悪魔さんと天使のゆる~異日常

ヨリミチ

エピソード7(脚本)

悪魔さんと天使のゆる~異日常

ヨリミチ

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〇テラス席
悪魔さん「さっきはごめんなさい 蹴っちゃって・・・」
ウエイトレス「お待たせいたしました~。オムライスです」
エルエル「え? なんですか!?」
悪魔さん「いや、だから蹴っちゃったからその──」
エルエル「それより、食べていいですか?? 食べますね!?」
悪魔さん「あ、・・・ど、どうぞ」
エルエル「美味しい・・・おいしいでずぅううう!! 蹴られてよかったあああ!!」
  いや、まあ・・・うん。蹴ったお詫びにごちそうするってレストランに連れてきたわけだけど──
悪魔さん「す、好きなだけ食べていいからね?」
エルエル「あなた天使ですか!?」
悪魔さん(・・・なんで私、天使って言われるのかしら)
エルエル「ごちそうになります! グラタンとスパゲッティ、それからハンバーグにかつ丼、それからぁ・・・」
悪魔さん「待って待って待って!! いくら好きなだけって言っても限度があるでしょ!?」

〇商店街
エルエル「あ~お腹いっぱい・・・幸せです~~!」
悪魔さん「容赦なさすぎでしょ! 財布が空になったんですけど!?」
  今月厳しいのに・・・
エルエル「だって、お腹空いてたんですもん! それになんでもごちそうするって言いだしたのはあなたですよね?」
悪魔さん「うぐ・・・」
  ゴミと間違えて蹴ったのは事実だから、それを言われると私は何も言えない
悪魔さん「ま、まあ、これでお相子ってことで。あんた次は蹴られない場所で転がりなさいよ。じゃあ──」
  立ち去ろうとすると、肩を掴まれた
エルエル「まあまあ、せっかく出会えたのも何かの縁です。名乗ってませんでしたね。私はエルエル。天使やってます!」
悪魔さん「べ、別に名前とか教えなくてもいいわよ。どうせ二度と合わないんだしべつに・・・」
エルエル「教えたくない事情があるんですね! わかりました! 名無しさんって呼びます!!」
  このぐいぐい来る感じ、苦手な──
  ん? 聞き間違いかしら?
悪魔さん「ねえ、今あんた天使って・・・・・・」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「アクマさーん!!」
悪魔さん「熊子? なによ? 何しに来たの??」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「やっと見つけました! お泊りの件ですがいいことを考えたんです! 私がアクマさんの家に泊まると言うのはどうでしょう!?」
悪魔さん「え、普通に嫌よ? あんた何かしそうだもの。それと家出中だから私ん家は無理よ」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「そんなぁ~」
エルエル「名無しさん危ないです!!」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「な、なんですかいきなり攻撃してくるなんて!! 鬼ですかあなた!!」
エルエル「失敬な! 私は天使ですよ!!」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「ええ、逆切れ・・・・・・?」
  ちょい!
  ちょいちょいちょい!!
悪魔さん「あんた天使だったの!? 悪魔の敵じゃない!!」
エルエル「まるで自分が悪魔であるかのような口ぶりですね?」
悪魔さん「ようなじゃなくて、私は悪魔よ!」
エルエル「うふふふ! 頭大丈夫ですか?」
  きぃいいい! こいつ全然信じてない!!
エルエル「悪魔というのは、こちらの方のことを言うんですよ?」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「へ?」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「きゃあああ!」
  熊子が壁に吹っ飛ばされ、瓦礫に埋もれる
悪魔さん「くまこおおおお!?」
  熊子が死んだ!!
  こいつ、めちゃくちゃ強いわ!?
エルエル「で、名無しさんは本当に悪魔なのですか?」
悪魔さん「えっとぉ、そ、そのぉ・・・」
  ここで悪魔だと主張すれば私は――
  でも主張しなければそれはそれで・・・どうすればいいの!?
赤坂熊子(あかさかくまこ)「痛ってえなぁ!! 何しやがるこのクソ天使!!」
悪魔さん「熊子! 生きてたのね!!」
  流石、優等生悪魔は体も丈夫!! すごいわ!!
悪魔さん「って感心してる場合じゃないわ!  逃げるわよ熊子!!」
赤坂熊子(あかさかくまこ)「ぶっ殺す!!」
エルエル「やってみなさい醜悪な悪魔め!!」

〇空

〇商店街
  やばい! 
  天使と悪魔の確執が! 
  人間界を巻き込もうとしているわ!!
悪魔さん「だ、だれか!! アレを止められる方は!!」
天使さん「何ですかこの状況?」
悪魔さん「天使!? 何その恰好? いや、いいわ。 今天界と地獄の代理戦争が人間界で・・・」
天使さん「私はちょうどシスターのバイト終わりで・・・ってそんなこと言ってる場合ではありませんね?」
  天使は空中大乱闘を続ける熊子とエルエルを見上げた
天使さん「1、1、0と」
悪魔さん「何してんの?」
天使さん「『もしもし、お世話になります。すみません。商店街で、コスプレをした二人組が争っていまして・・・ええ。空中です』」
悪魔さん「はぁ!? 警察なんかにあいつらの戦いが止められるはずないじゃない! あんたが止めなさいよ!」
  天使は、スマホをしまって、何か考え込むように目をつぶった
天使さん「来てしまいましたか・・・・・・」
悪魔さん「・・・・・・?」
天使さん「・・・・・・まあまあ、通報は市民の義務です。さ、帰りましょうアクマさん」
悪魔さん「今の間は何?」
悪魔さん「ちょっと天使? ねえ?? あいつら放置なの??」

〇古いアパートの一室
  家出したはずなのに、結局帰ってきてしまった・・・
天使さん「そんな心配そうな顔しなくても大丈夫ですよ。警察に任せましょう。きっと彼らなら彼女たちの争いを止められますって」
悪魔さん「いや、無理でしょ。天使と悪魔の戦いに人間が入れるとでも?」
天使さん「少なくともエルエルは人間に危害を加えるような真似は──」
  こいつ今、エルエルって言った?
悪魔さん「あんた、あの天使と知り合いなの?」
天使さん「し、知りません!」
天使さん「そんなことより、今朝はすみませんでした。アクマさんの気持ちも考えずにケーキ食べ放題をしようなんて・・・」
  ぺこり。
  天使が頭を下げてきた。
  めずらしい
  な、なにかしらこの感情!
  ぞくぞくする・・・もしかして、私、今、初めて天使よりも優位に立って──
悪魔さん「しょ、しょーがないわねぇ。 許し──」
  待ちなさい私!
  いいの? こんな簡単に? 私は天使じゃなくて悪魔なのよ!?
悪魔さん「許さないわよ天使!! ぜんぜん、許してあげないんだから!!」
  千載一遇のチャンスよ! ここで今までの仕返しをしてやるわ! 悪魔らしくね!!
天使さん「うぐっ・・・ そうですよね、頭を下げた程度で許してもらおうなんて都合が良すぎますよね」
悪魔さん「だーれが顔を上げていいって言ったのかしら?」
天使さん「す、すみません!!」
  再び頭を下げる天使
  あー、いい気分! 日頃こんな弱い天使は見れないから今のうちにどんどん堪能しなくちゃ損ね!!
悪魔さん「腹黒天使! 鬼畜! 意地悪!!」
天使さん「うう、今だけは言い返せません。 困りました・・・どうすれば許してもらえますか?」
  ・・・少し可哀想になってきたわ。
  そ、そろそろ許してあげた方がいいのかも? でも・・・・・・
悪魔さん「そ、そうね。 私の事を二度と天使って呼ばないことと、あとは・・・」
  トイレ掃除? お風呂掃除? お弁当当番でもいいわね・・・。さて、何をしてもらおうかしら?
天使さん「あ・・・」
悪魔さん「なによ?  なんでそんな驚いた顔してんの??」
天使さん「・・・アクマさん。 鏡、見てください」
悪魔さん「・・・・・・・・・・・・マジ????」

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