〇SHIBUYA SKY
　　ビターバレー渋谷
　　この地にはいつからか、三人の実力者が集っていた

〇道玄坂
　　西の実力者、坂田道玄（さかたどうげん）

〇宮益坂
　　東の実力者、宮益坂次郎（みやますはんじろう）

〇センター街
　　北の実力者、千田街（せんたがい）

〇SHIBUYA SKY
　　渋谷の地は永き間、この三者の危うい力のバランスの元に置かれていた──

〇道玄坂
化村 文(かむら あや)「道玄様、お訊ねしたい事が」
坂田 道玄(さかた どうげん)「文か 申してみよ」
化村 文(かむら あや)「我ら西の勢力はすでに圧倒的な力を有しております」

〇渋谷マークシティ
化村 文(かむら あや)「道玄様の居城、マークシティ」

〇SHIBUYA109
化村 文(かむら あや)「さらに決戦兵器、巨砲109」

〇道玄坂
化村 文(かむら あや)「これだけの戦力を有していながら、なぜ未だ渋谷の地を平定なさらないのですか？」
坂田 道玄(さかた どうげん)「文よ、お前は賢いが── やはりまだ若いな」
坂田 道玄(さかた どうげん)「この渋谷で最も高い建造物は何だ」
化村 文(かむら あや)「それは──」

〇渋谷スクランブルスクエア
坂田 道玄(さかた どうげん)「そう、宮益の領地にある スクランブルスクエアだ」

〇SHIBUYA SKY
坂田 道玄(さかた どうげん)「しかもその頂にあるSHIBUYA SKYからは この渋谷を一望のもと見渡せる」

〇道玄坂
坂田 道玄(さかた どうげん)「奴は今も遥か高みから我々を見下ろしているだろう」
化村 文(かむら あや)「──ッ！」

〇渋谷駅前
坂田 道玄(さかた どうげん)「さらに千田の居城QFRONT」
坂田 道玄(さかた どうげん)「その横にそびえるのは何だ？」
化村 文(かむら あや)「MAGNET by SHIBUYA109──」
坂田 道玄(さかた どうげん)「これがかつて何と呼ばれていたか忘れたか」
化村 文(かむら あや)「・・・109-②（キューツー）！」
坂田 道玄(さかた どうげん)「そう、あれは我が巨砲109の兄弟」
坂田 道玄(さかた どうげん)「勝るとも劣らぬ力を持つというわけだ」

〇道玄坂
坂田 道玄(さかた どうげん)「確かに我が勢力は強大」
坂田 道玄(さかた どうげん)「だがお前が思うほどこの渋谷の地は容易くはないのだよ」
化村 文(かむら あや)「──失礼致しました 差し出がましい事を」
坂田 道玄(さかた どうげん)「よい しかし珍しいな 冷静なお前が事を急くとは」
坂田 道玄(さかた どうげん)「何か気になる事でも？」
化村 文(かむら あや)「はい──私のシアターコクーンが鳴動しております」
化村 文(かむら あや)「100年に一度の大変革が訪れると──」

〇宮益坂
パーク 宮下(パーク みやした)「宮益様、お話が」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「何だい宮下？改まって」
パーク 宮下(パーク みやした)「宮益様のお力は今や渋谷随一」

〇渋谷ヒカリエ
パーク 宮下(パーク みやした)「宮益様の居城ヒカリエに加え」

〇渋谷スクランブルスクエア
パーク 宮下(パーク みやした)「天にも届く巨塔スクランブルスクエア」

〇宮益坂
パーク 宮下(パーク みやした)「渋谷統一を目指す頃合いでは？」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「確かに僕ら東の勢力は強大だ」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「でも道玄の領地にはマークシティや109だけじゃない」

〇東急百貨店
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「東急百貨店本店だってある」

〇東急ハンズ渋谷店
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「さらに千田の領地の程近くには東急ハンズが」

〇宮益坂
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「彼らは無限の武器庫を備えているも同然」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「迂闊に事を起こすわけにはいかないよ」
パーク 宮下(パーク みやした)「──さすがのご慧眼 年寄りの戯言でしたな」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「いいんだ それに君の言う事も一理ある」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「見てごらん、このシアターオーブの輝きを」
パーク 宮下(パーク みやした)「これは!?」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「オーブが告げている、100年に一度の大変革が近いと」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「あまり事を荒立てたくはないが、その時が近いのかもしれない──」

〇センター街
公園 トーリ(きみぞの トーリ)「どうしたんだい千田 楽しそうだね」
千田 街(せんた がい)「あぁ、デカい嵐の予感がするぜ」
千田 街(せんた がい)「渋谷らしいヒリついた空気がようやく戻ってくるかと思うと待ちきれねぇ」
公園 トーリ(きみぞの トーリ)「ずいぶん物騒な話だけど」
公園 トーリ(きみぞの トーリ)「今すぐ暴れ出さないなんて意外だね」
千田 街(せんた がい)「俺も道玄と宮益の両方を同時に相手取るほどバカじゃねぇよ」
千田 街(せんた がい)「奴らが互いに気を取られている隙に横から突く」
千田 街(せんた がい)「それが賢いやり方ってもんだろ？」
公園 トーリ(きみぞの トーリ)「全く── 君のそういう所、ホント恐いよ」
千田 街(せんた がい)「ヘッ、とは言えやっぱ待ちきれねぇぜ！」
千田 街(せんた がい)「100年に一度の嵐がよォ！」

〇SHIBUYA SKY
　　100年に一度の大変革
　　その時は静かに、しかし着実に渋谷の地に迫っていた──

〇道玄坂
化村 文(かむら あや)「道玄様！大変です！」
化村 文(かむら あや)「東横のれん街が、マークシティを出て宮益のヒカリエに移ると──！」
坂田 道玄(さかた どうげん)「奴らは元々宮益の領地から我が居城に移ってきた」
坂田 道玄(さかた どうげん)「再び宮益の元へ戻るも必然か──」
化村 文(かむら あや)「それだけではありません」
化村 文(かむら あや)「ヒカリエデッキが開通して東からこちらへの侵攻が容易に──」
坂田 道玄(さかた どうげん)「来るか宮益──！」

〇宮益坂
パーク 宮下(パーク みやした)「宮益様！宮益様！」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「どうした？」
パーク 宮下(パーク みやした)「道玄の方に動きが！」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「ついに来るか──」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「道玄の新たな脅威フクラスも無視できない力に育っている」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「やりたくはないが──」
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「動くなら今！」

〇センター街
千田 街(せんた がい)「来たぜ来たぜ嵐がよォ！」
公園 トーリ(きみぞの トーリ)「そうみたいだね」
千田 街(せんた がい)「忘れたとは言わせねぇ、張り詰めた渋谷の空気を」
千田 街(せんた がい)「久々に暴れるぜ！」

〇道玄坂
坂田 道玄(さかた どうげん)「行くぞ！」

〇宮益坂
宮益 坂次郎(みやます はんじろう)「いざ、決戦の地」

〇センター街