〇女の子の一人部屋
ネム「オフトゥン最高」
ネム「ほとんど寝て過ごしても大丈夫な国ネムミミッミに移住したい」
母「ネムー！はやく起きなさい バイトに遅れるわよ」
ネム「あーはいはいはい」
ネム「めんどくさ！」
ネム「しんぼうたまらん 移住しようそうしよう」
ネム「さらば実家」

〇空港ターミナルビル
ネム「着いた」
ネム「ここがネムミミッミ空港か」
ネム「ううっ・・・なんてすごいヒーリングミュージックなんだ」
ネム「眠くなりすぎて、もう立っていられない」
ネム「おやすみ・・・・・・」

〇空港ターミナルビル
モフ「おはよう〜見ない顔だね 移住者？」
ネム「うお！　空港で寝てたのか」
ネム「なんも盗られたりしてないよな？」
モフ「ふはは！ ネムミミッミは治安いいから心配しなくていいよ」
モフ「ネムミミッミ人は起きてる人間にも蓄財にも興味ないんだよ」
ネム「すご・・・！　日本とは大違いだね！」
モフ「あー、君日本人か！ 日本民族ってせかせかしてて貧乏根性すごいよね」
モフ「きっちりしてるのは有り難いし、旅行する分にはいいけど住むところじゃないね！」
ネム「けなされてるのか褒められてるのか」
モフ「どっちもだよ！ どんなものにもいいとこわるいとこあって当然じゃないか」
ネム「じゃあ、ネムミミッミにもわるいところがあったりするの？」
モフ「あー、よそから来たひとにとっては、一時間しか起きて行動できないのがきついかもね！」
ネム「えー、ゆっくり最高じゃん」
ネム「でさ、ネムミミッミ人は働かなくていいってホント？　移住者でも衣食住無料・・・太っ腹だね！」
モフ「ほんとほんと、働くほうがエネルギーロスなんだよ」
モフ「工場なんて止めたら金かかるからずっと動かしてるだけだし」
ネム「だろうね・・・」
モフ「無理して嫌な仕事してイライラするほうが脳から電磁波出して環境破壊起こすんだよ」
ネム「効率的な国だなあ ネムミミッミのリーダーはどんな人なんだろう？」
ネム「弟子入りしたい」
ネム「頭のいい人のもとで勉強して ゆくゆくは故郷に錦を飾りたい」
モフ「ネムミミッミのリーダーは頭が良すぎて、いつも未来語を喋るから我々平民は話についていけない」
ネム「人類やめてるのか、いいなあそういう面白い人大好き」
モフ「ネムミミッミの技術者たちは寝ているうちに新たなテクノロジーのアイデアを降ろしてそれを社会に活かすんだよ」
モフ「そうだ、ずっと喋ってて聞くの忘れてたけど、君の名前は？」
ネム「ネム！　元日本人」
モフ「僕はモフ　空港に住んでるホームレスだよ」
ネム「あれ？　家も提供されてるんじゃないの？」
モフ「あー、空港の雰囲気や景色が落ち着くの。飛行機も好き。だからここにいるの」
モフ「国から提供されているのは本当に寝る効率のためだけのカプセルハウスだからね、あんまりおもしろくない」
モフ「僕は睡眠効率を高めて、すごい発明のためのアイデアを降ろしたり、面白い夢の体験をしたいとは思わないんだ」
モフ「空港でぼーっとする方がたのしいぞ〜」
ネム「そうなの？　じゃあ私もここに住もうかな」
モフ「うれしいな　一人寝じゃなくなる」
モフ「そうか！　僕が一番欲しかったのは、君みたいな人だ！」
ネム「どうしたの急に」
モフ「ネムミミッミでは一時間しか起きていられないからね、大事なことは今のうちに伝えておかなきゃね！」
ネム「一時間しか起きていられないからこそ、充実するのか」
モフ「そんなこんなでもうすぐ一時間経ちそうだよ」
ネム「えーっ ご飯トイレ歯磨きお風呂」
モフ「大丈夫　寝てる間にも行ける！」
ネム「それって行ったことになるのか・・・？」
モフ「ネムミミッミに慣れれば慣れるほど、驚異の睡眠体験ができるよ」
モフ「楽しみにしてな！」
ネム「あっ　またものすごいヒーリングミュージックが」
ネム「もう立っていられない・・・」
モフ「ネム、夢の中で会おう！ おやすみ」
ネム「オーケーむにゃむにゃ」

〇水玉2
　　空間に感覚器官がある
　　空間生命体として旅をしている
　　君と一緒に
　　そんな夢を見ている