私の秘密(脚本)
〇おしゃれなリビングダイニング
琴葉「ただいまーっ!!」
私は小学五年生の鈴木 琴葉!
いつも幸せです!
お母さん「あ、おかえりなさい」
この人は私のお母さん!本名は鈴木 真理子
とっても優しいの
お父さん「おお、琴葉おかえり」
こっちは私のお父さん!本名は鈴木 健
こっちもとても優しいんだ!でもお母さんには敵わないかなー
琴葉「じゃあ自分の部屋行ってくる!ご飯できたら呼んで!」
お母さん「毎日あの子、部屋で何してるのかしら?」
〇女の子の一人部屋
琴葉「やっほー、私だけのパラダイス〜!」
あ、言い忘れてた!私には実は秘密があるのです
それは、超能力を使えると言うこと・・・!
自慢したいけどバレたら警察とかが来そうだから家族とか友達には秘密にしてるの
琴葉「はぁ〜〜っ・・・」
琴葉「どうしよう・・・また学校で超能力発動しかけた・・・」
琴葉「梨々ちゃんがノート貸してって言うからついテレキネシスでノート飛ばしちゃったり」
琴葉「問題の答えを言う時にテレパシーで伝えちゃったり」
琴葉「も〜・・・超能力なんてあっても全然良い事ないよぉ」
琴葉「1人でやってる分には楽しいけど。 ほら、このみかんを・・・」
琴葉「そりゃ!飛んでけっ!」
お母さん「琴葉〜、ま・・・」
お母さん「へぶっ!!」
琴葉「お母さん、大丈夫!?」
お母さん「い、いきなりみかんが飛んできたけど・・・」
琴葉「え・・・へへ・・・ちょっとみかん飛ばし遊びっていうのしてたんだぁ〜・・・」
お母さん「もうそんな危険な遊びしないで!食べ物で遊んじゃいけません!!あと、ご飯出来ましたからね!」
琴葉「はぁ〜い」
琴葉「・・・」
琴葉「危なかったー、でもギリギリセーフ 少しでも早く入ってこられたらヤバかったよ」
琴葉「とりあえずご飯食べに行かなくちゃ」
〇おしゃれなリビングダイニング
琴葉「いっただっきまぁーす!!」
琴葉(ハンバーグにマカロニサラダ〜 全部私の好きな物だ♪)
琴葉「まずはハンバーグから駆逐してやろう!」
琴葉「って、あ」
ベシャァ!!
お母さん「なに、なに!?ハンバーグが私の顔にっ」
お母さん「琴葉、またあんたね? 最近調子に乗りすぎよ!」
琴葉「え・・・あ、はい・・・」
琴葉(こ、こいつ私が子供なのをいい事に散々言いやがる・・・)
お父さん「え?琴葉、なんか言ったか?」
琴葉(しまった!またテレパシーだ)
琴葉「ううん、何も??? なーんにも?????」
お父さん「そうか。なら良いが」
琴葉(あんなことが伝わったらヤバいんだよぉお、勘弁してよ)
琴葉「もぐもぐ・・・」
琴葉(今日は調子が悪いのかな?うまくコントロール出来ない・・・)
琴葉「えっと、もうおなかいっぱい・・・ 先にご馳走様っ」
お母さん「あら、もういいの?」
琴葉「うん」
お父さん「なんか様子がおかしいな〜・・・ まあいいか」
お母さん「良くないんだけどな」
〇女の子の一人部屋
琴葉「はぁはぁ・・・」
琴葉「やっぱなんか調子悪いよー」
琴葉「あれ、猫?もー、勝手に入ってこないでよ」
琴葉「しっしっ・・・」
ミケ「ちょっと待つにゃ」
琴葉「ギャァァァァァーッッ!?」
ミケ「そ、そんにゃに驚くことないにゃ にゃーはミケ、キミに超能力を授けた張本猫にゃ」
琴葉「うるせぇええええ!黙れ化け猫ーーーーっ!!」
ミケ「お、落ち着くにゃ 別に猫が喋ることなんて普通のことにゃ」
琴葉「普通なわけあるかーい!!」
ミケ「いやいや、そんにゃらキミはネコがコミュニケーションを取らないとでも言うのかにゃ?」
琴葉「ん?」
ミケ「猫は猫同士で会話してるんだにゃ にゃーにゃー言ってるようにしか聞こえないだろうけど それは猫語だからなんだにゃ」
ミケ「キミら日本人がインド語を理解出来ないのと同じにゃ」
琴葉「はあ、そうですか・・・ ってかそうじゃなくて!猫語があるのは分かるけど猫語が通じてるのが意味わかんないの!」
ミケ「それは超能力のおかげだにゃ」
琴葉「え?そんな能力あったっけ」
ミケ「今さっき、にゃーが追加しておいたにゃ 感謝しろにゃ」
琴葉「は?」
ミケ「え?」
琴葉「よ、余計なことしないでよーっ!! もう既に超能力について悩みまくりなのに!」
ミケ「それは知ってるにゃ でもあった方が便利かなーって」
琴葉「便利なわけあるかい!!出てけーっ、二度と来るなぁあ!!」
ミケ「わ、分かったにゃ 出てくにゃ」
琴葉「ったくーあの馬鹿三毛猫ほんとに余計な事を」
琴葉「んー、でも動物と会話出来るの結構いいかも」
琴葉「やっぱあの三毛猫天才だなー」
〇女の子の部屋
翌日の放課後
琴葉「おーっ、可愛い部屋だねー」
梨々「でしょでしょ!私も気に入ってるんだ!」
琴葉「お、あの鳥は・・・?」
梨々「ん?もしかしてピーコの事? ピーコ、1か月前から飼い始めたんだよ」
琴葉「へー、見せて見せて!」
梨々「もちろん!よい、しょ・・・」
梨々「ほら!この子だよ」
琴葉「わあっ、すごい綺麗」
梨々「でねでね、ピーコ、言葉覚えて喋るんだよ!」
梨々「ほら、お客さんへの挨拶は?」
ピーコ「イラッシャイマセッ」
琴葉「おー、すごーい!ほんとに喋った」
琴葉「・・・ん?」
ピーコ「はぁー・・・せっかく寝てたのに鳥かごが揺れたせいで目が覚めちゃったじゃないか」
琴葉「・・・わ、分かる!!三毛猫の言った通り!」
梨々「どした?」
琴葉「ね、ピーコそろそろ元の場所に戻してあげなよ」
梨々「ん、そうだね。 よっしょ・・・と、」
ピーコ「チチチ・・・」
ピーコ「おー、戻った!これでゆっくり寝れる」
琴葉「ピーコ、嬉しそうだよ」
梨々「なら良かった! ねー、何して遊ぶ?」
琴葉「んー、そうだねー・・・」
〇おしゃれなリビングダイニング
琴葉「たーっだいまぁあー!!」
お母さん「おかえりなさい。ねえ琴葉」
琴葉「ん?なに?」
お母さん「・・・この犬が道路で倒れてたから保護したの」
琴葉「わーっ、もふもふー」
お母さん「こら!触るんじゃありません こんなに苦しそうなのに」
琴葉「あ、そ、そうか」
琴葉(・・・本当に苦しいのかな?)
お母さん「あ、目が覚めた?」
わんこ「・・・ゥゥ〜ッ・・・」
お母さん「あらあら、あら・・・こんな声出しちゃって 寂しそうねぇ 可哀想っ・・・」
わんこ「え?何この空気・・・ちょっと寝てただけなのに拾われてるんだけど、え? この大きい人なんか悲しそうだし」
琴葉「あれ?寝てただけみたい」
お母さん「ん?」
琴葉「この犬、寝てただけみたい・・・ 元気だし」
お母さん「は!?何言ってるのよ、さっきあんな声出てたのよ!それに道路で倒れてたの!!」
琴葉「だから、それが寝てただけなんだってば」
お母さん「んも〜、何を言ってるのかねこの子は」
琴葉「・・・いいから!貸して!」
お母さん「あ、ちょっ」
琴葉「テレポーテーション!」
お母さん「き、消えた・・・!!」
〇ビルの裏通り
琴葉「ふー・・・家族の前で超能力使っちゃったな まあいいや」
琴葉「ほら、降ろしてあげるね」
わんこ「〜キュゥ・・・」
琴葉「あ、寝ちゃった」
琴葉「まっ、めでたしめでたし! さー帰ろっと」
〇おしゃれなリビングダイニング
琴葉「よーっと」
お母さん「琴葉!!いきなり消えて、どうしたの?」
琴葉「ぎく・・・ あれだよあれ、自然現象みたいな?それか見間違い」
お母さん「み、見間違い?」
琴葉「うん!だってほら、私はずっとここに居たよ?」
お母さん「そ、そう?」
琴葉「そうだよ!ボケてるんじゃない?」
お母さん「琴葉?」
琴葉「え、ちょっと」
お母さん「今・・・ボケてるって言った?」
琴葉「言ってない言ってない! それじゃ!」
お母さん「も〜・・・」
〇女の子の部屋
琴葉「あ、クソ猫」
ミケ「ちょっ、酷いにゃ!もっと丁寧に呼べにゃ」
ミケ「それより、どうにゃ?新しい超能力。 便利だろ?」
琴葉「・・・全く?」
ミケ「え?ちょっと、少しは便利だったと思うにゃ。鳥の件とかにゃー それににゃーの事天才って言ってたにゃ」
琴葉「全然?むしろ疲れた お母さんに変に思われた あと天才って言ったの取り消しね」
ミケ「・・・」
ミケ「まあ、キミの意見がどうであってもにゃーは超能力をどんどんキミに授けてやるにゃ」
琴葉「迷惑 消えろ」
ミケ「だから、キミさっきから酷いにゃ!」
琴葉「何のために来たの?早く消えな?」
ミケ「お、そうそう 全然にゃーの生い立ちは話してなかったけど 事情があるんだにゃあ」
琴葉「?」
ミケ「にゃー達は猫の中でも特別な猫で、キミと同じでエスパーなんだにゃ」
琴葉「え?どういうこと?」
ミケ「まあエスパーって言っても、にゃーがやってるみたいに選ばれし子供に超能力を授けられるだけなんだにゃ」
琴葉「選ばれし子供?私が?」
ミケ「そうにゃ 猫の方で人間を観察して、相談しながら決めてるんだにゃ」
琴葉「・・・」
琴葉「能力取り消して?」
ミケ「どうしてにゃあ!! それににゃー達で勝手に能力を取り消すことは出来にゃいんだにゃ」
琴葉「はあ?」
ミケ「能力を取り消せるのはボスだけにゃ にゃー達みたいなやつは出来にゃいにゃ」
琴葉「ふーん、なら許してやろう」
ミケ「急に態度悪いにゃあ!?」
大変な生活はまだ続きそうです とほほ
超能力と聞くと凡人は憧れちゃうけど、意外と「知らない方が良かった」「できない方が良かった」ってことも多いのかもしれませんね。特に子供のうちは琴葉のように混乱することの方が多いかも。それにしても、犬や小鳥には優しいのにミケに対してはボロクソに悪態をつく琴葉ちゃんが面白すぎる。
「張本猫」に笑ってしまいました。当初は「はりもとねこ?」と読んでしまいましたが、意味がわかるとじわじわと……
このストーリーのドタバタ感、楽しいですね!
昔から魔法や超能力が使えたらいいなぁという妄想は皆誰しもしたことがあると思いますが、使えるようになったらなったで大変なことも多そうですね…。隠すのももちろんですが…。