秘密のアイドル(脚本)
〇教室
ナナ「ねぇ、見た!? 昨日のテレビ!」
レナ「もちろん! レオ様の特集、最高だったよね!」
ユラ「私も、録画して何回も見ちゃった! はぁ、レオ様・・・・・・本当に最高のアイドルだわ・・・・・・!」
とある日の教室。
今日もいつものように教室は大人気アイドル、『柊怜央(ひいらぎれお)』の話題で持ちきりだった。
『レオ』という愛称で親しまれている彼は、今となっては珍しいソロアイドルである。
デビューするや、その圧倒的な歌唱力、演技力、様々な番組などでの活躍でまたたくまに芸能界のトップに登りつめてしまった。
そして、数多の女性が虜になってしまうのはなんといっても彼の甘いマスクによるものだろう。
『一万年に一人の美少年』そんな大げさな評価も実際に彼の素顔を見れば納得してしまうはずだ。
──以上。
yahaaニュースより引用。
教室の隅。
スマホを見ながら『俺』はため息を吐いた。
飽きる事なく柊怜央の話を続ける彼女たちをなんの気なしに見つめる。
ナナ「ちょっと、根元(ねもと)が何かこっち見てるんだけど」
レナ「うへぇ、相変わらずキモい。あのスマホで私たちのこと盗撮してるんじゃないかしら」
ユラ「根元から離れて、あっちでレオ様の話をしましょ! 根元のキモい視線に耐えられないわ」
そう吐き捨てて彼女達は少し離れて行った。
星陵高校2年B組。
根元冬至(ねもととうじ)。
それが俺の名前だ。
顔は前髪で完全に隠れていて、誰とも話そうとしないその陰気な様子から勝手にオタク扱いされている。
ごらんのように少し女子を見ただけで気味悪がられてしまう。
このクラスの陰キャであり、
──そして、実はそんな俺が大人気アイドル『柊怜央(ひいらぎれお)』の正体である。
レナ「レオ様が主演の新作映画! じつは試写会のチケットが当たったんだ! 日曜日に横浜の映画館!」
ナナ「え~!? いいなぁ~! とんでもない倍率だったんじゃないの!?」
ユラ「ちょっと待って、普通そういうのってペアチケットとかじゃない?」
ナナ「え!? じゃ、じゃあもう一人行けるってこと!?」
レナ「2人しか行けないならわざわざこんな話をしないわ。なんと、ちょうど3人分行けるチケットなの!」
レナ「もちろん、あなたたち二人と一緒に行きたいわ!」
ナナ「やったぁぁぁ!」
ユラ「ありがとう、レナ! 持つべき者は友達ね!」
少し離れた彼女たちからそんな話が聞こえてきていた。
今週末の試写会、そして場所は横浜の映画館・・・・・・
マズい、その日は俺こと柊怜央(ひいらぎれお)がサプライズで上映前に現れる予定だ。
とはいえ、学校で日常的に散々軽蔑しているクラスの陰キャがまさか自分達の好きな大人気アイドルだなんて思いもよらないだろう。
大丈夫、俺の秘密はきっと彼女たちにはバレないさ・・・・・・
そう考えているうちに、始業のチャイムが鳴り生徒たちは席についた。
続きが気になるお話ですね!もし陰キャ君が憧れのレオ様だと気づいたら…!彼女たちの手のひら返しが見れるのか?それとも、なーんだ陰キャだったのか、と負け惜しみを言うのか、どちらかな?
続きが気になる!とても楽しい作品でした。シチュエーションがいいですね、実は、、、な感じがいい!短いお話しに上手に話が展開されていると思いました。
続きが気になります。学校で陰キャラを演じているところは本当の自分なんでしょうか?だとすれば、アイドルとして売れるのは才能でしょう。