俺の家族が諸々問題ありすぎるが、とりあえず生きていくうえでは問題は無いハズ⁉

安東門々

ありふれた日常を求めているが!?(脚本)

俺の家族が諸々問題ありすぎるが、とりあえず生きていくうえでは問題は無いハズ⁉

安東門々

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〇高層マンションの一室
中園 未来「うわぁー! やべぇ、遅刻するって!」
中園 希「あら~💛 未来ちゃん、行ってらっしゃい。気を付けてね♪」
中園 昭「おぉ、未来。これから学校か、今日は素早く帰るように、常世の門が開きそうだからな」
中園 未来「あぁ! わかった。んじゃ、行ってきます!」

〇開けた交差点
  普通の学園生活を送るためには、目立たないようにしなければいけないが、どうしても友だちには家族を紹介できない。
  なぜなら、ご覧のように俺の家族は【普通】とはかけ離れているからだ。

〇高層マンションの一室
  まず、紹介したいのは俺の母親で中園 希って言うんだけれども、見ての通り見た目は18歳でかなりアレな恰好を常にしている。
  元魔法少女らしく、異世界で人類を救う活動を行っていたらしい。ちなみに、今も魔法で見た目を変えているので
  実年齢を聞くと、記憶ごと抹消されるため誰も年齢はしらない。今の仕事はネットアイドルで投げ銭機能でウハウハと言っていた。
中園 希「もう! ダメでしょ、女の子に年齢を聞いちゃ♡」

〇高層マンションの一室
  次に紹介するのは、中園 昭 で俺の父親だ。母同様に異世界で魔王をやっていたらしいが
  母と恋に落ちて、そのまま魔王を引退して「どうせなら、全然知らない世界で愛し合おう」という、謎の行動力を発揮して
  現在の地球に来たらしい。ちなみに今の仕事は異世界の門を潜って、チート冒険者をやっているらしい。
中園 昭「ほら、未来。パパって昔のように呼んでいいんだぞ♪」

〇村に続くトンネル
  ついでに紹介すると、この意味不明な人は中園 元気、名前とは裏腹な見た目をしているが、兄だ。
  普段の会話は「シュコー」しか言わないけれど、家族内では通じているので問題ない。
  年齢は22歳で職業はデーモンハンターという謎の仕事をしている。本人曰く
  日本だけだとライバルが多いらしく、世界各国を飛び回ってハントしているらしい。そんなにライバル居るのかよ!
  父もデーモンなのだが・・・・・・
中園 昭「えー地球のデーモンとか僕の配下でもないし、別に興味ないもんねぇー」
  と、言っていたので問題ないそうだ。
中園 元気「シュコー(今日はママのオムライスが食べたいなぁ♪)」

〇ピラミッド
  更に、追加で紹介するならこちらが俺の姉の中園 微笑だ。
  すでに、ほほ笑んでいるかも不明な外見をしているが、この戦闘用ロボットMB21ーtypeD のパイロットとして活躍している
  ずっと、メカの中で生活している変態で、職業は地球に飛来した地球外生命体を討伐する任務に就いている。
  アメリカの精鋭部隊の若き隊長として、戦場を駆け巡っているので、滅多に帰ってこない。
  俺たちが地球外生命体と遭遇しないのは、こういった人たちの活躍によるらしいが、そんなに飛来しているのかと驚く。
中園 希「そうよ~♡ エイリアンさんたちはいつも地球を狙っているから微笑ちゃん頑張ってねぇ~♬」
  と、母は言っている。おそらく生身の姉と会ったのは去年の誕生日で、プレゼントしたクマのぬいぐるみを大事にしていたなぁ
中園 微笑「未来に悪い虫がつきませんように、もし、ついたらお姉ちゃんが全力で阻止してあげるからね♥」

〇開けた交差点
  以上が、俺の家族なんだけど・・・・・・どう考えても日本の普通の家族とはかけ離れているのは知っている。
  だから、俺は普通の生活に憧れているけれど、中々そうは上手くいかないんだよなぁ・・・・・・
中園 未来「はぁ・・・・・・もういっそのこと、事実を公開しちゃいたいけれど、無理だよなぁ・・・・・・」
  ちなみに、俺も普通ではなく。ちょっと事情があるのだが・・・・・・

〇大樹の下
中園 未来「いや、本当に普通に生活したいよなぁ。おっと、遅刻しちゃうから近道通っていくか!」
中園 未来「ん? あれは、確か隣の市にある学校に入学したヤンさんじゃない?」
  近道をしようと、公園を通っているとその時、中学時代の友人がなぜか突然現れた
ヤン・デレ「あ、未来くん 久しぶり」
中園 未来「あ、ヤンさん! 久しぶり、中学校以来だね! 学校ここから随分と離れているけれど、大丈夫なの?」
ヤン・デレ「うん・・・大丈夫だよ。今日はね、未来くんにどうしても伝えたいことがあって来たの」
  俺に伝えたいこと!? ヤンさんは、普段おとなしくて目立たない人だったけれど、よく見ると凄く美人だし、も、もしかすると!?
ヤン・デレ「私・・・未来くんのことが大好きなの、本当に心から大好き」
中園 未来「え!? そ、それって本当に!?」
ヤン・デレ「本当よ、今まで門が開かなくて想いを伝えられなかったけれど、今日開いたからどうしても伝えたくて来たの」
中園 未来「え? 門って・・・ま、まさかね・・・」
  今朝の父さんの言葉がズッと心に刺さってくる。

〇高層マンションの一室
中園 昭「ふふ~ん、今週末はママとデート♡  どこにしようかなぁ、火竜の巣とかこの間滅ぼしたからちょうどいいかも♪」

〇大樹の下
  違う違う! そんな話じゃなくて、確か常世の門とか言っていたような・・・
ヤン・デレ「今まで、ずっと我慢していたの。辛かったわ、だって、こんなに美味しそうなんだもん、食べたくて食べたくて辛かったわ♡」
中園 未来「え、えぇっと、それって物理的な意味で?」
ヤン・デレ「もちろん、こんな美味しそうな香りのする人間、今まで会ったことがないの、これはきっと運命ね! だから・・・」
中園 未来「だ、だから・・・?」
  俺は一歩後ろに下がると同時に、ヤンさんの姿がバキバキと代わっていく。
ヤン・デレ 「タベタイ・・・クウ・・・ニク、喰う!」
「ぎゃーー! ストップ、ストップ。冗談キツイってぇぇぇ――!!」

〇村に続くトンネル
中園 元気「!!!!!! シュコー (やっぱり、ナポリタンがいいかなぁ・・・)」

〇ピラミッド
中園 微笑「!!!! 未来の声が聞こえたわ、あれはたしか5歳の誕生日に「お姉ちゃん、大好き」って言ってくれたわよね」
中園 微笑「もう、最高可愛い。早く未来に会うために、目の前のエイリアンたちどきなさい! 全員、全力で仕留めるわわよ!」
ソルジャーA「イエッサー!! (ブラコンすぎるぜ!)」
ソルジャーB「了解した。援護は任せろ! (ブラコンすぎるぜ!)」

〇高層マンションの一室
中園 希「パパ~ちょっと異世界に行って、ワイバーンの卵とってきてくれない? 元気ちゃんがオムライス食べたいんだって♡」
中園 昭「んもー しょうがないなぁ、愛する息子とママの頼みはきかないとな、では行ってくるよママ♡」
中園 希「うふふ、行ってらいっしゃいね♬」

〇見晴らしのいい公園
中園 未来「ダメだ! どうしよう、家族が一人も助けにきてくれる気がしない!」
ヤン・デレ 「逃げルな・・・喰わレロ!!」
中園 未来「いや~実際のところ、美少女に食べられるのは物理的でないかぎりは大歓迎なんだけどね」
中園 未来「残念だけど、そういったイベントは俺には起きないんだよ」
ヤン・デレ 「喰わレロ・・・」
中園 未来「はぁ・・・正直、あまり気がのらないし嫌なんだけどね」
  俺は静かに深呼吸をし、ある呪文を心の中で唱えた。すると、徐々に体に異変がおきてくる。
ヤン・デレ 「諦メタ?」
ヤン・デレ 「ナ!? ダ、ダレ?」
中園 未来 覚醒Ver「失敬な、お前が食べたくて恋焦がれるほど愛した中園 未来だが」
ヤン・デレ 「へ? 嘘?」
中園 未来 覚醒Ver「嘘なわけなかろう、本当の姿はこうだ。ただ、俺の願いは普通に生活することなのだ」
  そう、俺の職業は生まれながらにして決まっていた。それは【勇者】であった。
  魔法少女と魔王の血を受け継ぎ、特異な存在として誕生する。しかし、普通の生活に憧れた俺はモブらしい外見で
  普段は過ごしている。でないと、デフォルトでこの煌びやかな甲冑を身に着けるので、浮いてしょうがない。
中園 未来 覚醒Ver「ヤン・デレさん・・・あなたを元いた世界に戻そう」
ヤン・デレ 「うるさい! ダマれ! 喰わセロ!」
中園 未来 覚醒Ver「はぁ・・・人がいない場所で良かった」
中園 未来 覚醒Ver「セイクリッド・ファイアウォール!!」
  全ての悪しき存在を亡ぼせる聖なる炎、正直俺の力は父も屠れるほどあるが、流石に親に力を向けるつもりはない。
ヤン・デレ 「ギャッ! ぎゃあぁぁぁぁ――!」
中園 未来 覚醒Ver「終わりだ」
  一瞬で全てが無くなり、ただ風だけが通っていく。
中園 未来「あぁ・・・遅刻確定じゃん」
  これは、そんな一癖も二癖もある俺たち家族の物語、目標は目指せ! 普通の人間の暮らし!!
中園 未来「ま、そのうちどうにかなるだろ」

コメント

  • 結局、家族の中で最強なのは未来の覚醒Verなんですね。一般社会でも一見普通に見える人が一番ヤバかったりしますもんね。それにしても「常世の門が開く」ってかっこいいフレーズだなあ。

  • 余すところなく皆楽しい家族ですね。個性が強すぎるけど、それがきっちり噛み合っているステキ家族でw それぞれの目線での日常ストーリーも見てみたくなりますね。

  • 唯一まともだと思っていたのに…。
    もれなく全員が普通とかけ離れていたわけですね笑
    なんとまぁ個性豊かな方々の集まりだこと…!

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