黄昏れ時のリフレイン

天馬流星

エピソード5 作戦開始前夜(脚本)

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天馬流星

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〇ボクシングジム
リスグラシュー「準備は、よろしくて?ケント。 では、私も変身します。一瞬、目を瞑ってくださいね。 変身!!」
子安ケント戦闘スーツ「あれ?一瞬、何か見えた様な気が」
リスグラシュー「お黙りなさい! 目を瞑ってと言ったのに! これから、お仕置きですわね。 行くわよ!」
  ──ラウンド1 ファイト!
  リスグラシューは、一足で、ケントの間合いを詰め、旋風脚を放った!
リスグラシュー「ヤァ!」
子安ケント戦闘スーツ「うおっと!いきなり旋風脚か! これは、驚いた!」
  バック中で、後回転し、旋風脚の攻撃をはずすケント。
  ─着地すると同時にリスグラシューは双刀掌をケントの胸に向かって放つ!
子安ケント戦闘スーツ「フ!スピードは凄いけど、技が真っ直ぐ過ぎる。戦闘には、駆け引きが重要だよ!」
  ──リスの両腕を掴むケント。
子安ケント戦闘スーツ「八極拳は、超短距離戦を得意としているんだ。スーツを着ていても、闘い方が生かされるてことだね!このまま押し倒すよ!」
リスグラシュー「甘いわね!」
  !!ふわりと、宙に舞うケント。
  さっきまで、両手を握ったまま、押し倒して打撃を与えず倒すつもりだったのが、逆に倒された
子安ケント戦闘スーツ「な!?こ、これは?! もしかして、合気か? リスグラシューさんが学んだのは、中華武術では無いのか?」
リスグラシュー「武術に加えて、合気道も学んだのよ。脳内チップとスーツにダブルダウンロードしてね。これで、正しい動きをトレースしてくれるの」
子安ケント戦闘スーツ「そんなことが、簡単にできるんだ。それなら、尚更、マイナーな技を使った方が、良さそうだ」
リスグラシュー「更に、武術家にとって、相手の次の動きを予測するシミュレーションも同時に行なってるわ」
子安ケント戦闘スーツ「なるほど。そうなると、大切なのは脳内処理のオーバーフローに気をつけることだ。短期決戦にしか、対応できないはず!」
子安ケント戦闘スーツ「違うかい?」
リスグラシュー「ふう。流石ね。 そう、短時間なら、格闘技素人の私でも、ある程度対処できるけど、15分以上は、どこまで持つかわからないの」
子安ケント戦闘スーツ「そうか。今回は、俺が一本取られたということで、2本目をやりたいんだけど、大丈夫かい?」
リスグラシュー「私も、まだ試せていない技と気での攻撃を試したいの。もう少し、お互い頑張りましょう」
子安ケント戦闘スーツ「OKだ。それなら、もう少し、俺もスーツに慣れておきたいから、よろしくお願いします!」

〇ボクシングジム
子安ケント戦闘スーツ「ハアハア・・・。 だいぶスーツの使い方は慣れてきたけど 流石に体力的に限界だな。 リスグラシューさんは大丈夫かい?」
リスグラシュー「ハア、ハア。 わ、私もしばらくは動けません。 1人稽古より、組手の方が、参考になる事が多いわね。実感したわ」
子安ケント戦闘スーツ「了解です。今日のトレーニングは、これまでにしよう。  しかし、明日までに疲労が抜けるか心配だな」
リスグラシュー「それについては問題ありませんわ。 この船のメディテーションルームで、1時間、オーラヒーリングを受ければ、ほぼ回復します」
子安ケント戦闘スーツ「へー!それは凄いな。それもムーの科学か」
リスグラシュー「今の貴方達は、自然の宿す力と科学と化学は、離れたところにあると捉えてるかもしれないけど、仕組みさえ解明できれば」
リスグラシュー「自然も科学もほぼ同じところにあるのよ。だから、ムートロンも気もプラーナもオドも同じ様に扱うことができるの」
子安ケント戦闘スーツ「じゃあ、魔術や魔法と呼ばれるものも、科学的に扱えるということ?」
リスグラシュー「和達も全ての事象を把握できてるわけではないわ。当時も研究中の案件は沢山ありました。魔法については、そうね。例えば」
子安ケント戦闘スーツ「うあ!水が空間から突然出てきた!」
リスグラシュー「これは、空中の水分から、水だけを抽出する命令をこの空間の分子に命令しただけ。 これに別次元からもっと水を持ってくると!」
リスグラシュー「こんな風にウォータードラゴンを一瞬、召喚したように見せることもできるわ。コツと慣れが必要だけど」
子安ケント戦闘スーツ「凄い!リスグラシューさんが魔法を使えるなら、スーツ着て接近戦をやるより、遠隔で魔法でサポートしてくれた方が良いのでは?」
子安ケント戦闘スーツ「絶対その方が良いですよ!非常に心強いです。もしもの接近戦は任せてください。もちろん、いざという時には変身してください」
リスグラシュー「そ、そうね。私には私なりの闘い方があるのかもしれないわね。ありがとうケント。 ベガは、私達のお願いには応じてくれるけど」
リスグラシュー「新しい他の選択肢は、なかなかしてくれないの。だから、判断は、いつも私達の役目なの。結果も含めてね」
子安ケント戦闘スーツ「先日のもう1人の雷魔法を操った魔法使いは、呪文の詠唱に時間かけてたようだけど、リスグラシューさんも時間かかるの?」
リスグラシュー「簡易な魔法なら、イメージと命令するだけで一瞬で済むわ。大きなエネルギーを纏める時は、その処理に時間がかかるの」
子安ケント戦闘スーツ「なるほど。合理的だな。なんか凄いことなのに平然とやられると、驚くことばかりだよ」

〇研究所の中枢
  ──ケントとリスグラシューが組手に励んでる同時刻、ベガから報告があった模様
ベガ「シャフリヤール殿下、あれから、捕虜からの情報収集と分析結果から、彼らの目的がわかりました」
シャフリヤール「なんだって!? それで、どんな目的なんだい?」
ベガ「はい。この我々の母船を取得したい様です。催眠状態からの情報をまとめると別次元もしくは、他の時代への移動を考えているかと」
シャフリヤール「なるほど。彼等を操っている者達は、この世界の現状には満足していないようだな。それが目的なら・・・・・・、うーん」
シャフリヤール「ふむ。大変悩ましいな。彼等の組織の規模と勢力が不明のまま、敵対を続けるべきか否か。こちらには話し合いの用意があることも」
シャフリヤール「捕虜開放時に伝える必要があるな。 悪いが、ケントとリスを集めてくれ」
ベガ「かしこまりました。 ブリーフィングルームに集合してもらいます」

〇ボクシングジム
ベガ「トレーニングお疲れ様です。 シャフリヤール殿下が、お二人に話があるとのことです」
ベガ「至急、ブリーフィングルームに集合お願いします」
リスグラシュー「何かあったのかしら? シャワーを浴びたいから、30分後に変更お願いするわ。ケントもシャワー浴びたいでしょ?」
子安ケント戦闘スーツ「え?あ、ああ、もちろん。 もうヘトヘトだから、早めに寝たいんだけどなあ」
リスグラシュー「先に殿下の話を聞いてから、メディテーションルームで施術を受けて、それから寝るといいわよ」
ベガ「では、30分後に集合とお伝えしておきます」

〇近未来の会議室
シャフリヤール「やあ、2人ともトレーニングお疲れ様! 疲れているところ、急に呼び出して済まない。実は、2人に相談したいことがある」
シャフリヤール「先ず、明日の捕虜一名の解放作戦は、延期する」
子安ケント「な、なぜ急に?」
シャフリヤール「実は、捕虜からの情報で、彼等を操っている者達の目的がわかったんだ」
シャフリヤール「その内容が、この我々の母船の奪取が目的だ。現在の次元からの移動が目的らしい。別次元か過去か未来か、行きたい先は不明だが」
シャフリヤール「我々の方向性を再検討しようと思う。よって、明日の捕虜解放は、一旦延期とする」
シャフリヤール「方向性が決まれば、明後日にも決行するかもしれない。先ずは、私の提案を聞いて欲しい」
リスグラシュー「殿下。私は、意見は述べさせてもらいますが、殿下の決定に反対することはございません。信じてついていきます」
シャフリヤール「ありがとうリスグラシュー。 では、本題に入ろうか」
子安ケント「リフレインか・・・。 まあ、仕方ない。せっかくやる気になってたんだけど」
シャフリヤール「ケント、リフレインとは? どんな意味なのかな?」
子安ケント「一度やると決めたことを中断することさ。 モチベーションにも影響するから、あまり良い意味では使われないかな?」
シャフリヤール「せっかくやる気になってくれたケントには申し訳ないが、ここは慎重にいかせてほしい」
子安ケント「ただの独り言だから、気にしないで、今のシャフリの考えを聞かせて欲しい」
シャフリヤール「では、改めて。かつて、私達のムー帝国とアトランティス大陸は、敵対関係にあった。ほぼ等しい科学力を有していた」
シャフリヤール「しかし、ある事がきっかけで、地球大戦となり、最終的に私達は敗北した。が、もしかしたら、アトランティスも甚大な被害が出て」
シャフリヤール「いた可能性が高いと想定している。更に現代から遡ること、一万から二万年前の間に先に当時の人類と接触したと思われる」
シャフリヤール「今の地球文明の基礎的なものは、アトランティス由来のものがほとんどを占めているのでは?と想定してみた」
シャフリヤール「だとすると、一万年以上前からの生き残りは少数派だとしても、地球文明全体にアトランティスの直接もしくは間接的に支配されてる」
シャフリヤール「国家や組織があっても不思議ではない。敢えて言うなら、現代地球のほぼ全てがアトランティスの支配下になっている可能性がある」
シャフリヤール「少し前にケントが話してくれた貴族達、ハプスブルク家、ロックフェラー家、ロスチャイルド家やイルミナティ、フリーメーソンリー」
シャフリヤール「かつての超古代文明から、シュメールやエジプト文明への加担、そこを起源とする秘密結社たち、全てが繋がっているように思える」
シャフリヤール「その現代地球を支配下に置いてる巨大な組織に対して、多少の備えと少人数では、勝ち続けるのは難しいのでは?」
子安ケント「確かに。多勢に無勢だな。パワーバランスが違い過ぎる。その上で、どうしたいんだい?」
シャフリヤール「かつては、敵対していたが、今は、お互い少数の生き残り。不毛な争いは、できれば避けたい。そこで、彼等の目的がわかったんだ」
シャフリヤール「これは、交渉の余地があるのでは?とね。 彼らは、現代地球を支配下に置いていても現状に満足していないようだ」
シャフリヤール「よって、この地から私達の船を奪い、逃げたがっている。それなら、この船を渡すわけにはいかないが、」
シャフリヤール「彼等を目的の場所へ、送り届けるのは、どうかなと。一度では無理かもしれないが、数回に分かれば可能かもしれない」
子安ケント「なるほど!現代地球から、別次元でも過去でも未来でも、送り届ければ、今の世界で戦う必要は無くなるし、彼等も脱出できる」
子安ケント「しかし、過去に連れていき、そこで、再度、力を蓄えて、現在への影響は?また、未来に連れて行った場合、自力で戻ってくる可能性」
子安ケント「もあるんじゃないか?不安要素があるのは、事実だ」
シャフリヤール「さすがケント。理解できる範囲以上のことに対して俯瞰的に見れているな。先ず、その点は、気にしていない」
シャフリヤール「一つ目は、過去に行った場合、そこから変わる歴史パラレルワールドが産まれるだけで、そこから、直接、未来である現在にきても」
シャフリヤール「そこは、別次元の未来なので、今の我々にはリンクしない。 次に未来に行った場合、今より進化した世界で、わざわざ、脱出した」
シャフリヤール「過去に戻りたいと願うとは考えにくい。 極力、彼等の意向を汲みつつ、行きたい先に送り届けたいと思う」
シャフリヤール「そして、希望するものを連れて行くが、残留希望するものや、現代の下部組織は、移動を拒否する者がいるはず」
シャフリヤール「その者達への指揮権を私達に移譲すること。それが、彼等を希望する場所へ送り届ける交換条件とする」
子安ケント「!️それは、実質、ムー帝国の復活と世界支配の継承をするということか?」
シャフリヤール「実際には、ムー帝国の科学力の存在をどこまでオープンにするかは検討中だ。しかし、アトランティス支配下の者達には、」
シャフリヤール「力を示さねば、信用と忠義は得られないと考える。よって、全ての事がスムーズに進んだ場合、日本にムー帝国の復活を認可して」
シャフリヤール「もらい、そこから、世界の旧アトランティス支配下の者達と協力して、新しい世界構築を考えている」
子安ケント「それは凄い!これまでアトランティス文明の流れで、欧米主体で動いた世界構造が、ひっくり返り、日本とムー帝国が実質トップに!」
ベガ「以前、映画のデータベースにあった帝国の逆襲のようにムー帝国の逆襲ですわね!」
シャフリヤール「いや、戦争で、世界の構造改革をするわけじゃないんだ。逆襲という言葉は妥当じゃないな。ムー帝国の復活くらいは宣言したいが」
子安ケント「あ!一つ思いついた。実は、100年くらい前から、未来に向けてコールドスリープ状態の人達も未来へ送り届けるのはどうかな」
シャフリヤール「それは構わないが、未来で目覚める為に眠ってるんだし、敢えて送り届ける必要があるのかい?」
子安ケント「コールドスリープを維持管理する人達が暇になるだろ?この船のコールドスリープ状態から覚醒までは、AIがやってるが、」
子安ケント「現代のムー帝国の新しい基盤作りには、優秀な科学者達も必要になってくるのでは?と思っただけさ」
シャフリヤール「なるほど、確かに、今後、国として興すならば、優秀な人材は、必要不可欠だからな」
子安ケント「なんだか、ムー帝国のおかげで、日本が、日出る国と呼ばれた奇跡の国のように思えてきた」
シャフリヤール「話し合いの場をどう設定するか? その為の準備や作戦は、明日、考えよう。 今夜は、方向性が見えたきただけで良しとしよう」
子安ケント「そうだね。かなり眠くて仕方無かったけど、シャフリの提案が刺激的過ぎて、眠れなくなりそうだよw」
ベガ「それならメディテーションルームで、リラックスできるマッサージをさていただきます。ゆっくり眠れるようになりますよ」
子安ケント「それは有難いけど。また、眠れなくなることになりそうで、少し不安だな」
シャフリヤール「ケントもほどほどにな。 では、今夜は寝るとしよう。 おやすみ、みんな」

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