召喚家族 〜summon family〜

セーイチ

いでよ!summon family!(脚本)

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セーイチ

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〇魔界
ゼルフィス「どうやら年貢の納め時だなぁ!勇者アルボ!」
アルボ「く、何てことだ・・・」
ガーランド「まいったね、俺達勇者パーティーが手も足もでないなんて」
シルフィーネ「アルボどうしますか?このままでは世界は魔王軍に支配されてしまいます」
アルボ「仕方ない・・・コレだけは使いたくなかったが・・・」
ゼルフィス「ふん、奥の手でもあると言うのか?」
アルボ「ああ、とっておきだ」
ゼルフィス「ハッタリだな、そんな物が有るならとっくに使っている」
アルボ「これは俺にとっても危険な技なんでな・・・」
アルボ「だが覚悟は決まった!」
ゼルフィス「魔法か、どれ程強大な魔法でも俺には傷一つ付けられんぞ」
アルボ「ただの魔法じゃない、召喚魔法だ」
ゼルフィス「なるほど、自らの手で俺を屠ることは諦めたか」
ゼルフィス「だが例えイフリートやリヴァイアサンを呼び出そうとも同じことだ!」
アルボ「さあて、どうだろうな・・・」
アルボ「いくぞ・・・」
アルボ「今こそ我が呼びかけに応えろ!来い!マヤリーン!」
マヤ「そうそう、あっちゃんが初めて25m泳げたって・・・」
マヤ「・・・ん?」
ガーランド「・・・」
シルフィーネ「・・・」
ゼルフィス「・・・」
マヤ「・・・」
アルボ「さあマヤリーンよ!俺に代わり魔王の使途を打ち滅ぼせ!」
マヤ「・・・」
アルボ「どうした!マヤリーン!早くヤツを・・・」
アルボ「ぶふぅおう!」
ガーランド「!?」
シルフィーネ「!?」
ゼルフィス「!?」
アルボ「な、何をする!マヤリーン!」
マヤ「おいポンコツ勇者」
マヤ「あのさ、呼び出す前に連絡しろって言わなかったっけ?」
アルボ「え、いや、それは・・・」
マヤ「言ったよね?」
アルボ「・・・はい」
マヤ「っで、なに急に呼び出してんの?」
アルボ「いや、緊急事態だったんで・・・」
マヤ「緊急事態だからってさ、アンタ着替え中かもしれない女子の部屋に勝手に入るわけ?」
アルボ「いえ・・・」
マヤ「アンタのやってんのはそーいうことなの、わかる?」
アルボ「はい・・・」
マヤ「っで、どうしてくれんの?アタシ授業の真っ最中だったんだけど?」
アルボ「えっと、とりあえずアイツを倒せば帰って良いんで・・・」
マヤ「はぁ?」
アルボ「い、いえ!お帰り頂いて構いません!報酬も色を付けますんで!何卒!何卒!」
マヤ「・・・ったく」
ゼルフィス「おい勇者」
ゼルフィス「まさかと思うが、コイツがお前の奥の手か?」
アルボ「まぁ、一応・・・」
ゼルフィス「ふ・・・」
ゼルフィス「ふざけるなぁ!」
ゼルフィス「魔王軍四天王が一人、この狂乱のゼルフィスが!こんな魔力も無い人間に倒されると思っているのかぁ!」
マヤ「うっさいなぁ、もう・・・」
ゼルフィス「この俺が!このゼルフィス様が!こんな半裸の変態痴女に!」
  ぶちん
アルボ「や、やばい!」
マヤ「誰が・・・」
マヤ「誰が変態痴女だぁ!!!」
ゼルフィス「グォオオオオオオ!!!」
マヤ「ふん!」
ガーランド「・・・」
シルフィーネ「・・・」
アルボ「思い知ったか魔王軍よ!これが勇者アルボの真の実力!」
マヤ「おい」
アルボ「は、はい!」
マヤ「報酬」
アルボ「は、はい!コチラです!」
マヤ「どれどれ・・・」
マヤ「おっけ、まいどあり~」
マヤ「んじゃ、アタシ帰るわ」
アルボ「は、お疲れ様です!」
マヤ「あ、そうそう・・・」
マヤ「次に連絡なしで呼び出したら、マジでボコすから」
アルボ「ははっ!肝に命じます!」
マヤ「そんじゃ~ね」
アルボ「はい!ありがとうございましたぁ!」
アルボ「ふぅ・・・」
ガーランド「おいアルボ」
シルフィーネ「とりあえず説明願えますか?」
アルボ「だ、だよねぇ・・・」

〇怪しげな酒場
アルボ「俺達勇者一族には世に知られていない伝説がある」
アルボ「それは初代が異世界人だということだ」
シルフィーネ「初代勇者様が異世界人?」
アルボ「そう、トップシークレットだけどね」
アルボ「異世界から召喚された勇者は魔王を倒し元の世界へ帰って行った」
アルボ「この世界に己の血脈と、召喚契約を残して」
ガーランド「召喚契約?」
アルボ「もしコチラの世界で有事が起こった場合、ノーリスクで勇者を召喚できる契約だ」
アルボ「そして初代勇者が世界を救って数百年、新たな魔王が現れた」
アルボ「とうぜん彼は生きちゃいない、それでも藁にも縋る思いで召喚術を発動すると何者かが現れた」
アルボ「そう、契約は生きていたんだ」
アルボ「彼が元の世界で繋げた血脈にね」
ガーランド「なるほど、あの半裸のねーちゃんはお前と同じ勇者の末裔ってことか」
アルボ「バカ!うかつなことを言うな!殺されるぞ!」
シルフィーネ「そんなに恐ろしい方なんですか?」
アルボ「ああ、なんせ・・・」

〇教室
結城「異世界だと得意なことが強化される?」
マヤ「そ、単純にパワーがアップしたり特殊な効果が付与されたりするらしいの」
マヤ「私の場合だとちっちゃい頃から習ってた空手」
マヤ「空手が強化されて「徒手空拳」ってスキルになるんだって」
マヤ「そんでコッチだと瓦十枚割るのが精一杯の手刀で、鋼鉄の盾を叩き割ったりできるようになるの」
結城「へぇ~・・・それで何度も呼び出されてるんだね」
マヤ「呼び出すこと自体は良い、報酬貰ってるし・・・」
マヤ「ただ事前に連絡しろって言ってんのにアイツは!」
マヤ「まぁ強めに釘差しといたから、しばらくは呼ばれないだろうけど」
結城「でもアッチがピンチになったら関係無く呼ばれるんじゃない?」
マヤ「大丈夫、コッチに残ってる勇者の一族は私一人じゃなから」

〇魔界
ユウト「アルボさん、勉強中は呼ばないでくださいって言いましたよね?」
アルボ「ゴ、ゴメン!でも君のお姉さんは呼んだばっかりだから・・・」
ユウト「やれやれ、仕方ないですね」
ユウト「そのかわり・・・」
アルボ「わかってる!報酬ははずむから!」
フォルト「おい!何時まで俺を無視する気だ!そんなに死にたいならさっさと・・・」
ユウト「そうですね、さっさと終わらせましょう」
フォルト「!!?」

〇教室
マヤ「ちなみに弟の特技はゲーム」
マヤ「強化されたスキルは「無理往生」」
マヤ「魔物を使役して自由に操れるんだって」

〇魔界
フォルト「お、お前は行方不明になっていた前四天王の・・・」
ユウト「即死コンボで終わらせてもらいますね」
フォルト「!?」
フォルト「グ、グギャァアアアアアア!」
アルボ「・・・」
ユウト「では報酬をいただきます」
アルボ「は、はい!」

〇住宅街
マヤ「後、お母さんの特技は料理」
結城「マヤのお母さん料理学校の先生だもんね」
マヤ「そうそう、だから料理技術が強化されたの」
マヤ「スキル名は「俎上之鯉」(そじょうのこい)」

〇魔界
ヨシミ「あらあら、こまったわ~」
ヨシミ「今、夕食の準備をしていたところなのよ~」
アルボ「す、すいません、こちらも緊急事態でして・・・」
ヨシミ「そ~なの~?」
アルボ「えっと、報酬ははずみますので・・・」
ヨシミ「あら、それなら以前いただいたオリハルコンでお鍋を作って下さる〜?」
ヨシミ「アレ熱伝導率が凄く良い上に汚れが付かないのよ~♪」
アルボ「か、鍛冶師に相談してみます」
ヨシミ「ありがと~♪」
ザンク「おい!何時まで俺を無視して・・・」
ヨシミ「じゃあ、スグに料理しちゃうわね~」

〇住宅街
結城「「そじょうのこい」?」
マヤ「そ、簡単に言えば・・・」
マヤ「「まな板の上の鯉」ってこと」

〇魔界
ザンク「か、体が動かん!」
ヨシミ「うふ♪」
ザンク「ギッ!」
ザンク「ギャガァアアアアア!!!」
アルボ「・・・」
ヨシミ「あらあら、切り過ぎちゃったわ~」
ヨシミ「三枚おろしくらいにするべきだったかしら〜?」
アルボ「い、いえ、大丈夫です・・・」

〇古いアパートの部屋
マヤ「ただいま~」
ヨシミ「あら、お帰り~」
ユウト「お帰り」
マヤ「はい、今日の報酬」
ユウト「僕も」
ヨシミ「あらあら、ありがと~」
ヨシミ「二人のお陰でマイホーム資金もだいぶ溜まってきたわね~♪」
マヤ「お母さんも料理道具じゃなくて宝石とか貰えば良いのに」
ヨシミ「だって料理がお母さんの収入源なんですもの~」
ヨシミ「これだってちゃんと家計の役にたってるのよ~♪」
マヤ「はいはい」
マヤ「で、お父さんは?」
ヨシミ「今日は早く帰って来るって言ってたんだけどね~?」
マヤ「あ~ひょっとして・・・」
ユウト「だろうね」

〇魔界
ケンジ「いや~今夜も酒がウマい!」
ワンルード「くそっ!」
ケンジ「はっはっは!何だか暑いね~!飲みすぎたかなぁ!?」
ワンルード「ちょ!?何なんだコイツは!?」
シルフィーネ「アルボ・・・アレは?」
アルボ「「壺中之天(こちゅうのてん)」あの人は酔っぱらっている限り無敵なんだよ」
シルフィーネ「はぁ・・・」
ガーランド「酒が特技って何なんだよ・・・」
アルボ「俺に言われても・・・」
ケンジ「お兄さんも一杯いきますかな!?」
ワンルード「や、やめろ!俺に近付くなぁ!」
ケンジ「うっ!!」
ワンルード「!?」
ケンジ「う・・・うぼぉろろろろろ!」
ワンルード「ぎ、ぎゃぁああああああ!」

〇古いアパートの部屋
ヨシミ「お父さんアッチで残業っぽいから、先にお夕飯にしましょ~」
マヤ「は~い」
ヨシミ「お父さん用にシジミのお味噌汁でも作っておこうかしら〜?」
ユウト「お父さんアッチへ行くと必ず酔っぱらって帰って来るからね」
マヤ「お酒弱いくせに酒造メーカーに勤めてるから、お酒が特技とか判断されちゃうんだよ」
ユウト「知識だけはあるもんね」
ヨシミ「それでも二日酔いに負けず、家族のために頑張って来てくれるんだから感謝しなきゃ♪」
マヤ「はいはい、わかってるよ」

〇魔界
ガーランド「なあアルボ、俺すげぇむなしいんだけど・・・」
アルボ「言うな、俺達には俺達でやるべきことがある」
シルフィーネ「やるべきことって、彼等への報酬を稼ぐことですか?」
アルボ「・・・」
ワンルード「な、なぜだ!なぜ飲んでない俺まで気持ち悪く・・・オエェ!」
ケンジ「はっはっは~!今日の酒は一段とウマい!」
ワンルード「や、やめろー!それ以上飲むなぁー!」
  こうして世界線を超えた勇者達の奮闘は続くのでした・・・

コメント

  • 血の繋がりがなく末裔ではないお母さんまで異世界で特技を発揮できるなら、養子でもポチでもタマでもどんどん家族を増やして報酬をアップできますね。報酬以外にアルポに願うことは、とにかくトイレの最中だけはなんか合図を決めといてくれ、ですよね。

  • この設定、面白すぎますね!水着姿のマヤさんの召喚シーンからずっと笑ってしまいました。
    それにしても、1日に4回も「切札」を召喚するアルボさんパーティー、力量的に心配になりますねww

  • とんでもない力を持つ家族ですね笑
    もはや勇者アルボが本当に必要なのか…、いや、呼び出すためには必要か…、でももう少し役に立ってほしい気持ちもありますね笑

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