オリジナル(脚本)
〇星
今日はクリスマスイヴ
サンタクロースを待ちわびる子供たちが
いつ来るかと待ちわびているころ
サンタクロースは、頭を悩まされていた
〇イルミネーションのある通り
サンタ「なぜ方向が分からないんじゃ?」
サンタ「右じゃてみーぎー」
トナカイ「・・・」
トナカイは左に足を動かした
サンタ「じゃ今度は、左じゃひーだーり」
トナカイ「・・・」
トナカイ「・・・」
今度は右に足を動かした
サンタ「どうして方向が分からないんじゃ」
サンタ「なにか不満があるのか?トナカイ」
トナカイ「グルル...」
サンタ「お願いじゃ、今夜中には街の良い子たちに プレゼントを配り終わらないと...」
トナカイ「(プイッ)」
サンタ「んんーどうしたもんか...」
成美「うわ~大きいおウマさん」
サンタ「おやっ!」
成美「あれ?サンタさん! ?」
サンタ「そっ、そそそうだよ?」
トナカイ「ガルル!」
サンタ「いたっ!」
サンタ「落ち着かんか、トナカイ....」
トナカイ「・・・」
成美「トナ...カイ...さん」
成美「サンタさんきらいなの?」
トナカイ「・・・」
サンタ「う、うなずいているのか?」
サンタ「毎年、一緒に頑張ってきたじゃないか」
トナカイ「ガル」
成美「え? ?」
トナカイは女の子の服を軽く噛んだかと思うと背中に乗せ、そのまま走り去ってしまった
サンタ「トットナカイーーーーーー!」
〇公園のベンチ
サンタクロースが見えないところで
トナカイは足を止めた
トナカイ「・・・」
成美「びびびっくりしたぁ」
トナカイ「!」
〇大きいショッピングモール
サンタ「ほおら、クリスマスプレゼントだぞ~」
男の子「うわあ~~い!欲しかったんだこれ!」
男の子「ありがとう!じいじ!」
サンタ「あはははは」
〇公園のベンチ
トナカイ「キュゥ...」
成美「トナカイさん?」
成美「悲しいの?」
トナカイ「・・・・・・」
トナカイは、まるで"違う"と言っているかのように、首をブルブル震わせた
成美「じゃあ、どうしたの?」
トナカイ「・・・」
〇大きいショッピングモール
トナカイの目には、
笑顔で溢れた人々の
プレゼントをもらって良かったと
思ってくれている光景が映っていた
〇公園のベンチ
成美「プレゼントを、わたしたいの?」
トナカイ「♪」
成美「そっか!トナカイさんは はこぶんじゃなくて」
成美「わたしたいんだね!」
トナカイ「♪ ♪ ♪」
そこへ、トナカイが乗り捨てたソリを
引きずりながら、サンタクロースが
駆けつけた
サンタ「はあ、はあ...」
サンタ「追い付いたわい...」
成美「あ!サンタさん!」
成美「わかったよ!トナカイさん、 サンタさんのおてつだいしたいみたい!」
成美「プレゼントをはこぶんじゃなくて プレゼントをわたしたいんだって!」
サンタ「ええっそうなのか?トナカイ」
トナカイ「・・・」
サンタ「そうかそうか、気づかなくてすまないな」
サンタ「それじゃあ今年は、お前さんが渡す番だ」
サンタ「頼んだぞ」
トナカイ「♪」
サンタ「じゃあまずは...」
サンタ「少し早いが、君のプレゼントだよ なるみちゃん」
成美「え!どうしてわたしの なまえ知ってるの?」
サンタ「ソリに乗りながら、良い子にしているか 見守っていたんだよ?」
サンタ「ほらトナカイ、渡してあげなさいな」
トナカイ「・・・」
成美「えへへ、ありがとう、トナカイさん」
トナカイ「♪」
サンタ「それじゃあ、次の良い子たちの ところへ行くとするか」
成美「ええーもういっちゃうのぉ...?」
サンタ「ごめんね、君のようにプレゼントを 待ってくれてる子に会いに行かなきゃ ならないんだよ」
サンタ「君のおかげで、トナカイの思っていることを知ることができた」
サンタ「君がいなかったら、今日中にプレゼントを 届けることは叶わなかったかもしれん」
サンタ「感謝しているよ ありがとうね」
サンタ「また来年会おう」
成美「・・・」
成美「あのね、サンタさん」
成美「おねがいがあるの」
サンタ「何かな?」
成美「トナカイさんにさよならしてもいい?」
サンタ「いいとも」
トナカイ「・・・」
女の子は大きなトナカイの胸を包み込み
小さくも大きく手を広げて抱き締めた
成美「トナカイさんのきもち、分かってよかった」
成美「サンタさんとなかよくしなきゃ めだよ?」
トナカイ「♪」
成美「うん」
成美「じゃあね、サンタさん!トナカイさん!」
サンタ「ああ」
サンタ「聖なる夜を」
サンタ「メリーーークリスマーーース♪」
サンタクロースはソリに腰かけ、
トナカイへ「右へ」と指示を出す
するとトナカイは、右へ駆け出した──
成美「サンタさ~~~~ん!」
成美「トナカイさ~~~ん!」
成美「メリーーークリスマーーース! !」
反抗期のトナカイが可愛すぎて悶絶しました。通訳の成美ちゃん、グッジョブ。さすが良い子の味方のサンタさんですね。「使えねーやつだな」とか「ほかのトナカイとチェンジするぞ」的な暴言は吐かないんだ。良い子の夢が壊れなくてよかった。
トナカイさんの言い分に納得しました。サンタさんばかりがクリスマスの主役になってしまうの、脇役としてちょっとヤキモチ焼いてしまうのとってもわかるし、可愛いなあ!
確かにトナカイさんはいつもサンタさんの乗り物としての役割として親しまれていますよね。
そりゃあ毎年毎年アッシーじゃ不満が溜まりますよ…!