月山さんちの家庭事情

菜鳥オウル

ハルカ、異世界留学します!(脚本)

月山さんちの家庭事情

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〇闇の要塞
  魔界・魔王の城
配達員「郵便でーす」
ハルカ「はーい!」
ハルカ「えっと、魔法塾のチラシ、 魔法医学会の雑誌・・・」
ハルカ「あっ!」

〇貴族の応接間
アデルバード「今日の君も綺麗だよ」
ミフユ「もう、アデルったら~」
アデルバード「ああっ、身体が浄化されていく・・・」
アデルバード「さすがは異世界召喚された元聖女、 光魔法の威力が違うなあ」
アデルバード「あははははは!」
ナツキ「まったくお父様は。 魔王という自覚はあるのか?」
ナツキ「息子としては複雑な気分だ」
???「ふふふっ。それっ!」
ナツキ「ま、魔法医学の本がハレンチな雑誌に!?」
シュウヤ「わーい、イタズラ大成功!」
ナツキ「シュウヤの仕業か!今すぐ元に戻せ!」
ハルカ「はーい!みんな、ちゅうもーく!」
シュウヤ「おねーちゃん?」
ナツキ「どうしたんだ?」
ハルカ「ビックニュースだよ!」
ハルカ「じゃじゃーん!」
ハルカ「高校の合格通知~!」
ミフユ「まあまあ、おめでたいわね~」
アデルバード「うん、これで一安心だよ」
アデルバード「一時はどうなることかと思ってたけどね」
アデルバード「で、どこの学校なんだい? オロバス高校?それともバール女子校かな?」
ハルカ「ううん、青藍高校だよ」
アデルバード「セイラン?そんな学校あったっけ」
ミフユ「そこ、私の母校だわ~」
ナツキ「お母様の?ということは・・・」
ハルカ「うん!私──」
ハルカ「お母さんの故郷に異世界留学する!」
「えええええ!?」

〇東京全景

〇名門の学校

〇体育館の舞台
校長「新入生の皆さん、ご入学おめでとうございます」
ハルカ(ふふっ、やっとこの日だ)

〇貴族の応接間
ナツキ「別の世界に行くのか!この兄を置いて!」
アデルバード「親離れにはまだ早いよ!!」
シュウヤ「それっ!」
シュウヤ「元気でいれるようにっておまじない! 高校頑張ってね!」
ミフユ「行ってらっしゃい。身体に気を付けてね~」

〇体育館の舞台
ハルカ(向こうを出る時は大変だったけど、 これで目標に一歩近づけたよ)
ハルカ(魔法のないこの世界なら、落ちこぼれの 私でもきっと上手くやれるはず!)
ハルカ(絶対、みんなに頼らず 生きていけるようになるんだ!)
ハルカ(にしてもこの人、話長いなあ)
カイト「ねえ。この話、長くない?」
ハルカ「あ、それ、私も思ってた」
カイト「ははっ、気が合うね」
カイト「君、名前は?」
ハルカ「月山ハルカだよ」
カイト「月山さんか。 僕は津田カイト。よろしくね」
ハルカ「うん、よろしく!」

〇体育館の舞台

〇城の客室
シュウヤ「ふふっ」
シュウヤ「おねーちゃん、気付いてないんだろうな」
シュウヤ「おまじないが覗き見の魔法だって」
シュウヤ「おねーちゃんの高校生活、 一緒に楽しませてもらうよ」

〇名門の学校

〇教室
数学教師「月山、この問いの答えは?」
ハルカ「√2です!」
数学教師「正解だ」
クラスメイト1「さすが月山さん!」
クラスメイト2「今度勉強教えてもらおう」

〇学校の体育館
クラスメイト「月山さん、お願い!」
ハルカ「任せて!」
ハルカ「それっ!」
クラスメイト「きゃー!ナイスシュー!」

〇学園内のベンチ
ハルカ(えへへ、順調順調~)
ハルカ(やっぱり私、この世界の方が合ってるのかも!)
カイト「月山さん」
ハルカ「あれ、どうしたの?」
カイト「今日は一緒に勉強する約束でしょ?」
ハルカ「あっ、そうだった!」
ハルカ「ごめん、寮から参考書持ってくる!」
カイト「うん、待ってるよ」
女子生徒1「あの2人、付き合ってるのかな?」
女子生徒2「違うみたい。けどあの様子なら秒読みだよね」

〇城の客室
シュウヤ「わぁ、面白いことになりそう」
シュウヤ「みんなにも知らせよーっと」

〇貴族の応接間
シュウヤ「みんなー!」
シュウヤ「おねーちゃんに彼氏ができそうだよ!」
ミフユ「あらあら青春ね~」
ナツキ「は?えっ?」
アデルバード「どういうこと?」

〇綺麗な図書館

〇城の客室
シュウヤ「ね?いい感じでしょ?」
「・・・」
ナツキ(なんだこの軽そうな男は!)
アデルバード(ハルカを騙してよからぬことを するつもりじゃ・・・)
ナツキ「お父様」
アデルバード「息子よ」
「俺/僕たちも向こうの世界にいくぞ!」

〇教室
クラス担任「今日は新しく来た保健室の先生を紹介しておく」
ハルカ(へえ、どんな人かな)
ナツキ「月山ナツキだ。体調が優れない時はいつでも来るがいい」
ハルカ「ええええええ!?!?」
クラス担任「ん?どうした月山」
ハルカ「だ、だって、その」
ナツキ「月山か、同じ名字だな。これからよろしく頼む」
ハルカ(し、白々しい!)
ハルカ(でも、なんでお兄ちゃんが!?)

〇保健室
女子生徒「すみません。ちょっとお腹が痛くて」
ナツキ「ふむ」
ナツキ「どうだ?」
女子生徒「あれ?治ったみたいです」
ナツキ「そうか。ならば早く戻るといい」
ナツキ「ふん、造作もないな」
ハルカ「おにーちゃーん!!」
ナツキ「ハルカ!やっと来てくれたな!」
ナツキ「大丈夫か?あの変態野郎に何かされたりは?」
ハルカ「変態野郎って誰!? ていうか、なんでこっちにいるの!?」
ナツキ「ああ、それはな」

〇保健室
ハルカ「つまり、シュウヤが私の生活を覗き見してて」
ハルカ「気になることを見つけたから来たってこと?」
ハルカ「しかも、今の話だと・・・」
アデルバード「うん、お父さんもいるよ」
ミフユ「お母さんたちもいるわ~」
シュウヤ「ぼくらはついて来ただけだけどね」
ハルカ「・・・」
ナツキ「ハルカ、やはり向こうの世界に帰ろう」
ナツキ「こっちじゃお前の事を守ってやれな──」
ハルカ「帰って」
ナツキ「え?」
ハルカ「今すぐ帰ってよ!」
ハルカ「覗き見とかは今更気にしないけど」
ハルカ「向こうには絶対帰らない」
ハルカ「みんなに守られてばかりは、もう嫌なの」
ハルカ「だからこの世界に来たのに!」
「ハルカ!」
ハルカ「早く帰って!」

〇教室
ハルカ「・・・」
カイト「何かあった?」
ハルカ「あはは、そう見える?」
カイト「バレバレ」
カイト「もしかして、あの保健室の先生がらみ?」
ハルカ「・・・津田くんはすごいなあ」
ハルカ「実はあの人、私のお兄ちゃんなの」
カイト「えっ」
ハルカ「・・・」
ハルカ「私、中学まではものすごい 落ちこぼれだったんだ」

〇おしゃれな廊下
  他の子が普通にできることができなくて
いじめっ子1「こんな簡単な魔法も使えないのか?」
いじめっ子2「魔王の娘のくせに!」

〇美しい草原
  力も弱かったから、
  色々危ない目に遭ったりしてたの
魔物「グオォォォオオ!!」
幼いハルカ「ううっ、お父さん、お母さん・・・」

〇美しい草原
  でも、その度に家族が助けてくれて
アデルバード「はああっ!!」
ナツキ「食らえっ!!」
ミフユ「ハルカちゃん、怪我はない!?」

〇教室
ハルカ「嬉しかったけど、守られてばかりは やっぱり辛くて」
ハルカ「家族に頼らず生きる方法を 見つけるために、ここへ来たんだ」
ハルカ「なのに、みんなが来ちゃったら 意味ないよ・・・」
ハルカ「なんて、ごめんね!長々と語っちゃって!」
カイト「大丈夫だよ。人に話すのも大事って言うし」
ハルカ「へへ、ありがとう」
ハルカ「お陰でちょっとスッキリした」
カイト「・・・」
カイト「月山さん、放課後って時間ある?」
ハルカ「え?」

〇渋谷の雑踏

〇渋谷駅前

〇渋谷のスクランブル交差点
ハルカ「あっ!あのお店の服、可愛い!」
カイト「ならちょっと入ってみようか」

〇ゲームセンター
カイト「はい、取れたよ」
ハルカ「わぁっ!津田くん上手!」

〇空

〇空

〇ハチ公前
カイト「どう?元気になった?」
ハルカ「うん!お陰で完全回復したよ!」
ハルカ「でも、どうしてこんなに良くしてくれるの?」
カイト「それは、君のことが──」
???「おおっ、高校生がウロついてるなァ?」
怖い大学生1「いいのかァ?こんな時間まで外にいて」
ハルカ「なに?この人達」
カイト「月山さん、下がって」
怖い大学生1「はッ、イキってんじゃねーよ!」
カイト「うあっ!」
ハルカ「津田くん!」
ハルカ「なにするのよ!?」
怖い大学生1「ちょっと遊んでやっただけだよ」
怖い大学生1「つかてめぇ、よく見りゃイイ女じゃねェか」
ハルカ「触らないで!」
怖い大学生1「うわっ、なんだこの怪力!?」
ハルカ(えっ?ちょっと押しただけなのに)
ハルカ(もしかして私、この世界の人より 力が強いとか!?)
怖い大学生1「てめぇ、舐めたマネしてんじゃねェぞォ!!」
ハルカ(よし、次は本気で──!!)
???「妹に/娘に」
???「触るなああああ!!!!」
「ぎゃあああ!?」
ナツキ「ハルカ、大丈夫か!?」
ハルカ「お兄ちゃん、お父さん!?」
怖い大学生1「あ、あいつら今何しやがったんだ!?」
怖い大学生1「って、身体にロープが!?」
シュウヤ「ふふっ。つーかまえた♪」
怖い大学生2「ガキが、いつの間に・・・」
ミフユ「ハルカちゃんをいじめたのは、あなたたち?」
「へ?」
ミフユ「悪い子には、お仕置きが必要ね~」

〇黒

〇ハチ公前
ナツキ「怪我はないか?」
ハルカ「守られっぱなしは嫌って言ったのに」
アデルバード「それでも助けちゃうよ」
アデルバード「家族だからね」
ハルカ「・・・ん、ありがとう」
カイト「ううっ・・・」
ハルカ「津田くん!」
ナツキ「痛みは?」
カイト「つ、月山先生?」
アデルバード「少年、聞きなさい」
カイト「え、誰?」
アデルバード「あの程度でやられるような弱い人間に、 娘はやりません!!」
カイト「は、はいぃ!?」
ハルカ「ちょっとお父さん!?」
ナツキ「そうだ!妹と付き合いたければ、 俺を倒してからにしろ!」
ハルカ「お兄ちゃんまで!」
ミフユ「本当、困った人達だわ~」
シュウヤ「あはは、おもしろーい♪」
ハルカ「もう、みんな・・・」

〇東京全景
「早く帰ってよーーーー!!!!」

〇学生寮
ハルカ「はぁ、今日は疲れたなあ」
ハルカ(津田くん、きっと引いちゃったよね)
ハルカ「・・・部屋に戻って早く寝よう」

〇マンションのオートロック
ハルカ「戻りました、315号室の月山です」
寮母さん「月山さん?」
寮母さん「あなたの部屋、ないわよ?」
ハルカ「へっ?」
ナツキ「ハルカ、迎えにきたぞ」
ハルカ「お兄ちゃん?それにみんなも?」
ハルカ「帰ったんじゃなかったの?」
アデルバード「うん、それはやめたんだ」
ミフユ「代わりに、こっちの世界へ 引っ越すことにしたの~」
ナツキ「今回の件について、お父様と話し合ってな」
ナツキ「やはりハルカを1人には できないという結論になった」
ナツキ「しかしお前は帰らないという」
ナツキ「だから、俺達がこちらに来ることにしたんだ」
ハルカ「え?」
ハルカ「で、でも住む家がないでしょ?」
ハルカ「しかも、お父さんは魔王なのに」
シュウヤ「家ならもう用意したよ!」
シュウヤ「魔法でちょちょいっと」
アデルバード「僕のことも問題ないよ」
アデルバード「向こうとの行き来は簡単だし」
ナツキ「退寮届も既に出した」
ナツキ「学校への提出書類も準備してある」
ナツキ「だから、一緒に行こう。ハルカ」
ハルカ「そ、そんなああああ!?」

〇黒
  自立したい魔王の娘。
  お節介(?)な家族達。
  剣も魔法もない世界で、彼らの新生活が幕開けた。
ハルカ「なんでこうなっちゃうのーーーー!?」

コメント

  • 過保護っ! 娘(妹)が可愛くて仕方ないのですね。弟もちゃっかりしてるし、お母さんもなんだかんだで楽しそうでした(笑)
    何でも「魔法でちょいちょいっ」とやっちゃいそうだし、こっちの世界で魔王一家はハルカの為に何をしでかすのか…と色々妄想しちゃいました😁カイトくんも頑張ってほしい…!笑

  • 家族全員から溺愛されてるのですね😆
    この家族相手だと勇者クラスでないとお付き合いは認められないのかなあ😅

  • 作者さんがいう通り魔法のない世界でならハルカちゃんはスーパー女子高生だから、変な男にストーカーされないようにだけ気をつければ人生楽勝ですね。あ、そもそも父と兄と弟がストーカーだったんだ。人生楽勝って難しいなあ。

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