お兄ちゃんの彼女!?(脚本)
〇焼肉屋
白金果瑠美(カルミ)「ん〜〜」
白金果瑠美(カルミ)「おいしい〜っ♡」
白金晴美(ハルミ)「お父さんのボーナス出たから ジャンジャン食べなさい」
白金千市(センイチ)「母さん、お手柔らかに 頼むよ・・・」
店員「馬刺しお待たせ致しました〜」
白金千市(センイチ)「おっ、来た来た!」
白金晴美(ハルミ)「ここの馬刺し、美味しいのよね!」
白金千市(センイチ)「うーん、うまい!」
白金晴美(ハルミ)「ほんと、美味しいわ〜」
白金果瑠美(カルミ)「私もちょうだい!」
白金果瑠美(カルミ)「おーいしーい!」
白金千市(センイチ)「だろう?」
白金千市(センイチ)「ほら、バサシ・・・食べてみなさい」
「お父さん・・・!」
白金千市(センイチ)「あっ・・・」
「俺は──」
「俺はバサシじゃねぇーーーー!!」
白金千市(センイチ)「す、すまんすまん、“マサシ”!!」
白金馬佐司(マサシ)「息子の名前間違える親が どこにいるんだよ!?」
白金千市(センイチ)「すまん 馬刺しがあまりにもウマすぎて!!」
白金馬佐司(マサシ)「あ゛あ゛ん!?」
店員「お客様・・・ 他のお客様のご迷惑になりますので・・・」
白金千市(センイチ)「ひぃ! すみません!」
白金晴美(ハルミ)「カ、カルミ お兄ちゃんを宥めて!」
白金果瑠美(カルミ)「もう、しょうがないなぁ」
白金果瑠美(カルミ)「は〜い、お兄ちゃん 特上カルビだよ〜♪」
白金果瑠美(カルミ)「おいしい?」
白金馬佐司(マサシ)「うん」
白金馬佐司(マサシ)「ウマい」
白金果瑠美(カルミ)「良かった〜 たくさん食べてね♪」
白金馬佐司(マサシ)「おう」
白金千市(センイチ)「ふ〜、ありがとう、カルミ」
白金晴美(ハルミ)「ほんと、カルミはお兄ちゃんの 手綱を握るのが上手ね」
白金果瑠美(カルミ)「そうかな?」
白金千市(センイチ)「マサシには カルミがいないとダメだな!」
白金晴美(ハルミ)「そうねぇ〜 カルミがいれば安心だわ」
白金果瑠美(カルミ)(・・・ん? あれ・・・?)
白金果瑠美(カルミ)(これってもしかして)
白金果瑠美(カルミ)(暗にお兄ちゃんの将来を 担わされてる・・・!?)
白金果瑠美(カルミ)(たしかに、カルミはお兄ちゃんの事 好きだけど・・・)
白金果瑠美(カルミ)(それとこれとは話が別だ・・・!)
白金果瑠美(カルミ)(このままじゃ、カルミ、 お兄ちゃんの調教師になっちゃう!!)
白金果瑠美(カルミ)(ど、どうすればーーーー!!)
〇マンション前の大通り
潤(ウル)「それってさぁ・・・」
潤(ウル)「やっぱり、カルミのお兄さん」
潤(ウル)「馬じゃん」
白金果瑠美(カルミ)「馬じゃないもん!」
白金果瑠美(カルミ)「ちょっと馬面なだけだもん!」
潤(ウル)「ちょっと・・・?」
潤(ウル)「まあ、いいや」
潤(ウル)「カルミが嫌なら 話し合うしかないんじゃない?」
白金果瑠美(カルミ)「そうだよね・・・」
白金果瑠美(カルミ)「よし、今日話してみるよ・・・!」
〇明るいリビング
白金果瑠美(カルミ)「ただいまー」
白金馬佐司(マサシ)「妹よ・・・」
白金果瑠美(カルミ)「わあ、ビックリした!」
白金果瑠美(カルミ)「どうしたの、お兄ちゃん」
白金馬佐司(マサシ)「実は・・・」
白金馬佐司(マサシ)「恋文なるものを もらってしまったのだ・・・!!」
白金果瑠美(カルミ)「え・・・」
白金果瑠美(カルミ)「ええーーーーーーっ!?!?」
白金果瑠美(カルミ)「こいぶみって、ラブレターってこと!?」
白金馬佐司(マサシ)「それ以外に何がある!?」
白金果瑠美(カルミ)「中身は確認したの!?」
白金馬佐司(マサシ)「これだ」
白金果瑠美(カルミ)「ふむふむ・・・」
『本日16時、◯◯公園にて待つ』
白金果瑠美(カルミ)「果たし状!?」
白金馬佐司(マサシ)「それなら受けて立つが 差出人が・・・」
白金馬佐司(マサシ)「女子、なのだ・・・」
白金果瑠美(カルミ)「女の子でお兄ちゃんに挑みたいという 格闘家の可能性は」
白金馬佐司(マサシ)「ないな」
白金馬佐司(マサシ)「牧野ココロさん── 我が校の生徒会副会長で」
白金馬佐司(マサシ)「スポーツをやっているというのは 聞いたことがない」
白金果瑠美(カルミ)「マジもんか!」
白金馬佐司(マサシ)「しかし」
白金馬佐司(マサシ)「これはもしかして ドッキリなのではと思う」
白金果瑠美(カルミ)「ドッキリ?」
白金馬佐司(マサシ)「そう。牧野さんが何らかの罰ゲームで 俺を呼び出し告白──」
白金馬佐司(マサシ)「そこを笑い者にされるという・・・」
白金果瑠美(カルミ)「お兄ちゃん・・・」
白金果瑠美(カルミ)「よし、わかった」
白金果瑠美(カルミ)「お兄ちゃんの代わりに カルミが行ってくる!」
白金馬佐司(マサシ)「えっ?」
白金果瑠美(カルミ)「それで、牧野さんの 本心を聞いてくる!!」
白金馬佐司(マサシ)「いいのか・・・?」
白金果瑠美(カルミ)「カルミ、お兄ちゃんが笑い者にされるのは 絶対にイヤ!」
白金果瑠美(カルミ)「もし本当にお兄ちゃんの事が好きなら その後に話し合えばいいよ!」
白金馬佐司(マサシ)「ありがとう、カルミ・・・」
白金果瑠美(カルミ)「でも、16時まであと5分しかないよ」
白金馬佐司(マサシ)「仕方がない」
白金馬佐司(マサシ)「俺が、おぶって走ってやろう」
〇マンション前の大通り
〇曲がり角
〇広い公園
「お兄ちゃん! 行きすぎ行きすぎ!」
白金果瑠美(カルミ)(酔った・・・)
白金馬佐司(マサシ)「俺は隠れているぞ」
白金果瑠美(カルミ)「さて、牧野さんは・・・」
牧野ココロ「・・・」
白金果瑠美(カルミ)「うそー」
白金果瑠美(カルミ)「めっちゃキレーな人じゃん!」
白金果瑠美(カルミ)「お兄ちゃんは、たしかに文武両道な スーパーマンだけど・・・」
白金果瑠美(カルミ)「ドッキリもあながち 間違いじゃないような気がしてきた・・・」
白金果瑠美(カルミ)「あ、あのー」
牧野ココロ「はい?」
白金果瑠美(カルミ)「牧野ココロさん、ですか?」
牧野ココロ「そうですけど?」
白金果瑠美(カルミ)「私、白金マサシの妹です」
牧野ココロ「妹さん!?」
牧野ココロ「もしかして 白金君、来られないとか・・・?」
白金果瑠美(カルミ)「そういうわけではないんですが・・・」
白金果瑠美(カルミ)「あの・・・」
白金果瑠美(カルミ)「牧野さんは 兄のどこが好きなんでしょうかー!!」
牧野ココロ「え、ええっ!?」
牧野ココロ「もしかして、お兄さんの事が 心配で来たのかな?」
白金果瑠美(カルミ)「そ、そうです!」
白金果瑠美(カルミ)「あなたみたいな美人さんが お兄ちゃんにラブレターなんて!」
牧野ココロ「ふふっ・・・」
牧野ココロ「安心して」
牧野ココロ「すっごく好き!」
白金果瑠美(カルミ)「で、でも、みんなお兄ちゃんの事 「馬」って言いますよ!?」
牧野ココロ「その、馬面なところが好きなの!」
白金果瑠美(カルミ)(こ、この人・・・)
白金果瑠美(カルミ)(カルミと同じだ!)
白金果瑠美(カルミ)(お兄ちゃんの事、馬じゃなくて)
白金果瑠美(カルミ)(ちゃんと馬面に見えてるんだ・・・!)
白金馬佐司(マサシ)「いや・・・いやいや・・・」
白金馬佐司(マサシ)「ありえん・・・ 絶対何か裏がある・・・」
白金馬佐司(マサシ)「しかし、ここで俺が出ていくの 超恥ずかしくないか!?」
白金果瑠美(カルミ)「あ、お兄ちゃん、呼んできますね」
牧野ココロ「白金君・・・」
白金果瑠美(カルミ)「お兄ちゃん、良かったね。 ドッキリじゃなかったよ」
牧野ココロ「ドッキリ?」
白金馬佐司(マサシ)「その・・・。 俺は、こんなナリだし・・・」
白金馬佐司(マサシ)「きっと牧野さんは 何か勘違いしてるんだ」
白金馬佐司(マサシ)「俺を好きだなんて、何かの間違いだ!」
白金果瑠美(カルミ)「お兄ちゃん、それは 牧野さんに対して失礼だよ!」
白金馬佐司(マサシ)「むむぅ・・・しかし・・・」
牧野ココロ「そうね」
牧野ココロ「私達、全然接点がなかったし」
牧野ココロ「いきなり告白なんかされても 信じられないわよね」
白金果瑠美(カルミ)「牧野さん・・・」
牧野ココロ「でも安心して!」
牧野ココロ「私は本気だから!」
白金馬佐司(マサシ)「って、いやいやいや! それにしても!」
牧野ココロ「どうすれば 信じてもらえるかしら・・・」
牧野ココロ「そうだわ」
牧野ココロ「白金君 ご両親に会わせてちょうだい!」
白金馬佐司(マサシ)「気が早い!!」
牧野ココロ「ご両親に挨拶すれば、私が本気だって わかってもらえるでしょう!?」
白金馬佐司(マサシ)「それ以前の問題だ!」
白金果瑠美(カルミ)「まあ、いいんじゃない? お母さんなら、そろそろ帰ってきてるよ」
白金馬佐司(マサシ)「カルミーー!?」
〇明るいリビング
牧野ココロ「お義母さん!」
白金晴美(ハルミ)「お、お義母さん!?」
白金馬佐司(マサシ)「だから、気が早い!!」
牧野ココロ「マサシさんを産んでくださって・・・」
牧野ココロ「ありがとうございます!!」
白金馬佐司(マサシ)「愛が重い!!」
牧野ココロ「私達、結婚を前提に お付き合いさせてください!!」
白金晴美(ハルミ)「とても・・・ アグレッシブなお嬢さんね・・・」
白金晴美(ハルミ)「マサシとは、どういう経緯で・・・?」
牧野ココロ「はい! あれは、少し前──」
〇広い公園
男子学生1「げえっ」
男子学生2「東高のバサシ!!」
白金馬佐司(マサシ)「俺は──」
白金馬佐司(マサシ)「俺はバサシじゃないと 何度言ったら──!!」
「に、にげろーー!!」
白金馬佐司(マサシ)「待て! 訂正しろ・・・!」
〇明るいリビング
牧野ココロ「──という事があって!」
白金果瑠美(カルミ)「そうだったの、お兄ちゃん」
白金馬佐司(マサシ)「いや、すまない・・・」
白金馬佐司(マサシ)「牧野さんの存在に まったく気づいていなかった・・・」
白金晴美(ハルミ)「まあ、結婚はひとまず置いておいて」
白金晴美(ハルミ)「お付き合い自体に反対はしないわ」
牧野ココロ「ありがとうございます!」
白金馬佐司(マサシ)「いや、あの、俺の気持ちはー?」
白金果瑠美(カルミ)(──ハッ!)
白金果瑠美(カルミ)(お兄ちゃんが告白されて 浮かれてたけど──)
白金果瑠美(カルミ)(考えてみたら、これでカルミは──)
白金果瑠美(カルミ)(お兄ちゃんの調教師に ならなくて済むんじゃ!?)
牧野さんは
お兄ちゃんと恋人になれて
お兄ちゃんも
ゆくゆくは結婚できて
白金果瑠美(カルミ)(カルミは自由の身に──!)
〇マンション前の大通り
牧野ココロ「今日はありがとう、白金君」
白金馬佐司(マサシ)「あ、いや、その たいしたおもてなしもできず・・・」
牧野ココロ「今度は、ぜひうちに遊びに来て! 良かったら、カルミちゃんも!」
白金果瑠美(カルミ)(牧野さんをフォローしなきゃ!)
白金果瑠美(カルミ)「わあ〜、カルミ 牧野さんちに行きたいな〜」
白金馬佐司(マサシ)「むむっ カルミがそう言うなら・・・」
牧野ココロ「嬉しいわ! じゃあ、今日は失礼するわね」
白金果瑠美(カルミ)「さようなら〜」
〇黒
ー 数日後 ー
牧野さんの家って──
〇牧場
「牧場ーーーー!?」
牧野ココロ「いらっしゃい、二人とも」
牧野ココロ「あ、今乗馬の練習していたから こんな格好でごめんなさい」
白金果瑠美(カルミ)「乗馬!?」
白金果瑠美(カルミ)(牧野さん、カッコいい!)
牧野桜弥(オウヤ)「ココロ、お客様かい?」
牧野ココロ「あ、お父さん」
牧野桜弥(オウヤ)「むっ!」
牧野桜弥(オウヤ)「ココロ、彼は!?」
牧野ココロ「お父さん、紹介するわね。 同じ高校の白金マサシ君と、妹のカルミさん」
白金馬佐司(マサシ)「ど、どうも」
牧野桜弥(オウヤ)「ふぅむ」
牧野桜弥(オウヤ)「君、いい毛並してるね。 シャンプー何使ってる?」
白金馬佐司(マサシ)「え? 近所のドラッグストアで 買ったものですが・・・」
牧野桜弥(オウヤ)「今度、うちの馬にも使ってみようか・・・」
白金馬佐司(マサシ)「いや、絶対やめた方がいいです」
牧野桜弥(オウヤ)「ご両親は、サラブレッドか何か?」
白金馬佐司(マサシ)「いえ、人間です・・・」
白金馬佐司(マサシ)「というか、俺も人間のはずです・・・」
牧野ココロ「お父さん!」
牧野ココロ「私、白金君とお付き合いしたいの!」
牧野桜弥(オウヤ)「な、何ーー!?」
牧野ココロ「ゆくゆくは結婚して」
牧野ココロ「2人でこの牧場を盛り上げていきたいの!」
白金馬佐司(マサシ)「待って!?」
牧野桜弥(オウヤ)「ふーむ・・・」
牧野桜弥(オウヤ)「いいね!」
牧野桜弥(オウヤ)「君なら、きっとうちの 馬の気持ちもわかるに違いない!」
白金馬佐司(マサシ)「いや、俺はまだ結婚とかは」
牧野ココロ「よかったわね、白金君!」
白金馬佐司(マサシ)「・・・」
「今日は失礼しまーーす!!」
白金果瑠美(カルミ)「お兄ちゃん!」
白金果瑠美(カルミ)「すみません、失礼します!」
牧野ココロ(照れ屋な所も素敵!)
〇空
「うおおおおーー!!」
「待って、お兄ちゃんーー!」
ウルちゃん
カルミの人生は
まだまだ調教師から離れないようです──
私も馬にしか見えない……笑
初見のインパクトが凄すぎる!でも根は誠実で優しい、良い馬、もとい良い人なところのギャップが良い!
まだまだ前途多難なカルミちゃんに幸あれ──
ずーっと気になってた作品、読ませて頂きました~✨面白かったです😉
私も周囲のみなさんと同じように、マサシ君がお馬さんに見えてしまってますが🤣あれ、おかしいなぁ😰
ココロちゃんのキャラが強い😁そして好きです😍
面白かったです😆
親は、どうしてバサシに間違えられるような名前に
名付けの時に少し馬刺しがよぎったのでしょうか