第二話(脚本)
〇謁見の間
レティシアは、骨折した(していないが)
テグリスの看病係りとして城へ招待された
レティシア「まあ~~」
レティシア「ステキなステンドグラス...ふふっ♪」
テグリス「・・・」
テグリス「・・・ふふっ」
ヨル「いやぁすまない、着替えるのに遅くなった」
ヨル「見たところ、テグリスは全治...」
ヨル「ぜんちぃ...」
ヨル「はっ半年だ!」
レティシア「はっ半年? ? ? !」
ヨル(お、大げさだったか...?)
ヨル「いやっ...!」
ヨル「さ、三ヶ月...だ!」
レティシア「三ヶ月...!」
レティシア「テグリスさん、本当にっホントにっ」
レティシア「ごめんなさいっ....」
テグリス「・・・っ」
ヨル「まあ、治るまででなくてもいいが」
テグリス「殿下、少々大雑把すぎでは?(激怒)」
ヨル「そ、そんな怒るでない...」
ヨル「ああっ!痛むのだな!」
ヨル「気が利かず、もう部屋に戻れ」
ヨル「娘、そなたもテグリスに付いててやれ」
レティシア「はっはい!」
〇宮殿の部屋
レティシア「わあ~大きいベッド!」
レティシア「あ!ここは日差しの入りが抜群ですね!」
テグリス「・・・おい」
レティシア「さてと、」
レティシア「何か...わたしに できることはありますか?」
テグリス「・・・」
テグリス「十分だ」
レティシア「え?」
テグリス「今までは、俺がそなたに会いに行っていた」
テグリス「しかし今は、そなたが俺の床にきている」
テグリス「十分だ」
レティシア「そんなっ、テグリスさんは 小さなことに満足すぎです!」
レティシア「もっとわがままでもいいと思います!」
レティシア「わたしにできることなら、協力しますから」
テグリス「・・・」
テグリス「・・・では、」
レティシア「今はお怪我されているんですから、 安静にしていてください!」
レティシア「ほんと、不便な思いをさせて、 ごめんなさい...」
テグリス「っ...」
レティシア「きゃっ...!」
テグリスは、レティシアの両手首を掴み、
上に挙げて、バンザイさせた
テグリス「そなたに、謝られると、胸が苦しい...」
テグリス「もう、謝るな」
テグリス「この通り、腕は動く」
テグリス「骨折していない」
テグリス「殿下の冗談に、耳を貸すな」
レティシア「・・・」
レティシア「よかったあ~~~」
テグリス「・・・っ?」
レティシア「骨折したって思ってたので」
レティシア「何ともないならよか...」
レティシア「っ...」
テグリス(俺は、寂しい)
テグリス(怪我ではないと知ったら 城から出ていかれるだろ...?)
テグリス(このまま、ここで...っ)
テグリス「もっと、」
テグリス「わがままになっても良いというから・・・」
テグリス「・・・っ」
テグリス「殿下の冗談を、受け入れないのも悪いだろ」
テグリス「そなたがここに居てくれるための 口実ができた」
テグリス「すまないが、骨折したという仮説は 誠(まこと)にしてくれるか?」
テグリス「看病係、なのだろ?」
レティシア「え・・・」
レティシア「いま・・・」
レティシア「テグリスさんから」
レティシア「キスを・・・」
レティシア「はっえ、うん?へ?」
レティシア「えええええーーー! ? ! ? ?」
〇華やかな裏庭
ヨル「テグリス、今頃喜んでいるやもな」
ヨル「ん?」
掃除婦「はあ~テグリス様ったら、まぁ~た」
ヨル「精が出るな」
掃除婦「あれまあ!殿下!」
掃除婦「いか用でございましょうか?」
ヨル「何も無い」
ヨル「その粗大ゴミ・・・」
掃除婦「ああこれですか、テグリスさんのです」
掃除婦「ゴミの分別をするよう お伝えしてるんですけど」
掃除婦「何度伝えても、燃えるゴミやら燃えないゴミやら、電球やらをぜ~~~んぶひと袋にまとめて捨てるんですよお~」
ヨル「はははははっ」
ヨル「忙(せわ)しないやつだ」
掃除婦「笑い話じゃないんですよ...」
掃除婦「よっこいしょっと」
ヨル「手伝うぞ」
ヨル「先日、腰を痛めたろ、休め」
掃除婦「えええ、殿下!」
ヨル「っしょと」
掃除婦「男前なのに世話人にも気遣うなんて」
掃除婦「なんっていい男!」