家族の秘密~四角関係~

moyushi

焼肉!(脚本)

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〇おしゃれなリビングダイニング
母「お兄ちゃん、醤油使う?」
タカシ「ん。ありがと。ミホ、今日部活あんの?」
ミホ「えっとね~今日は先生が用事があるって言ってなくなったんだった!お兄ちゃん思い出させてくれてありがと!」
ミホ「そうだ、お父さん今日夜ごはん外に食べにいかない?」
父「そうだなぁ。たまにはいいかと思うけど、ママはどうかな?」
母「お兄ちゃんも今日早いの?皆行けるんならアリかもね~」
タカシ「今日は塾無い!よっしゃ焼肉!」
タカシ「(こんな普通の家族の会話、誰が見てもおかしくない。一般的、もしくは少し仲のいい褒められるべき家族像だろう。)」
タカシ「(俺が)」
ミホ「(私が)」
父「(私が)」
母「(私が)」
タカシ「(ミホを)」
ミホ「(お父さんを)」
父「(ママを)」
母「(お兄ちゃんを)」
「四人(好きだってことを除けば。)」
父「(・・・・・・お父さんはママが好きなだけだからね!?普通だからね!?)」

〇街中の道路
ミホ「(今日は焼肉!お父さんと外にご飯食べにいくの久しぶりだな~。お父さんのお肉いっぱい焼いてあげよ!)」
ミホ「(あ、でもお父さん最近お腹周りのこと気にしてたからあんまり食べないのかな?少し太ったくらい全然気にしないのに。むしろ、)」
サツキ「おーいミホ!おはよ~。・・・・・・あれ?聞こえてる?」
ミホ「(っていうかお母さんお兄ちゃんのこと好きなのもっと隠しなよ!お兄ちゃんの予定ばっかり気にして。)」
ミホ「ミホ(お兄ちゃんに塾行かせてるのだって息子の将来のためとか言いながら、)」
ミホ「ミホ(頭良くさせて周りに女子が寄り付かないようにしてるの気づいてるんだからね?)」
ミホ「ミホ(母親が息子のこと好きなのとかバレたら一発アウトなのに、)」
サツキ「ミホってば!」
ミホ「うわ!サツキ、おはよ。どうしたの大声出して」
サツキ「誰かさんが気づかなかったんですぅ〜」
ミホ「嘘?ごめんごめん」
サツキ「ミホってば朝から何をそんなに考えることがあるの?」
ミホ「えへへ、実は今日、」

〇教室
タカシ「焼肉なんだー!」
ユースケ「まじかようらやま~。じゃあ今日の塾休むの?」
タカシ「当たり前じゃん!(ミホと)焼肉なのに塾行くやついる?」
ユースケ「そりゃそうだ」
タカシ「(つーか今日も父さん、母さんにラブコール送ってたな~。親同士だと普通なのか?ウチは特に父→母のラインが強い気がするけど)」

〇オフィスのフロア
父「(母さんと焼肉!母さんと焼肉!)」
社員A「おはようございます部長」
父「おはよう」
社員B「今日部長ご機嫌だよな」
社員C「あんなクールな人でもうれしい日ってあるんだな?普段何のこと考えてるんだろ」
父「(母さんのエプロン姿、もう何千回も見てるけど可愛いかったな~!)」
父「(・・・・・・それと、そろそろタカシには兄妹での恋心は禁止だと伝えなきゃいけないかもな。)」
父「(昔から何度となくそのチャンスはあったが・・・・・・いつも母さんのことを考えているうちに忘れてしまってたからな)」

〇おしゃれなリビングダイニング
母「ふぅ~、朝の洗濯終わり!一段落したし、コーヒーでも飲もうかな」
母「(それにしても、お兄ちゃん今日塾あったわよね?一緒に行ける嬉しさで知らないフリしたけど・・・・・・)」
母「(・・・・・・え?もしかしてママと一緒に行きたくて!?)」
母「いや〜〜〜ん!!」
母「(はっ!年甲斐もない声を出してしまったわ。)」
母「(それにしてもミホ、今日もお父さんのことしか見てなかったわね。あれは恋する女の目ね。若い時のワタシにそっくり)」
母「(だけどミホも目が無いわね~、こんなに近くに世界で一番カッコいいお兄ちゃんがいるのに気づかないなんて。)」
母「(それにしても、)」

〇空
「四人(今日の焼肉楽しみ〜〜!)」

コメント

  • すごく幸せそうな家庭なのに、なんだかこんがらかってますね。笑
    お父さんだけが(一応)普通な気がします。
    家族に恋心を持つと、やっかいなことになりそうです。笑

  • みんな知らないふりして、仲の良い家族を演じ続けるのが、家族みんなが幸せに暮らしていける唯一の方法ですね!笑
    きっといつかどこかで、ボロが出てしまうと思うけど…

  • 一見すると、仲のいい家族。でも、実際は…
    深入りしたら、何か起こりそうだけど誰も何も言わない。一言言ったら崩れてしまう家族の均衡。

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