え、三角関係って、必ずホモができるだろ?

はちねこ

勘違いが生んだ、奇跡の物語(脚本)

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〇学生の一人部屋
  俺たちは、よく休みなどになると一緒に遊んでいた・・・ただ・・・
  何故か毎回、俺の部屋だったが・・・
  ひなは、俺たちとゲームもするが大体、うちのポメきちと遊ぶために来ているようなものだ。
ひな「ポメきち〜」
ポメきち「わふっ、わふっ!」
  ポメきちも、何だかんだひなに懐いている。
  なんせ、若い女はひなだけ。
  うちは、おかんとばあちゃんだからな・・・
  まあ、複雑そうな顔したこいつを見るのは楽しいけれどな!
ひな「あ、私もう帰らないと! 今日、夕飯作らないといけないんだよね」
ポメきち「くぅん・・・」
ひな「大丈夫だよ、ポメきち! また会いに来るからね~」
ひな「じゃあね、二人とも!お先〜!」
秀一「おお、気いつけて帰るんやで」
  寂しそうなポメきちを背に、ひなは帰っていった・・・

〇学生の一人部屋
  ひなが帰って、ポメきちはリビングへ行ってしまったその時・・・
秀一「なあ、タカシ・・・」
タカシ「なに、急に改まって・・・」
秀一「ひなのこと・・・好きか?」
タカシ「な・・・ま、まあ好き・・・だけど・・・」
秀一「そか・・・あんなあ、僕・・・」
秀一「今年こそ、ひなに告白しようと思ってるんや」
タカシ「(こいつも、ひなのことを・・・!?)」
秀一「ま、タカシも好き言うたからなあ・・・」
秀一「三角関係・・・ってやつやな~」
タカシ「(さ・・・三角関係!?)」
タカシ「(しかも、俺のこと好きって言ったあ!?)」
タカシ「(えっと、俺はどっちも好きで・・・)」
タカシ「(秀一はひなが好きで・・・三角形にするには、ひなを俺と結んで・・・)」
タカシ「(やばーい、どうしよ!?俺・・・)」
タカシ「(秀一と、ってこと!?)」
秀一「なに、ぽかんと呆けてんねん・・・」
秀一「(ひなが)好きやって、言うたさかいな?」
タカシ「(うわあ・・・好きだって!!嬉しいような・・・)」
タカシ「俺も・・・(どっちも)好き・・・」
秀一「(何やタカシのやつ・・・アホみたいに嬉しそうな顔しおって・・・)」
秀一「(ほぉー・・・余裕、っちゅうことやな?)」
秀一「・・・まあええ。僕も、帰るわ」
タカシ「あ・・・」
  何だか、モヤモヤしたけどまさか・・・
  
  あんなことに、なるなんて・・・

〇大教室
ひな「何だか最近、二人とも更に仲が良いよねー」
ひな「私も、誰か仲良く・・・彼氏、じゃなくても」
ひな「趣味とか合う友達、できたらいいなあ・・・」
秀一「いや、僕らおるやん!? ひな、僕らやと足りんのか!?」
タカシ「(どうしよ・・・秀一が焦ってる・・・)」
タカシ「お、俺は、二人といるときが一番楽しいよ!!」
ひな「え、あ、すごく嬉しい!」
秀一「(株が、上がったような・・・ええとこ持ってかれたような・・・複雑やなあ)」
秀一「せや~、ひな。ほんなん、今は無理せんでもええんとちゃう?」
ひな「それもそうかな~」
ひな「学食たべに行こうか!」
秀一「せやな、お腹減ったなあ・・・」
タカシ「(とりあえず、いい雰囲気を作るぞ・・・!)」

〇学食
  俺たちは、学食に着いた。
  一般開放もされているので、いつか家族と一緒に食べたいと思っている。
  晴れたときは、気持ちのいい景色が広がってすごく気に入っているのだが・・・
タカシ「俺は、味噌カツ定食にしようかな~」
ひな「おっ、いいね!私は・・・」
秀一「僕は、蕎麦にしよかな・・・」
ひな「秀一、だいたいうどんか、蕎麦だよね!」
ひな「美味しいから、私も好きだな~・・・」
秀一「(おっ、ひなからの好き、いただいたで!)」
タカシ「(まあ、大学なのに年中、着流しで来るやつそうそういないからな・・・)」
タカシ「(歳のわりに着こなして、似合ってるのは羨ましいけどな・・・!)」
ひな「(服装自由とはいえ、誰も秀一に突っ込まないのすごいなあ・・・)」
ひな「(まあ、似合ってるけどね)」
秀一「ひなは、なんにするんや?」
ひな「私は、うどん定食にしよっかな~」
ひな「ダイエットしてるけど、やっぱ麺類とかガッツリしたもの食べたいな・・・」
タカシ「え、ひな、ダイエットしてるの? 元から細いのに、なんで?」
秀一「せや、そんなんせんと、節度を守ってある程度食べなアカンで」
ひな「実は、さ・・・」
  ひなは、ゆっくりと話し始めた。

〇通学路
  私が、何日か前に帰ろうとしていたとき・・・
  何だか、男の人の声と、女の子の泣く声が聞こえて・・・
  怖くなって、電柱に隠れたんだよね。
龍貴「・・・悪いが、別れてくれ・・・!」
恵美「な、何で・・・?」
恵美「他に、好きな人でもできたの・・・?」
龍貴「ああ・・・それに・・・」
龍貴「お前・・・、最近太ってきたじゃん・・・?」
龍貴「その・・・女として、見れないというか・・・」
恵美「っ・・・!」
恵美「・・・もう、いい・・・」
龍貴「・・・ごめん、じゃあ・・・」
ひな「ちょっと! 見た目で判断するの良くないよ!」
龍貴「うわ、何だよ・・・ってええ!」
龍貴「か、かわいい・・・!」
ひな「他に好きな人ができた、という割に・・・すぐ目移りするんですね」
龍貴「だ・・・そりゃ、俺の自由だろ!?」
ひな「最低・・・それに、あなたのことなんて・・・」
ひな「ミジンコの毛先ほども、興味無いので!!」
龍貴「っ、てめえ・・・黙って聞いてりゃよお・・・!」
恵美「あ、危ない!避け・・・」
  私は、彼の拳を受け止め・・・
  カウンターを食らわせる。
ひな「あ・・・どうしよ、一発で伸びちゃった・・・」
恵美「あ、あの・・・」
ひな「ごめんなさい、勝手に割って入って・・・」
恵美「あ、いや、むしろスッキリした、というか・・・」
ひな「私・・・、実は中学と高校、すごく太ってて・・・馬鹿にされてきました」
恵美「(こんな、細い子でもそんな時期が・・・!)」
ひな「地道なことの繰り返しをしただけで・・・周りは見る目を変えたんです」
ひな「そんな感じが嫌で・・・ でも、友達二人はそんな目で見なくて・・・」
恵美「そう、なんだ・・・」
恵美「(スタイルのいい子・・・確か、男の子二人といつもいるよね・・・)」
ひな「あ・・・すみません、勝手に・・・」
恵美「・・・ううん」
恵美「元気、ちょっと出ました。ありがとう」
恵美「それにあなた、すごく・・・」
恵美「かっこよかった・・・!」
ひな「えっ、ほんとですか?何だか嬉しいような、恥ずかしいような・・・」
  私たちは、それから喋りながら帰った。
  ちなみに、その女性がうちの大学の先輩だと知った。

〇学食
タカシ「そんなことが、あったのか・・・」
ひな「でも、先輩・・・ゆうほど太ってないし、むしろ昔の私のが太ってたよ?」
秀一「痩せ過ぎもあれやし、僕は程よいくらいが一番好きやな」
秀一「まあ、健康的な方がいいと思うけどねえ」
タカシ「そうだよ!それに、俺は、友達でも好きな人でも体型とかで決めつけたくないな」
ひな「先輩、痩せるためにその日から頑張ってるみたいだからさ・・・」
ひな「私も頑張りたいな、って思ったよ!」
秀一「(あー、そういうとこも好きや・・・)」
タカシ「お、俺も痩せようかなあ・・・」
ひな「え、タカシ普通くらいじゃん。どうしたの?」
タカシ「いやー、お腹が・・・な、軽くスライムみたいにぷよぷよ、だからさ・・・」
ひな「え、前からそんなだったよ?」
タカシ「ガーン!」
秀一「僕らはそんなんで見いへんし・・・その先輩、上手く行ったらええなあ」
ひな「そうだね、あれ、タカシ?」
  タカシが元気になるまで、しばらく時間がかかった・・・

〇神社の本殿
  そんなこんなで、はや一年が経とうとしている。そして・・・
ひな「あけまして、おめでとー!」
タカシ「おー!おめでとー!」
秀一「おめでとさーん」
秀一「(去年もわりとチャンスやったんにアカンかった・・・今年こそ・・・!)」
タカシ「(結局、皆と過ごして変わらない年だったけど、これなら三角関係?も悪くないなあ・・・)」
秀一「ひな、毎年振り袖やけどよく似合ってるわ」
ひな「あー、ありがと!でも、これね。叔母が毎年張り切っちゃうの」
タカシ「あー、叔母さんとこ、男の子ばっかりだからなあ」
タカシ「というか、ひなと秀一並んだらぴったりだなあ」
タカシ「仲良し和装カップル!的な・・・」
ひな「な、なに言ってるのよタカシ!そんなんじゃないってば、秀一にも選ぶ権利はあるんだから・・・」
秀一「せ、せや!でも、ひながええんやったら・・・ (タカシ、ナイスアシスト・・・!)」
タカシ「んじゃ、俺は何になるんだろ?付き人? カメラ係?(笑)」
秀一「ペットくらいにしたるわ、なあ、ひな?」
ひな「あー、それならポメきちが良いなあ~」
タカシ「ぐふっ・・・ (ペットに負ける俺・・・!)」
「あれ?ひなちゃん?」
ひな「えっ、この声・・・」
ひな「もしかして、先輩?」
恵美「お久しぶり?覚えてる、かな?」
ひな「おお、先輩!ダイエット成功ですね!」
恵美「何とかね!でも・・・」
恵美「痩せた私を見た元カレが、ヨリを戻したい、酷いこと言ってごめん、って・・・」
ひな「あー・・・相変わらずですね、葬りました?」
恵美「ええ!ひなちゃんにも見せたかったなあ、綺麗なアッパー・・・決まったのよ?」
ひな「凄いじゃないですか!見たかったなあ・・・」
恵美「そしてなんと、そのアッパーを見たサークルの人からお誘いがあって・・・」
恵美「今度、大会があるんだ!」
ひな「すごいなあ先輩、もう雲の上の存在というか・・・」
恵美「そんなことないよ、それに・・・」
恵美「ひなちゃんがいなかったら私、ここまで来れなかった・・・だから、ありがとう」
ひな「せ、先輩・・・」
恵美「今度、この日程で大会があるから・・・」
  見に来てくれると嬉しいな、と素敵な笑顔で去っていった・・・
秀一「(いや・・・なんや、すごいなあ)」
タカシ「(俺は空気!俺は空気!ふぁー!)」
  先輩は、ぐんと成長して・・・ひなたちの前に現れた。さて、彼らは・・・

〇体育館の中
  大会当日・・・
  何だかんだ、3人で応援に行った。
ひな「すごいすごい!先輩、圧勝・・・!」
タカシ「たしかにすごいな・・・ (男として、不甲斐なし・・・!)」
秀一「(ひなになんかするやつくらいは、僕がいてこましたるで)」
秀一「てかあの人、いうほど太ってたんか?」
ひな「ううん、ぽちゃっとしてるくらいで可愛らしい人だったけど、元カレがね・・・」
タカシ「まあ、嫌なこともあったけど・・・その嫌なことを昇華させた先輩すごいね!」
タカシ「それも、きっかけがひなで・・・感慨深いなあ・・・」
ひな「ほんとにそれ!・・・すごいなあ、先輩・・・」
秀一「(何やあいつ・・・娘の成長見守る父の図やん)」
  アナウンス
  『さあ、いよいよ最終決戦!勝利の女神が微笑むのはどちらだー!!』
ひな「もう、決勝!?」
  アナウンス『期待の新星、月乃 恵美!元々太っていたとは思えない引き締まったボディに、力強いアッパーが魅力的だー!』
  アナウンス『対するは・・・何度も優勝したベテラン、バズビーズチェアに座らせるほどの相手は暴力の限りを尽くす!』
秀一「なんや物騒やなあ・・・」
  アナウンス『が、モットーの海王 なみ!女性でありながら、海王のような力強さのある技の数々・・・』
ひな「せ、先輩・・・」
タカシ「き、きっと勝つよ!信じよう!」
  そして、ゴングとともに最終決戦の幕が上がる・・・!

〇体育館の中
海王 なみ「ふふっ・・・お手柔らかにどうぞ?」
恵美「よ、よろしくお願いします・・・!」
  試合開始とともに・・・
  見えない速さで、海王の拳が迫る!
恵美「わっ、危な・・・!」
  間一髪、恵美の左頬を掠めただけだが、他の選手とは桁違いの威力だった。
海王 なみ「これくらい避けていただかないと・・・」
海王 なみ「でも、始めたばかりで避けたのは素晴らしいですよ」
恵美「あ、ありがとうございます・・・」
海王 なみ「ならば、これをどう・・・ぞっ!」
  華奢な体から、どうしたらこんな力が出るのか・・・というくらいの、右ストレート・・・!
  恵美は、避ける暇がなく受けるも、猛攻は続く・・・!
恵美「(だめ・・・反撃の隙がない・・・!)」
海王 なみ「受けてばかりでは、私を倒せませんよ?」
恵美「(どうしよう、どうしたら・・・)」
  最小限にしつつも、受け続けるのは大変だった・・・
  やっぱり・・・駄目なのか。
  
  諦めかけた、その時・・・
ひな「先輩! 大丈夫! あれだけ、脂肪を燃やせた先輩なら!」
恵美「(ひ、ひなちゃん・・・!?)」
ひな「私は知ってる。 なりたい自分になるために、努力できて私達の前に現れた先輩!」
ひな「きっと、大丈夫ですから・・・!」
海王 なみ「(な・・・同性からの、応援・・・ですって!?)」
海王 なみ「(私ですら、一度も受けたことがありませんのに・・・!!)」
  何故か海王が呆然とし・・・
恵美「(チャ・・・チャンス?でも卑怯じゃない・・・?)」
恵美「あの・・・海王、さん?」
海王 なみ「・・・」
恵美「・・・てやっ」
  恵美は、頭上から右手を軽くおろした・・・
海王 なみ「か・・・はっ・・・」
恵美「え、そんな大技じゃないですよ・・・?」
  アナウンス『海王どうしたことかー!?今日は、調子が悪いのか!?呆気なくダウン!』
  アナウンス『今から10のカウントで、起き上がれなかった場合、恵美選手の勝利となります!!1,2,3・・・』
  カウントが始まっても、全く起き上がらずそれどころかピクピク、と震え・・・
  アナウンス『10!起き上がりません!よって勝者・・・恵美選手!』
恵美「え、私・・・勝っちゃった!?」

〇体育館の中
海王 なみ「・・・私の、負けね・・・」
恵美「あ、海王さん・・・」
海王 なみ「私・・・恥ずかしながら、同性からの声援って無くて・・・羨ましかったの・・・」
海王 なみ「私ってほら・・・高嶺の花でしょう?」
恵美「はぁ・・・なるほど・・・」
  良いのよ、孤高の戦士でいるから・・・と悲しげに去っていった・・・
ひな「先輩、おめでとう!すごかったです!」
恵美「あら、ひなちゃん。ありがとうね!」
恵美「私、ひなちゃんのおかげで、この世界に飛び込めた・・・その・・・」
恵美「また、何処か一緒に行く友達としてその・・・」
恵美「つ、付き合ってほしいな、なんて・・・」
ひな「!!」
ひな「もちろんですよ、どこへでもお供します!」
恵美「や、やった!」
  二人の世界?が出来上がり・・・
秀一「(こ、公衆の面前で告白なんて・・・見かけによらず結構肝据わっとるなあ)」
タカシ「(まあ、確かにどん底救われたら惚れるわな・・・)」
タカシ「(てことは、俺は秀一とくっつく?のか?)」
タカシ「なあ、秀一・・・」
秀一「なんや、タカシ・・・」
秀一「こっちは傷心中なんに、お前はそこまでやないみたいやな・・・」
タカシ「ま、まあ・・・俺たちはこれからも友達・・・だよな?」
秀一「?何ゆうてんねん、当たり前やろ」
タカシ「(おっ、お友達ルートで行けそう!)」
ポメきち「キャン!」
タカシ「ぽ、ポメきち!どうしてここに・・・」
  ポメきちは、俺たちの方へ少しだけ寄ったかと思えば・・・
  すぐ、ひなたちのとこへいった。
ポメきち「へっ、へっ」
ひな「あれ?ポメきちがいる!」
恵美「知り合い?」
ひな「友達の家の犬なんですけど・・・ こら、くすぐったいなあもう!」
恵美「わあ、私の手もペロペロされた! 可愛いわね・・・」
  何だかんだ、ポメきちがVIPだった・・・
ポメきち「ワフッ!」
タカシ「俺・・・来世はかわいい犬になって、女の子に可愛がってもらいたい!!」
秀一「奇遇やな、タカシ。 僕も愛玩動物になりたいわ」
  END

コメント

  • いい意味でまんまと裏切られました!ポメきちとの三角関係かと予想してたらそうきましたか。一年中着流し姿の秀一も渋いけど、正月までアロハシャツのタカシもなかなかのこだわり屋さんですね。独特の空気感がある3人+ポメきちのグループはこれからも存続してほしいなあ。

  • 私自身も、このタイトルのようなことを考えたことがあります。三点が全て結びついてこそ三角形と言うんやろ、と。
    言葉足らず、誤解、妄想、暴走、どれも若さの産物ですよね。若々しさに溢れる気持ちのいい恋愛模様ですね。

  • 裏切られてとても心地よいです! 同性愛、異性愛とか縛らずに、人が人を好きになることがどれだけ素敵なことなのかを体感させてくれるストーリーでした。

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