フリマ高校!~SNSで生徒集め~

甘皮がない

フリマ高校!~SNSで生徒集め~(脚本)

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〇駅のホーム
  遅刻したある日
  駅で中学時代のクラスメートを見かけた
  別に仲良くもないので
  話しかけられるとは、思っていなかった
ゆきや「おう、久しぶり。これから学校か?」
ミサ「・・・そうだけど。あんたは?」
ゆきや「ハハッつめて~~。俺もだよ」
ミサ「高校辞めたって聞いたけど?」
ゆきや「いや、転校したんだよ」
ゆきや「○○ってとこ。通信だから毎日の登校はなくて」
ゆきや「お前こそなんでこんな時間に?寝坊?」
ミサ「うるさい」
  ゆきやは話しながらもたえずスマホを触っている
ミサ(ながらなの むかつくな~)
ミサ(はやく電車来ないかな)
ゆきや「おっ これ見て。俺のアカウント」
ゆきや「また高校の広告に使われたみたいだ。拡散されてる」
ミサ「ふーん」
ミサ(あとで過去の投稿見てやろ)
ゆきや「今日は自主体育なんだよ」
ミサ「なにそれ」
ミサ(別に知りたくもないけど)
ゆきや「授業外で学校の敷地内走るとポイントが貯まって」
ゆきや「ほしいものと交換できるんだよ」
ゆきや「SNSで拡散された数もポイントになる」
ゆきや「うち、フリマアプリやってる会社が作った高校なんだ」
ミサ「へー?」
ゆきや「SNSの広告で名前くらい見たことあるっしょ?」
ミサ「ないけど」
ゆきや「えぇ?おかしいな」
ゆきや「まぁ人によって表示される広告は違うか・・・」
  ぶつぶつ言いながらゆきやはどこかへ行った
ミサ(なんだったんだ あいつ)
ミサ(あ、電車来た)
  車内でいい感じのポジションを確保し、ゆきやのSNSアカウントを探す
ミサ(あいつ炎上しそうなことしてないかな~)
ミサ「・・・・・・?」

〇教室
きむら先生「おはようございます」
ミサ「おはようございます。すみません寝坊しました」
  学校に着いたら政経の授業中だった
  急いで席についた
  板書を見ると
  公立学校は宗教がないけど、私立学校なら宗教があるところもあるよね、とか
  なんかそういう話をしていたようだった
きむら先生「企業が学校運営をしているケースも多々あります」
ミサ「!」
きむら先生「給与がもらえたり、その企業に就職しやすかったりね」
きむら先生「ほかには、✕✕大学校とかは省庁がやってるけど、給与が出ますし」
きむら先生「卒業後の進路を考えるときにまた思い出してくださいね」
きむら先生「少し話がずれましたね」
きむら先生「さて、厳密にいうと宗教行事のようだけど慣習となっているものは・・・過去にそういう訴訟があり・・・」

〇渡り廊下
  ○○高校 昼
ゆきや(ポイントを貯めながら、健康維持もできるとか最高だよな)
ゆきや「今日走るコースは・・・っと」
ゆきや「中庭を・・・ふむ・・・ややこしいコースだな」
「おーい!そこの男子!」
ゆきや「お?」
「走り終わったら 人間行動研究室 に来いって さとう先生が!」
ゆきや「うっす。あざます」
ゆきや(担任のすぎはら先生じゃないのか・・・?)
ゆきや(まぁいいか)
ゆきや(ここは生徒同士の距離が近すぎなくて楽だ)
ゆきや(転校してきてよかった)
ゆきや「よし! ちゃちゃっと走ってポイントゲットだ!」

〇学校の部室
ミサ「ねぇ○○高校って聞いたことある?」
「○○高校?どこそれ」
ミサ「なんか通信制のとこらしいんだけど」
「あ、これか。フリマアプリの会社がやってるんだ。先月開校だって」
「今は転入生の受け入れだけやってる・・・ってあるけど、」
「なに?ここがどうかした?」
ミサ「中学の同級生がそこ行ってるらしくて」
ミサ「ポイントが貯まるから、走ったり SNSの投稿したりしてるって言ってたんだけど・・・」
「投稿?」
「全然ないけど」
ミサ「・・・だよね?」
ミサ「登校中に偶然会って、 そいつのアカウントを見せられたんだけど」
ミサ「検索しても出てこないんだよね」
ミサ「鍵アカじゃなかったんだけど」
「なんだろうね。そのあと鍵かけたのかも?」
ミサ「拡散された数でもポイント貯まるとか言ってたから」
ミサ「鍵はかけないと思う・・・」
ミサ「あのさ、なんか変じゃない・・・?」

〇校長室
  ○○高校 放課後
  理事長室
すぎはら先生「失礼します」
理事長「忙しいのにごめんなさいね」
すぎはら先生「いえ、それで・・・?」
  理事長は水晶を撫でる
理事長「あなたがうちに疑いを持っている、って出るの」
すぎはら先生「心当たりはありませんが」
  ノックの音がする
理事長「入っていいわよ」
さとう先生「準備ができましたわ」
理事長「ありがとう。すぎはら先生、移動しましょ」
すぎはら先生「・・・」
すぎはら先生「わかりました」
さとう先生「どうしました?」
すぎはら先生(マズったな・・・さとう先生がそっち側だったとは・・・)
すぎはら先生「いえ、なにも」

〇諜報機関
  ○○高校
  人間行動研究室
すぎはら先生(むごすぎる・・・)
すぎはら先生(こんなことが許されるはずがない・・・)
理事長「彼らには、校内をいろいろ走ってもらっていたでしょう?」
理事長「人がどういうときに、どこを通ってどう逃げるかのデータを取っていたの」
理事長「気付いていたんでしょう?」
すぎはら先生「初耳です」
さとう先生「あら? 先生ったら。昨日教えてくれたじゃないですか」
すぎはら先生「生徒達の間でそういう七不思議が流行っているらしい、と言っただけですよ?」
さとう先生「・・・・・・」
理事長「さとう先生、いいわ」
理事長「これがあるもの」
すぎはら先生「・・・それは?」
すぎはら先生「痛ッ」
さとう先生「本当のことしか話せなくなるお注射です」
すぎはら先生「疑われてる、ってこういうことですか」
すぎはら先生「私は本当のことしか言ってませんよ」
理事長「それを確かめるだけよ」
理事長「水晶かあなた、どちらかが嘘をついているんだもの」
すぎはら先生(記者さんに伝えるべきことは全部伝えた)
すぎはら先生(俺がここで死んだって・・・ちゃんと○○高校は終わる)
すぎはら先生(定時報告がなかった時点で明るみに出る)
すぎはら先生(・・・ゆきや、皆、守れなくてごめんな)
すぎはら先生「ヴッァアァァ────!!」

〇渡り廊下
  ●月●日
  ○○高校の不幸な事件が明らかになった
  この事件により一期生の卒業生はゼロ
  学校主導で生徒の臓器売買が行われていた
  何人かの教職員も犠牲になっているという
  あまりに短期間で行われており
  なんらかの方法で、
  条件を満たした生徒のみを
  ○○高校に集めたと考えられるという
  ──

〇駅のホーム
  来たれ!○○高校!
ミサ「あれ?この広告・・・」
  END?

コメント

  • フリマ高校で売ってるものが臓器って…なんか怖いんですが!
    まさかそのために生徒を集めていたとは思いませんでした。
    途中からホラーになってきて、すごく怖かったです!

  • 面白いですね!SNSというオープンなメディアと、その運営する高校の閉ざされた裏の顔の取り合わせが良いです。後を引くラストも好きです。

  • 今まで読んだ事のない組み合わせで最初はどーなんだろうと思っていましたがとても面白かったです!最後の一言でゾッとしました。短編小説らしいテンポ感のいいお話で楽しかったです!

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