アホなニューワールド

はちねこ

日常…(脚本)

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〇養護施設の庭
  ここは、天界。
  種族や性別を問わず、みな平和に過ごしていた・・・
  そんな中、ここの住人である綾人は・・・
  友達が、できなかった・・・
  そんな彼にもついに・・・友達ができた。
  そんな二人が目指すのは・・・お笑い!?

〇養護施設の庭
綾人「まあ、友達が欲しいとは言ったけど・・・」
ピヨちゃん「テレテテッテレー!」
ピヨちゃん「ピヨちゃんです!」
綾人「お前か・・・」
ピヨちゃん「よろしくー!」
綾人「そうだな・・・じゃあ手始めに・・・」
綾人「漫才、やってみたいんだよね」
ピヨちゃん「かしこまりー!やってみよう!」

〇養護施設の庭
綾人「じゃあピヨちゃんが、ボケて自分がツッコミやるからね」
ピヨちゃん「ボケー!!」
綾人「いや、ボケー!じゃないのよ」
綾人「てか、もう始まってるのか」
ピヨちゃん「はい、綾人ママ!」
綾人「いや、笑えば良いってもんじゃ無いのよ」
綾人「そんでもって、俺はピヨちゃんのママじゃないのよ」
ピヨちゃん「アハハー」
綾人「貴方の卵、産んだ覚えはないしその・・・オスだからさ」
ピヨちゃん「じゃあ赤ちゃんは、どこから来るのー?」
綾人「ああ、それ聞いちゃう?それはねえ・・・」
ピヨちゃん「まあ、大体オスとメスがね・・・その・・・」
綾人「分かってるやん、ピヨちゃん」
綾人「コウノトリが運んでくるんだよーとか言うと思ったじゃん」
ピヨちゃん「とりだけにー!あはは!」
綾人「いや、自分で笑ったら意味ないのよ」
ピヨちゃん「まあまあ、あとはさ」
ピヨちゃん「親が、子供欲しいって神様に毎日頼んだら、神様が授けてくださったのよ、とかね」
ピヨちゃん「神頼みかよ、って思いましたね、はい」
綾人「いや、真顔で正論突っ込むのやめなさいよ」
綾人「笑っちゃうじゃん・・・」
綾人「しっかしそれが本当なら、神様はどうやって子供を選んでいるんだろうねえー」
ピヨちゃん「まあ、間引きされた子ですよ、はい」
綾人「だから真顔でそういうこと言わないの、もう・・・」
綾人「誰に似たのかしらねえ・・・」
ピヨちゃん「遺伝子的にはその、半分ずつだと思うんですけどー、そのー」
ピヨちゃん「頭の悪い親に育てられると、その子供も頭悪くなるんすよ」
ピヨちゃん「知能って、残念ながら遺伝するのであー頭の悪い親のもとに生まれたんだなって諦めて生活保護取ってください」
綾人「急にひろ○きみたいになるの、やめてもらっていいっすか?」
ピヨちゃん「そういうあなたも、ひろ○きみたいになるの、やめてもらっていいっすか?」

〇養護施設の庭
綾人「全くキリが無くなるな、あれ・・・」
ピヨちゃん「イタチごっこでしたねー」
綾人「まあ、気を取り直していってみよう!」
ピヨちゃん「おー!」
ピヨちゃん「・・・って、言うと思うじゃん?」
綾人「なに、何か仕掛けるパターン?」
ピヨちゃん「言うと、思うじゃん?」
ピヨちゃん「言わない」
綾人「何で! この時間返しやがれください」
ピヨちゃん「丁寧なのか、品がないのか絶妙だねー」
綾人「一応、品は、ねっ!」
ピヨちゃん「綾人ちゃんにはこれから、語学を学んでいただくザマス」
綾人「何故、ざますなの!?」
ピヨちゃん「では、食事の時・・・」
綾人「いただきます、だよね?」
ピヨちゃん「そう。 ですが、もっと丁寧にすると頂戴します、頂戴いたします、ザマス」
綾人「まあ、使わないよねー 食べ物に感謝出来れば、それでいいよ」
ピヨちゃん「まあね」
綾人「急に、普段の言葉遣いになったね・・・」
ピヨちゃん「やってられないよね」

〇養護施設の庭
綾人「いつの間にか、夕暮れになりましたね」
ピヨちゃん「今日って何してたっけ?」

〇養護施設の庭
綾人「いつの間にか、夕暮れになりましたねー」
ピヨちゃん「今日って何してたっけ?」
綾人「いつも通り、漫才もどきだな」
ピヨちゃん「僕たちだけだよね、こうして暇つぶしてるの」
綾人「まあ、大体は仕事に駆り出されているけど平和なもんだよな」
ピヨちゃん「でも、人間の世界って野蛮なんじゃないの」
綾人「まあな・・・」
綾人「時代の変化、優劣、比較・・・」
綾人「それらが激しく変化していって、俺はついていけなくなった口だよ」
ピヨちゃん「綾人でも、難しいことがあるんだね・・・」
綾人「そりゃあ、神でもないんだから・・・」
綾人「万能なんてこと、この世にないからね」
ピヨちゃん「まあね・・・」
ピヨちゃん「(万能・・・万能ねぎって、マジで万能なのかな?)」
綾人「ピヨちゃん、なんか変なこと考えてない?」
ピヨちゃん「え?そんなことないよ、ただ・・・」
ピヨちゃん「万能ねぎって、ほんとに万能なのかなって」
綾人「やっぱ、ろくなこと考えてなかったね・・・」
綾人「まあ、あれは主に薬味で使われるけど、煮ても炒めても良し」
綾人「ねぎでも、無難な味のやつだからな」
ピヨちゃん「なるほど~」
ピヨちゃん「また1つ、賢くなったね!僕が!」
綾人「ちょっと知識が増えただけで、大袈裟な・・・」
ピヨちゃん「いや、僕にとってはね、1日、1日が大切なんだ」
綾人「おお、なんかピヨちゃんにしては深いな」
ピヨちゃん「ひよこでも、日々一生懸命なんだよ綾人くん」
綾人「ゆるふわで、ぬくぬくなピヨちゃん・・・」
ピヨちゃん「と、思うじゃん?」
ピヨちゃん「知能(格好良く言うとトリビア)も兼ね備えております」
綾人「格好良く言ったけど、あんまり役に立ってない知恵のことだからね・・・?」
ピヨちゃん「まあねー♪」
ピヨちゃん「なんか、万能ねぎとか言ってたら麺類食べたくなってきた・・・」
綾人「そう言えば、お腹減ったし食べに行く?」
ピヨちゃん「綾人のおごりで?」
綾人「さも当然のように言うの、流石だな・・・」
綾人「まーいいですよ?綾人お兄さんは心広いから!マリアナ海溝より深くて広いから?」
ピヨちゃん「めっちゃひろーい!」
ピヨちゃん「じゃあ、生とハイボールもつけていい?」
綾人「抜け目のない、ひよこさんだな!」
綾人「まあドンとこい! 綾人お兄さんの心も懐も、マリアナ海溝より深くて広いから!」
ピヨちゃん「やったー」
ピヨちゃん「唐揚げも、って言うと思うじゃん?」
ピヨちゃん「共食いになっちゃうし、言わないからね?」
綾人「まあ、鶏肉うめえ!とか裏でありそうだけどね」
ピヨちゃん「そんな残酷なこと、さすがにできないよ」
ピヨちゃん「それくらいの倫理観も持ち合わせてるんで、はい」
綾人「(ピヨちゃんに倫理観・・・)」
ピヨちゃん「あなたこそ、何か失礼なこと考えてるのではなくて?」
綾人「まあ、いっか。とりあえず・・・」
綾人「飲みに行くぞー!」
ピヨちゃん「おー!」
  これが、彼らの日常だった。
  
  ピヨちゃんは、定位置である綾人の頭の上に移動して・・・
  後に、二人の漫才が天界名物となり、色んな人を笑わせる日が近いことを・・・
  彼らはまだ、知らない・・・
  END

コメント

  • 画面に変化がないにもかかわらずリーダビリティがすごい。流れるような会話表現の筆力が素晴らしいです。結構辛辣なことを言っても見た目がヒヨコであることで全部許されちゃうから得ですね。今は相棒の頭の上だけど、この後お笑い界のトップに登り詰めるとのラストにも納得です。

  • まるで友達同士のような2人ですね!ひよこさんは一昔前のような日本人気質がありますね。現実世界に疲れたら、いってみたいニューワールドです!

  • ピヨちゃん、自由奔放な楽しいキャラですね、もうボケ満載で!万能ねぎの”万能”について思案するヒヨコ、何だか笑ってしまいます。

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