何度も

新田漣

何度も(脚本)

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〇血まみれの部屋
  ここは、とある殺人事件の現場。
  凄腕の探偵助手である俺こと上地司は、現場となったリビングに、容疑者達を集めた。
  医大の合格を目指し、浪人生活を続けている空腹太郎
  強盗傷害事件で服役し、現在は仮出所中の
  血祭圭吾
  日本代表のエースストライカー、神風蹴斗
  一体、誰が被害者を殺したのだろうか。
血祭圭吾「俺を犯人扱いするってか? 殺すぞコラ」
上地司「まだ、犯人だと決まった訳ではありません」
血祭圭吾「うるせぇな。ぶっ殺すぞコラ」
上地司「落ち着いて。もうすぐ、探偵が来るので」
血祭圭吾「あー、もう我慢ならねぇ! ここに居る奴、全員殺す!」
上地司(バトル漫画に出てくるパワータイプの敵だ)
桃山楓「へいへい、待った?」
上地司「楓、やっと来たか。遅いぞ」
血祭圭吾「なんだこの女? ぶっ殺されてえのか?」
桃山楓「え、犯人この人でしょ」
血祭圭吾「ナメやがって、ぶっ殺してやる!」
上地司「楓、謝りなさい」
桃山楓「サーセンした」
血祭圭吾「チッ。なんなんだ、この女は?」
桃山楓「美少女探偵・桃山楓ちゃんです」
血祭圭吾「こんなクソガキが探偵だぁ?」
桃山楓「・・・ブッ殺すぞ」
血祭圭吾「えっ?」
上地司「二人とも落ち着いて。 ほら楓、早く推理してくれよ」
桃山楓「犯人は、本当にこの人だよ」
血祭圭吾「俺は殺してねぇよ! ブッ殺すぞ?」
桃山楓「どの口で否定するんだよ」
上地司「楓。偏見で決めつけるのは推理じゃないだろ? いつもみたく、ビシっと決めてくれ」
桃山楓「じゃあ、推理発表ターイム」
桃山楓「このハンマーで被害者の頭を殴打し、殺害しました。動機は怨恨かな」
血祭圭吾「あぁ? そんなハンマー知らねぇよ!」
桃山楓「えー、マジか」
  まずいな。また楓の推理が外れてしまった。
  目撃者は二人か。楓の推理が外れた事実を、世間に吹聴されるのは避けたい。
  能力を使うか。
上地司「すみません。クソしてきますね」
血祭圭吾「このタイミングで?」

〇黒
  バレないように着替えてっと・・・

〇幻想空間
  実は、俺には特殊な能力が存在する。
  その場所の過去の時間に戻る能力。
  タイムリープというやつだ。
  俺はこの能力を駆使して、楓の推理を再現し、名探偵の座に押し上げているのだ。
  アイツが頓珍漢な推理を披露しても、俺がこうして過去に戻り、推理をなぞるように行動を書き換えればいい。

〇高級マンションの一室
上地司「よっと。だいたい犯行時刻くらいか」
血祭圭吾「ど、どこから出てきやがったテメェ!」
上地司「あ、血祭さん。ちょうど良かった」
上地司「これを使って、家主を殺しませんか?」
血祭圭吾「あ、頭イカれてんのかテメェ?」
上地司「いやほら、拳で殴るより効率的かなって」
血祭圭吾「お前まじで何言ってんの?」
血祭圭吾「つか、家主を殺すってどういうことだよ」
上地司「貴方、家主に恨みを抱いてますよね。ほらほら、このハンマーで手っ取り早く殺しましょうよ」
血祭圭吾「まあ、恨んではいるが・・・」
上地司「あ、返り血はマシマシでお願いします」
血祭圭吾「サイコパスの二郎系みたいに言うな」
血祭圭吾「ったく、なんなんだよ。俺はただ、ここの家主に持ち掛けられた裏取引について、確認しに来ただけだっての・・・」
上地司「裏取引?」
血祭圭吾「あぁ。でかいヤマでな。俺は殺しも厭わない性分だし、ここの家主を恨んではいる。だが、殺そうとまでは思わねえよ」
  殺しも厭わないって言っちゃったよ。
  でも、家主の殺害に関してはノータッチか。一体、誰に殺されたんだろう。

〇黒
  おそらく。この二人のどちらかだよな。

〇高級マンションの一室
血祭圭吾「さ、帰った帰った。あまり長居されると、お前を殺さなくちゃならねえ」
上地司「血祭さん。まだ、家主って生きてますよね」
血祭圭吾「ああ? 何言ってやがる。隣の部屋でテレビでも観て笑ってるだろう──」

〇血まみれの部屋
血祭圭吾「お、おい。なんだこれ!」
上地司「くそっ、間に合わなかったか」
  被害者の後頭部は、ぱっくりと割られていた。固い物で、何度も殴打されたのだろう。

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コメント

  • こんな能力ってホントに魅力的ですね。そして使いこなしている司くんも凄いです。能力を全て楓ちゃんのために使っているのは、見ていてニヤニヤしてしまいます!w

  • 時間を戻れる能力があれば、たしかに探偵業とかに向いてるかもしれません。
    でも、お仕事のためというよりは、彼女のために能力を使ってるあたりが、なんとなく優しくてかわいい人だなぁと思いました。

  • 自分に過去に戻れる能力があったら、もっと違うことに使っちゃいそう…。主人公は、好きな人と時間解決のために使ってて偉いなあと思いました。

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