なんちゃって親子with天使長

萩野 須郷

VS 脱獄天使・ウーゴ(脚本)

なんちゃって親子with天使長

萩野 須郷

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〇アパートのダイニング
「おいっ、早くおむつ替えてくれよ!」
日向(ひなた)「こっちは一大事なのに! 何のんびりテレビ見てるんだよ!」
「え〜 さっき替えたばっかじゃん」
知世(ともよ)「めんどくさ〜 自分で替えなさいよ」
日向(ひなた)「自分で替えれたらやってるっつーの!」
日向(ひなた)「つーか赤ちゃんに対して その態度は何だよ!」
知世(ともよ)「・・・いやいや アンタ、普通の赤ちゃんじゃないでしょ」
知世(ともよ)「天使であるアンタが赤ちゃんの身体を 借りてるだけ」
知世(ともよ)「・・・でしょ?」
日向(ひなた)「・・・あのなあ それを言ったら」
日向(ひなた)「天使であるお前もお母さんの身体を 借りてるだけ、だろ」
知世(ともよ)「ご名答〜」

〇雲の上
守(まもる)「俺は守」
良悟(りょうご)「俺は良悟!」
  双子である俺たちは
  弟LOVEな天使長・誠司を
  弟離れさせるために
  下界に降りて、とある人間の身体を借りて
  過ごしているのだった
誠司(せいじ)「い、良いだろう別に愛してたって!」

〇アパートのダイニング
日向(良悟)「しっかし兄貴も諦めが悪いよな」
日向(良悟)「この前ポストに50通くらい手紙入ってたんだけどさ、全部差出人兄貴からだったぜ」
知世(守)「はあ・・・ 良い加減にしてほしいよね〜」
  守はとある家族のお母さんに──
  良悟はとある家族の赤ちゃんとして
  暮らしていた
知世(守)「まあ、俺たちが天使だってこと 旦那さんにはまだバレてないから大丈夫」
知世(守)「なんせあの人・・・」
「うい〜っす 今帰ったぞ〜」
健介(けんすけ)「あ〜疲れた ともちゃーん、俺の肩揉んでくれな〜い?」
知世(守)「良いよ 今日は帰り、いつもより遅かったね」
健介(けんすけ)「へへへ、仕事帰りにちょっと ガチャポン巡りしてたんだよね〜」
健介(けんすけ)「タンスの中にお金が落ちててさ! ラッキーと思って!」
知世(守)「・・・ちょっと、そのお金は 今月の家賃代なんだけど」
健介(けんすけ)「え"ッッッ!? 俺へのささやかな小遣いじゃなくて!?」
知世(守)「違うよー お金入れてた封筒にちゃんと「家賃分」って書いてあったじゃん」
健介(けんすけ)「・・・」
健介(けんすけ)「ど、どうしよう 俺、全部使っちゃったよ・・・」
知世(守)「いやどんだけ ガチャポンやってんのよ・・・」
健介(けんすけ)「シークレットが欲しくてつい・・・」
健介(けんすけ)「って待てよ 家賃の支払日って確か・・・」
大家さん「宮野さーん! 家賃の集金に来ましたよー!」
健介(けんすけ)「お、おおお大家さんだッ・・・」
健介(けんすけ)「俺、支払いちょっと待ってもらうよう 頼んで・・・」
知世(守)「──大丈夫、私に任せて」
知世(守)「こんばんは、大家さん」
大家さん「こんばんは、宮野さん 毎度おなじみ大家さんだよォ」
大家さん「家賃払ってくれなきゃ退去させちゃうぞ!」
知世(守)「ふふふ安心してください ちゃんとありますよ、ほら」
大家さん「ふふふそう言って先月空の封筒を渡したのはどこのどいつ──って」
大家さん「お、おふうっ・・・」
知世(守)「先月分と今月分、おまけにチップです 以前は大変失礼いたしました」
大家さん「ち、ちちちちぃっぷ・・・!」
大家さん「・・・ん、まあこちらとしては? ちゃんと払ってくれればそれで良いけどね?」
大家さん「オッホホありがとう それじゃあまた来月よろしくねェ〜」
健介(けんすけ)「お、おいおい あんな札束、どこから用意したんだよ」
知世(守)「うふふふ、秘密〜」
知世(守)(天使の力で、メモ用紙を 札束に一時的に変化させただけなんだけどね)
健介(けんすけ)「ううう、ともちゃんありがとう 俺って奴はバカな旦那だよ・・・」
知世(守)「うんうん、これからは気をつけてね」
健介(けんすけ)「本当にともちゃんは頼りになるぜ 何かあってもいつも解決してくれるし」
健介(けんすけ)「よし! 俺も頼れる男になるぞ! ということで夕陽に向かってランニングだ〜!!」
知世(守)「もう夕陽沈んでるけどね・・・ 健ちゃんって本当バカだなあ・・・」
知世(守)「まあ、だから天使の力使っても 怪しまれずに済んでるんだけどね」
「・・・オイ」
日向(良悟)「お前、さっきちゃっかり 天使の力使ったろ」
知世(守)「当たり〜さすがは俺の弟〜」
日向(良悟)「・・・あんまり使いすぎるなよ また『アイツら』がやってくるぞ」
知世(守)「わかってるって〜 そんなに心配しなくても・・・」
知世(守)「この声・・・健ちゃん!?」
日向(良悟)「まだアパートの近くにいる! すぐに行くぞ!」

〇古いアパート
知世(守)「健ちゃん、何があったの!?」
健介(けんすけ)「と、ともちゃん こ、こいつが、こいつが急に現れて・・・」
ウーゴ「・・・マモル、リョウゴ・・・」
ウーゴ「憎っくき天使長ノ弟タチよ・・・」
ウーゴ「貴様ラ潰しテ、天使長ノ心を砕いテ・・・ 私ガ、新たな天使長ニなル・・・!」
知世(守)「・・・俺の天使の力を感じて、 ここまで来た、か」
日向(良悟)「そら見ろ! だから使いすぎるなよって俺は警告を・・・!」
知世(守)「──はあ」
知世(守)「仕方ない、ちゃちゃっと片付けますか」
知世(守)「エンジェル・アンギラス!」
知世(守)「──お星様になって消えなさい この堕天使が」
知世(守)「フフ、これで一件落ちゃ・・・」
  ・・・カナイヨ
  ソンな攻撃、効かナイヨ
ウーゴ「でハ、 こちらカラも攻撃サセてもラオウ」
ウーゴ「エンジェル・アンギラス!」
ウーゴ「お前タチをボロ雑巾にしてヤル!」
ウーゴ「行けドラゴン、 アイツらを食い尽クセ!」
知世(守)「うっそ、こんなのアリかよ!」
日向(良悟)「おい、どうする! 俺は天使の力は使えねぇんだぞ!」
知世(守)「さ、さすがの俺もこのドラゴンを やっつけるほどの力は・・・」
「うわああああ〜〜ッ!!」

〇古いアパート

〇古いアパート
日向(良悟)「・・・ってあれ?」
日向(良悟)「い、生きてる・・・ 俺たち、生きてるぞ!」
知世(守)「・・・ほ、本当だ しかも無傷だし」
知世(守)「でもあんな強大な攻撃だったのに どうして・・・」
  ──もちゃん! 大丈夫!?
知世(守)「そ、その声は・・・」
知世(守)「健ちゃん!!」
健介(けんすけ)「ひなちゃん、ともちゃん! 何ともない!? ケガは!?」
知世(守)「わ、私たちは大丈夫だけど・・・ 健ちゃん、一体何をしたの?」
健介(けんすけ)「何かすげぇでっかい竜が出てきたから ぶん殴った!!」
日向(良悟)「いや最強すぎだろこいつ!!」
  ・・・こノ、人間ゴトキが・・・
  天使サマのジャマ・・・
  すンジャねェよ!!
ウーゴ「3人まとメテ・・・ ぶっツブす!!」
健介(けんすけ)「そうはさせるかッ! 俺が家族を守るんだ!」
「待って、健ちゃん!」
知世(守)「私がやる 健ちゃんは下がってて」
健介(けんすけ)「な、何言ってんだ! そんなことできる訳──」
知世(守)「さっき助けてくれたお礼 ──俺は、アンタを巻き込みたくはない」
健介(けんすけ)「!!」
健介(けんすけ)「わかった! そこまで言うなら後は任せたぜ!」
知世(守)「了解 ──やってやるよ、天使の力でな」
知世(守)「天使長の弟がこんな相手に負けちゃ、 兄ちゃんの面目丸潰れだからな・・・」
知世(守)「──それに」
知世(守)「俺だってやるときはやるってトコ、 見せつけてやるぜ!!」
知世(守)「エンジェル・アンギラス!!」
ウーゴ「──ハン、またさっきト同じ攻撃するツモりカ?」
ウーゴ「そんナノ効かナイって──」
知世(守)「──バーカ 同じ失敗二度もするかよ」
知世(守)「俺の力、グズグズしねェで仕事しろ! アイツの翼を撃ち落とせ!!」
ウーゴ「──! マズイ、これハ、クラウとまズイ!!」
知世(守)「──チッ、逃げやがったか!」
知世(守)「まあ良い、 さすがにまた襲っては来ないだろう」
知世(守)「さあみんな、アパートに帰ろうか」
健介(けんすけ)「了解! ともちゃんお疲れ!」
日向(良悟)「ええっ!? お、追わなくて良いのかよ・・・」

〇通学路
「・・・ハア、ハア」
ウーゴ「くそッ、アイツらめ・・・」
ウーゴ「こンなとこロデやられてタマルカ」
ウーゴ「俺は天使長にナル器の持チ主なンだ」
  ・・・フフ
  残念ながらそれはありえないぞ・・・
  脱獄天使・ウーゴよ
ウーゴ「!!」
ウーゴ「こ、コの声は・・・ まサカ」

〇通学路
誠司(せいじ)「はじめまして ・・・で良いのかな? 天使長志望さん?」
ウーゴ「・・・あ、アア、 アアアアア・・・」
誠司(せいじ)「よくも私の愛する弟たちを かわいがってくれたな」
誠司(せいじ)「そのお礼に、私もお前を 存分に可愛がってやろう」
ウーゴ「う、ヒ・・・」
誠司(せいじ)「さて、どうしてほしい?」
誠司(せいじ)「天界の牢獄よりももっと恐ろしい場所に 連れて行ってやろうか?」
ウーゴ「・・・う」
ウーゴ「うわアaa○×※△hskeidnmdje!!」
誠司(せいじ)「おいおい まだ俺は何もしてないのに・・・」
誠司(せいじ)「まあ良いか こいつの処分は、天界裁判所に任せよう」

〇アパートのダイニング
  一方その頃──
日向(良悟)「はあ、アイツがまた襲って来ないか 不安だぜ」
知世(守)「大丈夫だよ 俺が何とかするから」
日向(良悟)「そう言われてもなあ・・・ まあ、あの怪力健ちゃんがいるから良いけどよ」
知世(守)「ちょ、俺の力信用してないだろ」
知世(守)「・・・それよりひなちゃん」
知世(守)「何か、大事なこと忘れてない?」
日向(良悟)「は? 何だよ急に ひなちゃん呼ばわりなんかして──」
知世(守)「お・む・つ」
知世(守)「ほ〜ら、交換しましょうね〜」
日向(良悟)「そ、そうだった、忘れてたぜ・・・」
日向(良悟)「俺のおむつの中、 絶賛湿地地帯なんだった・・・!」
日向(良悟)「何で最初からさっさと 変えてくれなかったんだよォーもォー!!」
健介(けんすけ)「わわわ、ひなちゃん!? 急にどうしたの!?」
知世(守)「わかんな〜い 反抗期〜」
日向(良悟)「違ェよ〜 正当な訴えだっつーの〜!!」
  完

コメント

  • 健ちゃん家賃使い果たしてムムムッってなったんですが、まさかの大らかさと、怪力の持ち主で、株が読み終わる頃にはめっちゃ上昇しておりました✨😊

    面白かったです!!✨

  • 結局、良悟も守も誠司の掌の上で遊んでいる(遊ばされている?)だけなのかも。健介は家族全員が天使だと知らなくても幸せそう。知らぬが仏、いや知らぬが天使ですね。

  • 設定から何から面白いですね!
    そして健ちゃんの存在感、作中の雰囲気を明るいコメディにしてくれますねww
    大家さんの挙動、地味にツボってしまいました…

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