〇空

〇白い校舎
京山　哲幸「右と左どっちだ？」
　　この日、拙者は絶対絶命のピンチを迎えた

〇城下町
悪の元締　「さぁ！来い！武士丸！」
機械・武士丸「受けてみよ！必殺！ライトニングスラッシュ」
悪の元締　「グアァァァ！」
機械・武士丸「罪を憎んで、人を憎まず！これにて一件落着！」

〇電気屋
京山　哲幸「はぁ〜武士丸カッコいい！」
京山　哲幸「そうだいい事、思いついた！」

〇町の電気屋
京山　哲幸「ヘヘッ！」
京山　哲幸「行くぞ！ライトニングスラッシュ！でやぁ！」
通行人Ａ「大変だ！少年に雷が落ちたぞ！」

〇綺麗な病室
京山　宏「哲幸！」
担当医「・・・・・・」
京山　宏「先生！哲幸は!!」
「父上！拙者なら大丈夫でございます！」
京山　宏「（拙者？）哲幸！」
京山　哲幸「傘を振り回していたら雷が落ちました！」
京山　宏「本当に大丈夫なのか？」
京山　哲幸「京山家の長男、京山哲幸にて候！記憶も確かですぞ父上！」
京山　宏「何だその喋り方？父上？」
担当医「落雷の影響かもしれません。身体に問題は無くとても良好です。話し方はそのうち治るでしょう。」
京山　哲幸「さぁ帰りましょう父上！」

〇一戸建て

〇明るいリビング
京山　遥「今日の料理にロッケンロールを感じやがれ！「元ロックシンガー遥の料理！」チャンネル登録よろしく！」
京山　宏「あの、ママ、ただいま。動画撮影終わった？」
京山　遥「終わったわよ！」
京山　哲幸「母上、ただいま戻りました！」
京山　宏「哲幸、落雷にあったんだよ、ママに連絡しても繋がらなくて・・・」
京山　遥「えっ！大丈夫なの！哲幸！」
京山　宏「お医者さんは問題ないって言ってたよ」
京山　遥「雷落ちるなんて、ロックじゃん！哲幸」
京山　哲幸「YES！ロッケンロール！」
京山　宏（ロックで済ますなよ、他に心配する所あるだろ）
京山　遥「そうだ！パパ、来週の町内会のイベントどうする？」
京山　宏「親子サッカー大会か？哲幸どうする？」
京山　哲幸「父上！拙者は参加しますぞ！」
京山　宏「えっ！本当か？」
京山　遥「決まりね！一位の豪華賞品バイソンの洗濯機 を獲得できるように家族で頑張るわよ！」
京山　宏（あれって、掃除機じゃなかった？）
「父上！明日は外で特訓ですぞ！」
　　次の日

〇一戸建て

〇明るいリビング
京山　哲幸「雨・・・」
京山　宏「ガッカリするなよ！家の中でも出来る事はあるぞ！」
京山　哲幸「はぁ・・・励まし感謝致します」
京山　宏「げ、元気だそうぜ！」
京山　遥「そうよイメージトレーニングだって出来るし」
京山　宏「ママどうしたの？その服！」
京山　遥「動画配信中に、火力全開で料理してたら火事になりそうだったの！そのおかげで動画視聴者は爆上がり」
京山　宏「勘弁してよママ！」
京山　哲幸「はっ！」
京山　宏「どうした？」
京山　哲幸「良き案が頭に浮かびました！」

〇白い校舎
　　親子サッカー大会当日
町内会長「本日は町内会の親子サッカー大会にご参加ありがとうございます。ルールの説明を後ほど行います」
京山　哲幸「父上！サッカーは得意なのですか？」
京山　宏「得意だよ！元サッカー部だからね！」
京山　遥「頼もしいわね！パパ！」
京山　哲幸「拙者も、とっておきの秘策があります」
京山　宏（・・・秘策？）
町内会長「ではルールの説明です。攻めと守りをコイントスで決めた後、3対3で試合をします。5分たったら攻めと守りをチェンジです」
京山　哲幸「よし！はじめるとしよう！」
町内会長「あせらないで哲幸君、もう少しだけ説明があるから、聞いてね！」
京山　哲幸「ご無礼致した」
町内会長「シュートをして良いのは子供だけで、大人はパスのみです！またゴールキーパーも子供のみとなります！」
京山　遥「どういう事？パパ？」
京山　宏「例えばウチの家族が攻めの場合は大人２人はパスを出してシュートは哲幸が打つ！」
京山　遥「守りの時は？」
京山　宏「今の逆で、対戦相手の子供が打ったシュートを哲幸が止める！大人２人で守るって事」
京山　遥「なるほど！」
京山　宏「守る時はボールを取られないようにママと俺でパスを繋いでいかないと、すぐシュートされちゃうよ」
京山　哲幸「どんなシュートも拙者が防ぐ！」
京山　宏「よ〜し皆んなで頑張るぞ！」
「おう！」
京山　哲幸「コースが甘い！」
京山　哲幸「なんのこれしき！」
京山　遥「凄い！どんどん相手のシュート止めてる！」
京山　哲幸「この調子で優勝しましょう！」
　　こうして、拙者たちは勝ち上がった
町内会長「京山家と高本家で決勝戦です！両チームケガには気をつけて下さいね！」
京山　宏「それにしても哲幸は、キーパーの才能あるんじゃないか？」
京山　哲幸「実は落雷にあってから、動体視力の調子がすこぶる良いのでございます」
京山　宏「まさか、落雷の影響で、周りのスピードが遅く見えてボールが止まって見えるとか！」
京山　哲幸「いえ、止めているのは感でございます！」
京山　宏「・・・そ、そう（動体視力は？）」
京山　哲幸「父上！最後の試合頑張りましょう！」
京山　宏「そうだな！」
京山　哲幸「次の試合では秘策を用いようとございます」
京山　宏「そういえば気になってたんだよそれ！」
京山　哲幸「紹介します！秘策のふとし君にてございます」
小池　太「・・・・・・・・・」
京山　宏「・・・哲幸・・ルールは３対３だから、１人増やす事は出来ないよ・・・」
京山　哲幸「・・・・・・・・・・・・・・・・・・」
　　その後試合は苦戦し、延長戦に突入した
高本　浩介「ナイスパスカット！ママ！」
高本　英理「剛士！シュート！」
高本　剛士「オリャ！」
京山　宏「うわっ！しまった！」
　　ピィィィィ！
町内会長「京山さんハンドですので、高本さんPKです！」
高本　剛士「よし！決めるぞ！」
京山　哲幸（しまった！連続でシュートを止めていた為に 反射神経が鈍くなって来たで候）
京山　遥「頑張って！哲幸」
京山　哲幸「右か？左か？」

〇明るいリビング
京山　哲幸「父上！もしも迷って左右に道がある時、父上はどちらを選びますか？」
京山　宏「俺は右だ！何事も迷ったら右に行く！」
京山　哲幸「右と左どっち？」
京山　宏「て、哲幸それをどこで！」
京山　遥「何これ？」
京山　宏「あわわわ！ママと付き合う前の彼女で・・・」
京山　哲幸「右と左どっち？」
京山　宏「み、右だよ！」
京山　遥「パパさっき何事も迷ったら右！って言ったわよね？私とこの娘で迷った訳ね？」
京山　宏「ち、ちがくて、その・・あの・・」
京山　宏「うげっ！」
京山　遥「ふんっ！」
京山　宏「はやく、捨てときゃ良かったよ・・・」
京山　哲幸「思い出は大事ですぞ！父上！」

〇白い校舎
京山　哲幸（父上迷ったら右でしたな！よろしい！右だ！）
京山　哲幸「さぁ！こいっ！」
高本　剛士「・・・・・・・・・・・・──」
京山　哲幸「どうした！怖気づいたか！」
高本　剛士「あの、お前が目を閉じてる間に・・その、後ろ」
京山　哲幸「んっ？」
　　振り返る哲幸
京山　哲幸「ゴール？されてる・・・」
町内会長「優勝は高本親子チームです！」
京山　宏「あれっ？哲幸は？」
京山　遥「あそこに・・・」

〇グラウンドの隅
京山　哲幸「うっうっひっく」
京山　宏「哲幸！泣くなよ」
京山　遥「そうよ！カッコ良かったよ！」
京山　哲幸「不甲斐ない・・負けたのはそれがしの不注意の悪しき所業、今一度、魂から平伏申す、誠にかたじけなかった」
京山　宏「哲幸、勝ち負けよりも大切な事があるだろ？今日は楽しかったよ！」
京山　遥「そうよ！哲幸！帰ってご飯たべよ！」
京山　哲幸「励まし・・・感謝致す」
高本　剛士「哲幸！また一緒にサッカーしような！」
京山　哲幸「痛み入る・・・」
高本　剛士「じゃあまたな！」
京山　哲幸「次は必ず勝利にこだわりぬくと肝に命じます」
京山　宏（そういう事じゃ無いんだけどな・・・）
京山　宏「さっ、哲幸！いつまでも泣いてないで帰るぞ」
京山　哲幸「はい、今日はカレーが食べたい気分にてございます母上」
京山　遥「ヨッシャ！まかせな！」
京山　宏「火事だけは気をつけてくれよママ！」
「アッハッハッハッハ」

〇明るいリビング
京山　遥「今日作る料理にロックを感じやがれ！」
京山　宏「動画撮影中にごめん！ママ行ってくるよ！」
京山　遥「気をつけて！」
京山　哲幸「拙者も学校に行って参る！」
　　父上は中小企業のサラリーマン
　　母上は元ロックシンガーの料理研究家！
　　拙者は、京山家の長男、哲幸にて候！

〇空
「哲幸！ランドセル忘れてるわよ！」
「かたじけない母上！」
「あのさ・・・今日祝日だよ」

〇城下町
機械・武士丸「刀を振るえば嫌われて、収めたままだと、罵倒され、されど・・・」
機械・武士丸「一合取っても武士は武士！」
機械・武士丸「然れば！」
機械・武士丸「武士は食わねど高楊枝！」
機械・武士丸「続く言葉は・・・」