転校生は魔王と宇宙人と一般人!(脚本)
〇教室
富津 奈子(ふっつ なこ)「転校生の富津 奈子です」
富津 奈子(ふっつ なこ)「よろしくお願いします!」
富津 奈子(ふっつ なこ)(完璧!方言も出てへん)
富津 奈子(ふっつ なこ)(ボケたい欲も抑えて無難な自己紹介!)
富津 奈子(ふっつ なこ)(これでクラスに溶け込めるハズ!)
富津 奈子(ふっつ なこ)(あれ?)
担任教師「一番後ろの席へ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「──」
富津 奈子(ふっつ なこ)(何やこの反応)
男子生徒「ヤベーよ・・・」
男子生徒「シッ、聞こえるぞ」
富津 奈子(ふっつ なこ)(怖がられとる?)
富津 奈子(ふっつ なこ)(なんで!?)
富津 奈子(ふっつ なこ)(私が何したちゅうねん!?)
〇黒
富津 奈子(ふっつ なこ)(東京モンは冷たいと聞いとったけど)
富津 奈子(ふっつ なこ)(いきなりこんな感じ?)
富津 奈子(ふっつ なこ)(このままぼっちルート確定なん?)
〇教室
メア「魔王降臨!」
ピピ「座標転移完了」
ピピ「今教室の床吹っ飛ばしたでしょ」
メア「主も今、教室の窓全部吹っ飛ばしたじゃろ」
ピピ「星間管理局に復元申請出しとくわよ」
ピピ「受理に300年かかるけど」
メア「お、新入りか?」
メア「苦しゅうない」
メア「貧相じゃが、我が配下に加えてやろう」
ピピ「私の方が一日分、序列が上ね」
ピピ「私の部下として配属申請しとくわね」
男子生徒「やっぱり仲間か──」
女生徒「二日続けて転校生なんておかしいと思った」
富津 奈子(ふっつ なこ)(警戒されとった原因これやー!)
メア「ところで、怪しい奴を見んかったか?」
富津 奈子(ふっつ なこ)(自分らより怪しい奴おる!?)
ピピ「その子が次元の彼方に吹っ飛ばした魔族がこの時代に流れ着いてるハズなんだけど」
富津 奈子(ふっつ なこ)(今転校してきた私が知るわけないやん)
メア「そこの宇宙人とやらが邪魔せんかったら、とっくに見つけてたんじゃがの」
ピピ「あなたが街ごと消し飛ばそうとするからでしょ!?」
ピピ「だいたいあなたが時空魔法なんか使うから、時空間監査官の私が派遣されたのよ」
富津 奈子(ふっつ なこ)(こんなのに絡まれとったら破滅や)
富津 奈子(ふっつ なこ)(全力で関わり回避せな──!)
担任教師「じゃあ、この後全校集会だから体育館に移動するぞー」
富津 奈子(ふっつ なこ)(よう通常運転できるな)
〇体育館の舞台
「次は校長先生のお話」
校長先生「えー全校生徒の皆さん」
富津 奈子(ふっつ なこ)(怪しい奴おるー!)
富津 奈子(ふっつ なこ)(絶対あれやろ魔族!)
富津 奈子(ふっつ なこ)(いや、人間が仮面被っただけ?)
富津 奈子(ふっつ なこ)(魔族が校長っちゅうのも変な話やし)
富津 奈子(ふっつ なこ)(私じゃ判断できん──)
富津 奈子(ふっつ なこ)「なぁ、ちょいあれ見てやあれ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「──って、集会中に何スマホポチポチしとんねん!」
ピピ「管理局に色々報告しないといけないから」
ピピ「せめてログインボーナスは貰わないと」
富津 奈子(ふっつ なこ)「いや、ソシャゲやん」
ピピ「このペースじゃ周回間に合わないなぁ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「ソシャゲやろ」
メア「ハァ~魔界よいとこォ~」
メア「ここは声が響いていいのぉ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「校長先生のお話中に何歌とんねん!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「自分ら常識ないんか!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「ないな!うん!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「自己解決したわ」
担任教師「集会中は静かに」
富津 奈子(ふっつ なこ)「はい、えらいスンマセン!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「自分らのせいで怒られたわ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「集会ももう終わるし、魔族の確認もできんかったやん」
校長先生「であるからして、計画的に学習を進め──」
富津 奈子(ふっつ なこ)「校長まだ喋っとったわ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「なあ、あれ見てあれ」
ピピ「ガチャ当たらないなぁ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「ソシャゲやん」
〇教室
富津 奈子(ふっつ なこ)「もうええわ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「早いとこケリつけて自分らの巣に帰ってもらお」
ピピ「巣って」
ピピ「言い方にトゲがない?」
富津 奈子(ふっつ なこ)「込めとるんやトゲを」
メア「下等生物が抜かしよるのぉ?」
ピピ「実際あなたが住んでたのは巣でしょ」
メア「ほォ、一戦交えるか?」
富津 奈子(ふっつ なこ)「小競り合いしとる場合か」
富津 奈子(ふっつ なこ)「時空間監査官さんは、人を煽るより時空間監査してもろて」
メア「言ってやれ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「魔王さんはきっちり魔族を統べてもろて」
ピピ「ごもっとも~」
富津 奈子(ふっつ なこ)「校長が怪しいと思うんやけど」
メア「特に魔力は感じんかったがの」
富津 奈子(ふっつ なこ)「え、じゃああれで普通の人間?」
富津 奈子(ふっつ なこ)「逆に怖いわ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「まぁでも魔族に支配された学校とかでなくて良かったわ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「見た目がアカンからって無闇に人を疑うもんでないな」
〇上官の部屋
校長先生「フフフ」
校長先生「受け入れた転校生がよく見たら魔王だった時はどうなるかと思ったが」
校長先生「あのニブチン、私には気付いていないようだな」
校長先生「人間共も洗脳で私に疑いを持たないし」
校長先生「この時代を征服する計画も安泰だ」
校長先生「誰かにうっかり聞かれでもしない限り!」
〇古い施設の廊下
富津 奈子(ふっつ なこ)(そう思うんやったらデカい独り言言わんとって!)
〇教室
担任教師「校長?」
担任教師「百年前の学校創立時から校長を務めておられる立派な方だぞ」
富津 奈子(ふっつ なこ)(人間でないの確定やんけ)
富津 奈子(ふっつ なこ)(確かに洗脳バリ利いててアカンわ)
富津 奈子(ふっつ なこ)(肝心の当事者はあのザマやし)
メア「余の軍勢なら3分で滅ぼせるわ~」
ピピ「星間連合艦隊なら1分で済むわよ」
富津 奈子(ふっつ なこ)(──何の話かは聞かんとこ)
〇古い施設の廊下
富津 奈子(ふっつ なこ)「もう私が証拠を掴んで突き付けるしか──」
校長先生「何の証拠だ?」
〇教室
校長先生「あー」
校長先生「宇宙人君と魔王君」
校長先生「お友達は預かった」
校長先生「返して欲しくば屋上まで来なさい」
〇学校の屋上
ピピ「やはり校長が」
メア「魔力は感じんかったぞ」
校長先生「私は進化したのだ」
メア「余の配下を放せ」
メア「そやつは魔界副将軍ぞ!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「私の地位高っ?」
ピピ「138億年の宇宙の歴史の前では取るに足らない存在よ!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「どういう趣旨の発言や」
富津 奈子(ふっつ なこ)「ディスっただけやん」
校長先生「私に手出ししたらこの者も消す」
ピピ「卑怯よ!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「危なっ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「卑怯やと思うなら躊躇せえ!」
メア「返せ!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「熱!熱っ!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「止めぇや」
校長先生「効かんなぁ」
メア「魔法が無効?」
ピピ「テクノロジーが通用しない」
「もう諦めるしか──」
富津 奈子(ふっつ なこ)「面倒臭なっただけやろ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「助けろや!」
校長先生「こんな奴が王だから魔界も荒れ放題だったのだ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「荒れてない魔界もどうなん?とは思う」
メア「こうなっては仕方ない」
メア「余の配下なら自力で何とかせよ」
ピピ「自分の殻を破るのよ」
富津 奈子(ふっつ なこ)「そうか」
富津 奈子(ふっつ なこ)「新しいクラスに受け入れられるか不安で」
富津 奈子(ふっつ なこ)「自分を押し殺そうとした私を見かねて──」
富津 奈子(ふっつ なこ)「ってんなわけあるか!」
校長先生「君、友人の助言は素直に──」
富津 奈子(ふっつ なこ)「お前のせいやろ!」
富津 奈子(ふっつ なこ)「消えた」
魔族「うぅ」
メア「お主!?」
〇黒
メア「魔界ではこんなだったハズ」
〇学校の屋上
メア「なぜそんな姿に」
魔族「次元の狭間に飛ばされ」
魔族「数千年さ迷って魔力が尽きた」
魔族「それでバーチャルアイドルのライブで見かけた」
魔族「ホログラム技術を取り入れたんじゃ」
ピピ「そんな辛い事が」
富津 奈子(ふっつ なこ)「いや遊んどったんやん」
富津 奈子(ふっつ なこ)「しかも百年前から校長やのにホログラム?」
富津 奈子(ふっつ なこ)「時空ねじれまくっとるで!監査官仕事して!」
ピピ「これで魔族も見つかったし解決ね」
メア「よし!祝いにカラオケとかいうのに行くぞ!」
魔族「バーチャルアイドルライブもいいぞ──」
富津 奈子(ふっつ なこ)「お前ら帰れー!」
いろんな属性と、コンテストの可愛いイラストを沢山楽しめる作品!これはどんどん新キャラ追加して、長編として読みたくなる作品でした!レッタもそうでしたが、澤井さんの作るキャラクターはとても生き生きしていて、読んでてめちゃくちゃ楽しいです😆✨ありがとうございました🙇♂️
校長のデカい独り言のあたりで噴きました😂
ツッコミ大変そうでしたがイキイキしてましたねw
幹部として手放してもらえなさそうw
最初は普通の子に見えた主人公のツッコミがキレキレでめちゃくちゃ笑いました! 特に校長のでかい独り言で立ったフラグを即座に回収するところが好きです。
妖精さんがまさかあそこで出てくるとは…!