生徒会広報部女子と無口でクールな同級生男子

高橋

サイドストーリー~吉村翼(脚本)

生徒会広報部女子と無口でクールな同級生男子

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〇教室
  吉村翼は、舟岡桜からモデルの打診を受けた時に驚いた
  高校1年生の時から同じクラスで、今は隣の席の彼女とは他の女子よりかは話すが、そんなに話をしたことがなかったからだ
吉村翼「僕に、学校のパンフレットのモデルをやってほしい? 何で、僕?」
舟岡桜「後輩ちゃんに聞いたんだけど、吉村君って、人気があるみたいだよ」
吉村翼「僕が人気?聞いたことないけど」
舟岡桜「本人は、気づいていないかもって。 後輩ちゃん達も言ってたよ」
舟岡桜「吉村君。 普段、女子生徒とあまり話さないから、そういったことあまり知らないのかもね」
吉村翼「うん。知らなかった」
舟岡桜「あははは。知らないよね」
吉村翼「それで、人気があるから僕にモデルを頼んだの?」
舟岡桜「いやいや、それだけじゃないよ。正直、誰でも良いってわけじゃないんだ」
舟岡桜「撮るなら写真を撮られるのが、苦手な人じゃないほうが良いし」
舟岡桜「嫌がる人を無理やり撮ることできない。良い表情を撮りたいから」
舟岡桜「吉村君は、いつも無表情でクールなに見えるけど、男子と話す時は、笑顔で話したりしているし、」
舟岡桜「授業中でも先生が面白いこととか言ってる時に、分かりにくいけど、笑ってる時あるよね」
舟岡桜「その表情が前から良いなあって。思ってたんだ」
吉村翼「え?見られてたの?」
舟岡桜「ごめん。見るつもりはなかったんだけど、見えちゃって」
吉村翼「別にいいけど。 僕が、モデルを断ったら、誰かにまたお願いするの?」
舟岡桜「そうなるかな。 例えば、星見君とか?」
吉村翼「俊弥に?」
舟岡桜「星見君。いつも表情がくるくるしているし」
吉村翼「くるくるって。 でも確かに、俊弥は喜怒哀楽が分かりやすいやつだよね」
吉村翼「(心の声) 俊弥が、舟岡さんと撮るくらいなら、僕がやりたいなあ」
吉村翼「モデルの件、引き受けるよ」
  こうして、翼はモデルの引き受け、自分のお願いも代わりに聞いてくれるよう、桜にお願いした

〇ファストフード店の席
  翼と親友の俊弥が話をしていた
星見俊弥「それで、舟岡さんには、何で呼びだされたんだ?」
吉村翼「モデルをやってくれないかって、お願いされた」
星見俊弥「モデル?」
吉村翼「学校のパンフレットを作るから、モデルをやってくれないかって」
星見俊弥「断ったんだよな?」
吉村翼「引き受けたよ」
星見俊弥「引き受けた!」
吉村翼「やってもいいかなって」
  俊弥は、驚いていた。
  翼とは、幼稚園の時から付き合いだが、女の子にお願いされても引き受けたことが、今までなかったからだ
星見俊弥「どういう風の吹き回しだよ」
吉村翼「失礼なやつだな」
星見俊弥「・・・」
吉村翼「舟岡さんに、お願いされたからね。 やろうかなぁって・・・」
星見俊弥「お前、舟岡さんに気があるのか?」
吉村翼「・・・」
星見俊弥「無視かよ。 そうなんだろ? いつからだよ?」
吉村翼「俊弥に教えるわけないだろ」
星見俊弥「教えろよ!」
吉村翼「やだ!」
  俊弥は、長年の経験から、これ以上は聞いても無理だと思い、聞くのを諦めた
星見俊弥「(心の中) しかし、翼が舟岡さんのことが、好きなのは知らなかったなぁ~」
星見俊弥「1年の時から、同じクラスで、席も今隣だから、接点はあるが、あまり話をしているところを見たことがないぞ」
星見俊弥「撮影は、いつやるんだ?」
吉村翼「明後日からだって」
星見俊弥「舟岡さん達に迷惑かけんなよ!」
吉村翼「分かってるよ」

〇開けた景色の屋上
  翼は、撮影に慣れていないが、一緒にモデルをしている真美は撮影に慣れているようだった
  撮影中の雑談の中で、翼は真美と話しをした
吉村翼「立花さん、撮影慣れてるんだね?」
立花真美「桜が、良く写真撮ってくれるから」
吉村翼「写真を?」
立花真美「桜は、写真を撮るのが趣味だから。 いわゆる、カメラ女子ってやつ」
吉村翼「カメラ女子?」
立花真美「そう、カメラ女子。 最近、流行ってるよね。人物だけではなく、景色とか色々なものを撮っているみたいだよ」
吉村翼「そうなんだ」
立花真美「だから、先生も生徒会の広報に写真を頼んだじゃないかな?」
吉村翼「舟岡さんが、写真を撮ってるって先生も知っているくらい、有名なんだね」
  翼は、桜が写真を撮っているのは、生徒会の広報だからだと思っていたが、プライベートでも写真を撮っていることを初めて知った
吉村翼「僕は、舟岡さんのこと何も知らないんだな」
  翼は、こうつぶやいた
  翼は、桜のことが気になっていた。
  今回、モデルを引き受けたのも桜の事が気になっていたからだ

〇映画館のロビー
  一ヶ月後、翼は桜と約束した映画を観に観て来ていた
  翼は、桜と出かけたいと思い、モデルをするお礼に映画に一緒に行ってほしいと誘ったのだった
吉村翼「映画一緒に観に来てくれてありがとう」
舟岡桜「どういたしまして。 私も映画観るの久しぶりだから、楽しみだったから」
吉村翼「舟岡さんは、男と2人で、映画観に行くの大丈夫なの?」
舟岡桜「? 大丈夫だけど」
吉村翼「僕なら。緊張しちゃうけど」
舟岡桜「他の人だったら、断ってたかも。 吉村君とは、今まで、あまり話したことなかったけど、もっと話してみたいと思ってたから」
吉村翼「何で?」
舟岡桜「吉村君って。不思議な魅力があるというか。どこか人を引き付ける所があると思うんだよね」
吉村翼「そうなんだ。全然僕は分からないなぁ。 でも、僕も舟岡さんともっと話してみたいと思っていたんだ」
舟岡桜「そうだったんだ。 私達、同じこと考えていたんだね」
吉村翼「あははは。そうみたいだね」

〇テーブル席
  映画を観た後は、感想を言いながら、ショッピングモール内にあるカフェに入った
吉村翼「今日観た映画は、原作があるんだよ」
舟岡桜「吉村君。 読んだことあるの?」
吉村翼「読んだことあるし。 本も持ってるよ。 今度貸そうか?」
舟岡桜「ありがとう」
  こうして、翼は桜に小説を貸すことになった
  翼は、女子と話さないが、桜とは少し話したことがあり、話しやすいと思っていた
吉村翼「舟岡さんとあんまり話したことなかったけど、話しやすいなぁ」
舟岡桜「吉村君。 これからは、女子ともう少し話してみたら。話してみると、話しやすい子いると思うよ」
吉村翼「うん。話してみようと思う。でも、突然話しかけたら驚かれるかな?」
舟岡桜「それは、大丈夫だと思うよ。 他の子も吉村君と話したいと思ってるから」
吉村翼「そうなんだ。じゃあ、女子と話してみるよ。 その第一歩として、舟岡さん僕と友達になってくれる?」
舟岡桜「もちろん」
  こうして、翼は桜と友達になったのだった

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