家族ごっこ(脚本)
〇ダイニング(食事なし)
──家族団欒のテーブルで、これ以上ないくらいに真剣な面持ちをした父親はいきなり告白を始めた。
父親「みんな、大事な話があるんだ 落ち着いて聞いてくれないか・・・」
母親「なぁに〜? お父さんたらあらたまっちゃって〜 顔が変よ」
娘「顔も変だけど、パパ、ちょっとは痩せなよー その出っ腹、恥ずかしいよー?」
息子「・・・ん・・・ぶ」
父親「はははは まさか顔とメタボのダメ出し2連発を喰らうとは・・・ やっぱり、このデザインじゃダサいかぁ」
父親「それよりも聞いてくれ 今まで”秘密”にしてきたんだが、じつは父さん──」
〇ダイニング(食事なし)
父親「真ノ正体ハ地球外生命体ダッタノダ!!」
〇ダイニング(食事なし)
「カッコいーい!!」
父親「エ、ソウカナ?」
母親「うんうん、何かこう・・・シュッとしたっていうの? いきなりカタカナしゃべりになるのはアレだけどsndmjm5%44÷89」
娘「体の構造からして大胆にスリム化したしね! これでメタボ問題は一気に解決ではないですか」
父親「エヘ」
母親「よ〜し。そっちがその気なら、こっちだって25^pvajとっておきの”秘密”を見せ〆644〆ちゃうわよ〜」
〇ダイニング(食事なし)
母親「ひやはひとgttjgaや・+|¥÷2:6:665#admtねはよ」
〇ダイニング(食事なし)
父親「ウン」
娘「愛らしいけれども・・・一気に意思の疎通が図れなくなってしまった感はありますな」
娘「じゃあ・・・流れ的に私も”秘密”を公開しよう・・・しちゃおっかな!」
娘「ジャーン」
父親「エェ〜オザナリ過ギナイ? オザナリ? ナオザリ?」
娘「ピピピピ・・・只今検索中・・・」
娘「日本語の使用例と照らし合わせてみた結果、今回のケースは『なおざり』が正解のようであります」
父親「ソウジャナクテェ」
父親「ア! 息子ハドウシタ、息子ハ!」
〇ダイニング(食事なし)
息子「バウム・・・クー・・・ヘン」
父親「ア〜・・・変身ノタイミングヤ何モカモスベテガイケテナイ・・・」
父親「チナミニソノ台詞ハ日本用ジャナイカラネ! ンモウ!」
〇諜報機関
カチッ ブォン
父親「ア〜!! 折角セットシタ『地球・ジャパン・令和食卓スクリーン』ガ消エタ〜」
艦内巡回ロボ「あれっ!?」
艦内巡回ロボ「艦長、またここで『家族ごっこ』して遊んでたんスか? 暇っスねー」
艦内巡回ロボ「しかも乗組員たちまで巻き込んで!」
艦長「ノンノン。正確ニハ『家族ノ”秘密”暴露ゴッコ』ネ」
艦長「マァネ? 便利ナ自動航行システムノオ蔭デ、後ハ『地球』ニ到着スルノヲ待ツダケデ暇ダッタカラ、ッテノモ勿論アルケドサ──」
乗組員B「──これは、我々にとっても良い模擬訓練になるからな」
乗組員B「侵略する先の文化をよく学び、理解し、そこへごく自然に溶け込んで、ゆくゆくは地球人どもとそっくり入れ替わるための、な」
乗組員A「ああ、楽しみだわねぇ! 愛する家族のひとり、もしくは自分以外の全員が、ある日いきなり正体を表して襲いかかってくるの!」
乗組員A「その絶望の味ときたら! どんなにか素晴らしいことでしょう!」
乗組員A「ああ、こんな合成スキンじゃなくて、一刻も早く本物の人皮を着こなしてみたいわぁ」
艦長「コラコラ、スキンヲ着間違ッテイルジャナイカ。ソレハ米国用ダゾ」
母親「あらあらまぁ大変、気を付けないとね〜」
父親「そのとおり。『地球』にはあまたの人種が存在するらしいから、慣れるまではボロを出さないよう、くれぐれも注意してくれ」
父親「あと──みんなの演技力にはまだまだ改良の余地があり過ぎるな! いいか? ちゃんとスキンに合わせるんだ」
父親「まず君は変身を解いた途端に言語がお粗末になるし、そっちの君はギャルにしてはしゃべり方がお堅すぎるクドクドクドクド」
「はぁ〜い・・・」
父親「そっちの君は演技力以前の問題だ! まずはキチンと支配する国々の言葉を覚えたまえガミガミガミガミガミ」
艦内巡回ロボ「はいはいはい! まぁ説教は後々 このルームのクリーンメンテナンスをしますから、皆さん一旦出て行って下さいや」
艦内巡回ロボ(まっ、そこまで熱心に演技指導をしている暇なんてないんスけどね 24時間後にはその『地球』とやらに到着するんですから──)
〇黒
カチッ
まさかのお父さんの告白に対してお母さんが予想外な反応をしているシーンからクスッと笑ってしまいました。面白い作品でした!
いやいや家族みんなの秘密の大暴露おもしろかったです!あるよね!一人が秘密いうと、どんどんあとに続くパターン(笑)しかし、この家族がうまく化けてたように、実際は、地球に人間なんてひとりもいないのかも。実は全員、地球外生命体で同じように化けてるだけだったりして!?な~んて想像力膨らむストーリーですね♪
家族設定から全部そういうことかい。と、ツッコミどころ満載ですが、あながち無い世界じゃないかもと、思いました。ある日、隣人宅を覗いてみたら的な。笑