異世界の話

ねこいか

旅の準備(脚本)

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〇教室
  ここは都立魔法露亜小学校──
儘「お前ら将来の役職決まった?」
香奈「うん!私は決まったよ!」
智「俺もー!」
智「儘、まだ将来の役職迷ってんのか?」
儘「うーん・・・ 迷ってる訳じゃないんだけど・・・」
智「お前なんでもできるんだからさ、 選び放題だろ?」
儘「うーん・・・」
智「何を迷ってんだ?」
儘「お前の夢は──」
智「もちろん勇者だ!」
儘「だろ?」
儘「俺はそれのサポートがしたいんだ」
「えぇっ⁈」
智「儘それ本当か⁈」
香奈「勇者のサポートって・・・ 勇者のパーティーに入りたいってこと?」
儘「そうだね」
儘「ていうか、なんでそんな驚くの?」
智「お前・・・勇者パーティーって大変なんだぞ」
儘「うん。知ってるよ」
香奈「儘、体弱いじゃない」
儘「あぁ、それなら大丈夫」
儘「それを補えるくらいの魔力持ってるから」
儘「ただ、勇者に・・・智に選ばれるか不安でね」
智「お前を選びたい気持ちは山々だけど・・・ うーん・・・」
智「じゃあ、お前の凄さ、今見せてくれよ」
儘「分かった!やってみるね」

〇教室
儘「・・・これでどう?」
智「うぉあ⁈すげー⁈」
香奈「何これ・・・!」
真矢「わーなにこれ⁈ 綺麗〜!」
永海「そうね、すごく綺麗だわ」
薫「てかこれなんなんだ?」
儘「結構頑張ってみたんだけど・・・どう?」
智「大合格だ!儘!お前すげぇな!」
香奈「儘にこんな力があるなんて・・・ 知らなかったよ」
智「あ、ちなみに香奈はヒーラーとして もうパーティーに入ってるんだ」
儘「えっ・・・ずる」
香奈「ごめんごめん 私の親がそういう家系だからさ」
儘「別に怒ってないよ」
  こら─!!
橘先生「誰ですか、なんか・・・凄いことした人ー!」
  ざわざわ
智「やばっ、橘先生じゃん」
儘「ごめん、俺が結構目立つ事したせいで・・・」
智「いや、俺のせいでもある」
橘先生「先生怒らないから、早くでてこーい」
智「うげ、先生絶対怒るじゃん」
香奈「とにかく儘、これ今すぐ元に戻せる?」
儘「ちょっと待ってね」

〇教室
儘「・・・はい」
香奈「先生にはバレてないと思うけど・・・」
智「バレても大丈夫だろ! 休み時間だし・・・」
儘「そういう問題か?」
薫「おっ、治った」
永海「びっくりしたけど、 もう少し見ていたかったわね・・・」
真矢「そうだねー」
真矢「てか、誰がこんな凄いことしたんだろうね?」
永海「私にはさっぱりだわ・・・ こんなことできる人、 大分限られているとは思うけど・・・」
永海「後で先生方が調べるのかしら?」
真矢「探偵さんくるかな? ちょっとわくわくしてきたかも!」
永海「危険人物の犯行の可能性もあるから、 気をつけなさいよ、真矢」
真矢「はーい! 永海ちゃん、お母さんみたいだね!」
永海「えぇ・・・私が? そういえば──」
薫「・・・」
智「──だよなー!」
智「あっ!そういえば!」
智「儘!さっきの件さ、俺のせいにすんなよ!」
儘「あはは 俺が智に罪をなすりつけるかもって?」
智「俺だって何回も怒られてきたけど、 好きで怒られたことはないからな!」
儘「大丈夫だよ!怒られる時は一緒だから!」
智「結局俺怒られるのかよ!」
薫「・・・なあ」
儘「ん、どうしたの?」
薫「お前らだろ、さっきの」
「えっ」
智「なっなんのこ、ことかナァ」
儘「智、嘘が下手すぎるよ・・・」
智「うっ・・・」
儘「そうだね、俺がやった」
薫「えっお前なの⁈」
智「そうだぜ!儘があれ全部やったんだ!」
儘「なんで智が自慢げなの・・・」
智「仲間の凄いとこは自慢したいだろ!」
儘「・・・うん、ありがと・・・」
薫「へー!お前凄いやつだったんだな! てっきり智がまたやらかしたのかと・・・」
智「「またやらかした」ってなんだよ」
薫「冗談だよ、冗談!」
智「・・・」
橘先生「へぇ・・・さっきの、 儘だったんだねぇ・・・」
儘「橘先生・・・」
智「せっ先生!盗み聞きはよくねぇぞ!」
橘先生「怒らないから大丈夫だよ ただ儘、ちょっと校長室に来てくれ」
儘「はい・・・」
智「先生!俺も!俺も行く!」
橘先生「あぁ、分かった 次の授業は出なくていいから」
「よっしゃ」

〇おしゃれな居間
  ──校長室
儘「・・・失礼します」
校長先生「どうぞ」
校長先生「そんな暗い顔するなよー とりあえず座って」
校長先生「で、どうしてこの場に呼ばれたか・・・ わかるよね?」
儘「僕が雲と魔法ホタルを呼び出したからです・・・」
校長先生「うーん・・・まぁ、それもそうなんだけどさ ・・・智」
智「はっ、はい!」
校長先生「儘は勇者パーティーに入れるつもり?」
智「・・・?はい」
校長先生「これで勇者パーティーが 3人揃ったことになるよね」
校長先生「だから・・・」
校長先生「君たちに冒険にでてもらおうと思って」
儘「校長先生!いくらなんでも、 それは早いんじゃ・・・」
智「いいじゃん!儘! 経験積むなら早い方がいいだろ!」
校長先生「大丈夫だよ、最初の間は僕が見守ってるから」
校長先生「では、早速冒険の準備をしてもらうから、 香奈も呼んできなさい」
智「分かったぜ!校長先生!」
儘「あっ、待ってよ智!」
校長先生「儘」
校長先生「現状、あのパーティーで1番強いのはお前だ しっかり頼むよ」
儘「・・・はい!」
校長先生「いやぁ、若いっていいねぇ橘くん?」
橘先生「気づいてたんですか」
校長先生「これくらい気付けなきゃ、 生徒を守れないからね!」
橘先生「それに、貴方も十分若いでしょう・・・」
校長先生「ふふふ、子供に比べたら全然だよ」
校長先生「ほら、早くあの子達の準備をしてあげな?」

コメント

  • 校長先生には儘の力はお見通しだったんですね。橘先生の赤い髪もかっこいい。ヒーラーとして香奈がどんな役目を果たすのかも気になります。

  • 能力があっても自慢げにしないところがクールでいいですね!
    私ならもうすぐに見せびらかしたい性格なので笑
    この後の展開も楽しみにしています!

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