ビームとか、爆発とか・・・・・・」
九里江そら「大きなマシンとかも、美しい、よね」
伊草つくば「美しい、か」
伊草つくば「面白いこと言うね」
伊草つくば「でも、分かる、かも?」
  キーンコーン・カーンコーン
伊草つくば「お、授業だ。じゃあね」
九里江そら「うん」
九里江そら(やっぱり、わたしの趣味、理解されないかな)

〇教室
九里江そら「いただきます」
九里江そら「はぁ」
九里江そら(伊草ちゃんはすごいなあ)
九里江そら(自分の好きなものを、あんなに熱く)
九里江そら(すぐに語れるんだから本当に好きなんだ)
九里江そら(わたしは・・・・・・なにが好きだったんだろう?)
九里江そら(そもそも、本当にSFが好きだったんだろうか?)
九里江そら(SFを捨てて、もっと普通な──)
九里江そら「ダメ!」
九里江そら(そんなことしたら、愛がなくなる)
九里江そら(前にもやってみたじゃない)
九里江そら(中途半端な、抜け殻みたいなものしか書けなかったでしょ?)
九里江そら「───バカ」
九里江そら(それをやるにしても)
九里江そら(わたしの故郷って呼べる場所)
九里江そら(わたしの創作の、父や母と呼べる作品を)
九里江そら(作風の兄弟姉妹たちを見つけないと)
九里江そら(また同じことになる)

〇地球
九里江そら(わたしの母星はどこ?)
九里江そら(わたしはSF星系の何番星の出身で、)
九里江そら(その星のどこからやって来たの?)

〇教室
九里江そら「はっ」

〇学校脇の道
九里江そら「伊草ちゃん!」
九里江そら「一緒に帰ろ」
伊草つくば「いいよ〜」
九里江そら「それと、話聞いてもらっていい?」
九里江そら「わたしのSFのこと」
伊草つくば「むしろ聞かせてよ」
九里江そら「わたしはね、」
九里江そら「宇宙が好きなの」
伊草つくば「おう、で? で?」
九里江そら「わたしのSFだけじゃなくって、伊草ちゃんのSFも」
九里江そら「練り上げられたハードSFから」
九里江そら「おい! って、突っ込みたくなる」
九里江そら「サイエンス・ファンタジーまである」
伊草つくば「ははは――わからんでもない」
九里江そら「でしょ? でも、そんな雑多な宇宙が好きだって」
九里江そら「今日、気づいたの」
伊草つくば「へぇ──」
九里江そら「冒険も思索も」
九里江そら「恋愛も外交も内政も、もちろん熱いバトルもある」
九里江そら「宇宙を書きたいの」
伊草つくば「――そっか」
伊草つくば「いいじゃん」
九里江そら「・・・・・・」
九里江そら「それだけ?」
伊草つくば「ゴメン、長文苦手」
九里江そら「ゴメン、長文癖で」
伊草つくば「でも九里江ちゃんも熱いのはわかったぜ」
伊草つくば「今晩の決戦の準備は整ったな」
伊草つくば「自信を持って・・・・・・」
伊草つくば「出撃せよ!」
九里江そら「はい!」

〇おしゃれなリビング
九里江そら「これが」
九里江そら「わたしのSF」
九里江かいせい「やっぱりSFは小難しいなぁ・・・・・・」
九里江あいか「結局、なんでもあり?」
九里江らいと「軽いだけじゃないんだな、面白い」
九里江げんた「どんな話になるだろうな」
九里江せいこ「次は、らいと、お願いね」

〇クリーム
九里江せいこ「私たちの作品、」
九里江せいこ「つくってみない?」

コメント

  • そらの場合、創作について話を聞いてもらえるつくばのような友人がいてラッキーですね。一人では思いつかなかったことも、誰かに話しているうちに気づいたり閃いたりすることはよくありますもんね。今後、家族それぞれの創作へのアプローチが楽しみです。

  • 家族みんなで共通の趣味があって
    みんなで脚本を創り上げるのは素敵だと思いました。
    仲良し家族じゃないと実現しないことなので。ほっこりです。
    SFって一括りではなく奥が深いんだなあとも思いました😁

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