みえないよ

Mio_Aikawa

第6話 ココカラ(脚本)

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〇病室
  ぴかっー!ゴロゴロー
「ふぎゃあふぎゃあ!」
花野ゆき「ああ、泣き止まない。雷の音でかなー」
花野ゆき「あと2日で退院だからねー、お家行けるよー」
花野ゆき「よーしよし!」
美山 真優「あらー泣いてるのー!大丈夫?」
花野ゆき「泣き止まなくて・・・・・・」
美山 真優「あれまーそうなのーちょっといいー?」
花野ゆき「お願いします・・・・・・」
美山 真優「ほーれよしよしー」
「ふにぁ・・・・・・すーすー」
花野ゆき「す!すごい!」
美山 真優「包み込むように抱けば寝るわよー」
花野ゆき「ありがとうございます!真似させて頂きます!」
美山 真優「是非どーぞー!」
美山 真優「そろそろかなー」
美山 「まま!!」
美山 「楽は?!」
美山 真優「静かに、寝てるよ」
美山 「うあァ可愛いなあ!」
美山 真優「それじゃ失礼しますわねー」
花野ゆき「・・・・・・」
花野ゆき(朔馬がいたらこんな感じだったのかな)
「ふにぁ・・・・・・ふぎゃあふぎゃあ!!」
花野ゆき「よーしよしよし大丈夫大丈夫、ママいるよー寂しい思いさせちゃうけどごめんね。ママ頑張るからねー」
「ぎゃあああ!!!!!!!!!ぎゃあああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
花野ゆき「変な泣き方してる!で、でもこれが普通なのかな」
「ぎゃあああぁ・・・・・・あ、あ」
花野ゆき「あ、寝ちゃった?」
花野ゆき「私も眠たくなっちゃった。寝よう」

〇病室
  翌朝
花野ゆき「おはよう夏海!」
  夏海を抱き抱えた
花野ゆき「え、冷たい」
花野ゆき「え、う、うそ、な・・・・・・」
花野ゆき「死んでる?」
花野ゆき「お医者様!お医者様っ!!」
医者「どっどうなさいました!!」
花野ゆき「夏海がっ、夏海が冷たいんです!!!」
医者「え!赤ちゃんをこっちに!」
看護師「これはもう・・・・・・」
医者「・・・・・・死亡確認」
花野ゆき「うそ・・・・・・そんな・・・・・・」
花野ゆき「うあぁぁぁぁあぁあ!!!」
花野ゆき「まだ4日しか生きていんですよ!!明日家に帰れたんですよ!!そんなっ・・・・・・」
医者「昨晩おかしな様子などありませんでしたか」
花野ゆき「昨日・・・・・・あ、変な泣き方しました。普通なのかと思っちゃって・・・・・・」
看護師「・・・・・・それですね」
医者「落ち着いたら手続きなど終わらせて家に帰りましょう」
花野ゆき「そん・・・・・・なっ」
「・・・・・・」

〇渋谷のスクランブル交差点
花野ゆき「朔馬、夏海」
花野ゆき「全部失っちゃった。守るって約束したのに」
花野ゆき「全部、全部」
花野ゆき「なくなっちゃった」
花野ゆき「何もかも」
花野ゆき「全部」
花野ゆき「親友も」
花野ゆき「夫も」
花野ゆき「守るって約束した子供まで」
花野ゆき「友達も親も家族も」
花野ゆき「みんなわたしから離れちゃったよ」
花野ゆき「わたし」
花野ゆき「死のうかな」
花野ゆき「このまま進んじゃえば」
花野ゆき「きっと」
花野ゆき「逝けるハズ」
「おい!大丈夫か!!」
「きゃー!救急車呼んで!!」
「あの車逃げやがった!ひき逃げた!」
  ああ
  やっと
  みんなのとこに
  いける
  よね

〇玄関の外
  ゆきは
  死んだ
  ゆきが死んだことを知った天音は嬉しかった
  「ようやく邪魔者が同じ世界に住んでいない
  なんて綺麗な空気なの」
  と言った。
  ゆきが死んでから数年後
松宮 天音「行ってらっしゃいあなた」
松宮 海吏「行ってくるよ天音」
松宮 天音「真人ー!お父さん行くよー」
松宮 真人「行ってらっしゃい!パパ!」
松宮 天音「パパじゃないでしょ!お父さんでしょ!」
松宮 真人「パパの方が呼びやすいモーン!」
松宮 海吏「でも真人は今年受験だろー!ちゃんと勉強して、帝国小学校入るんだぞ」
松宮 真人「勉強してるよー!」
「あはははは!!」
松宮 天音「あら!こんな時間!早く行かないと遅刻しますよ!行ってらっしゃい♡」
松宮 真人「行ってらっしゃいー!」
松宮 海吏「行ってきます」
  現在、天音は大手財閥のトップと結婚し、子供を小学校受験させようとしている。
  とても幸せに暮らしている
  幸せに死ぬ
  孫もひ孫も玄孫も見れる
  天音は最後まで幸せに暮らした
  びっくりしたことがある
  それは孫の顔が朔馬にそっくりなこと
  でもそんなこと誰も知らない
  天音はこのことを誰にも言わずに
  幸せに死んだ

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