九条さん家の三姉妹

本間 ミライ

第一話 とにかくつかれた(脚本)

九条さん家の三姉妹

本間 ミライ

今すぐ読む

九条さん家の三姉妹
この作品をTapNovel形式で読もう!
この作品をTapNovel形式で読もう!

今すぐ読む

〇名門の学校

〇掲示板の前
斎藤「お前また全教科一位かよ」
斎藤「オレもお前みたいに 特別な才能が欲しいよ」
九条 サトシ「特別?」
斎藤「そうだろ 何やらしても天才じゃん!」
九条 サトシ「俺は特別なんかじゃないよ」
九条 サトシ「何の“能力”も持ってないしさ」
斎藤「え?」
  そう
  俺は特別なんかじゃない
  姉ちゃん達と違って

〇黒

〇オフィスのフロア
九条 サオリ(あー疲れた 帰りたい)
可奈「あれ」
可奈「先輩また残業ですか?」
九条 サオリ「あ、可奈ちゃん」
九条 サオリ(って何か後ろに憑いてる)
生霊「嫌だ 別れだぐない」
可奈「毎日残業だと “疲れて”倒れますよ?」
九条 サオリ「・・・」
九条 サオリ「あのさ可奈ちゃん」
九条 サオリ「また男フッた?」
可奈「えー!何で分かるんですか!?」
九条 サオリ「いや何となく」
可奈「そうなんです!聞いてくれます?」
可奈「もうスッゴくしつこくて」
可奈「追い払うの大変だったんですよ!」
九条 サオリ「”祓えて“ないんだけどね」
可奈「え?」
九条 サオリ「あのさ ちょっと後ろ向いてくれる?」
可奈「はい」
九条 サオリ「すぅぅぅ──」
九条 サオリ「セイヤァァァ!!」
可奈「あれ?何か肩が軽くなったような」
可奈「何したんですか?」
九条 サオリ「ツ、ツボのマッサージ? 最近流行ってるみたいでさー」
可奈「先輩もお疲れなのに」
可奈「ありがとうございます!」
九条 サオリ「い、良いの良いの」
九条 サオリ(あー何か余計に疲れた)
九条 サオリ(帰りたい)
  残業続きの“つかれた”OL
  長女 サオリ
  能力 霊能力

〇占いの館
九条 サユリ「どうぞ」
九条 サユリ「いらっしゃいませ 神宮寺さん」
神宮寺「この間はありがとうございました!」
神宮寺「サユリさんの占いのお陰で 商談上手くいきました!」
九条 サユリ「いえ」
九条 サユリ「お客様をより良い未来に導くのが 占い師の仕事ですから」
神宮寺「それでまた相談なんですが」
九条 サユリ「はい!何でも相談して下さい!」
神宮寺「その大変恥ずかしいのですが」
九条 サユリ(これは?もしや?)
神宮寺「彼女との未来を占って欲しいんです!」
九条 サユリ「え・・・彼女?」
神宮寺「最近付き合い始めたんです」
九条 サユリ「へ、へぇ・・・」
神宮寺「お願いします! 僕をより良い未来に導いて下さい!」
九条 サユリ「あ、はい」
九条 サユリ「うっこれは!」
九条 サユリ「眩しい!眩しすぎる!」
九条 サユリ「まごうことなき運命の相手!」
神宮寺「おぉ!」
九条 サユリ「『その愛に全米が涙した!』」
九条 サユリ「『今年一番の感動作!』」
九条 サユリ「『あなたは運命を信じますか?』」
神宮寺「あの」
神宮寺「どういう意味なんでしょう?」
九条 サユリ「・・・」
九条 サユリ「未来は明るいみたいです」
九条 サユリ「映画化するくらい」
神宮寺「そうですか! ありがとうございます!」
九条 サユリ「いえ」
九条 サユリ「お客様をより良い未来に導くのが 占い師の仕事ですから」
  恋多き占い師
  次女 サユリ
  能力 未来予知
  ※自分の未来は分からない

〇教室
九条 サエリ(あー授業 つまんねーな)
九条 サエリ(どうすっかなー)
九条 サエリ(あ、そう言えば 3組体育じゃん!)
九条 サエリ「よし!こんな時こそ」
九条 サエリ「千里眼!!」
九条 サエリ(グフフ どれオジサンが覗いてあげよう)

〇学校の廊下

〇学校の昇降口

〇白い校舎
  よし!グランド到着♪

〇白い校舎
  お、オレは学年ツートップ
  川島と岡部じゃあないすか!
川島「岡部!こっちボール回せ!」
岡部「よしきた」
川島「おっしゃ ナイスパス!」
川島「くらえ!超川島シュート!」
岡部「ブラボー」
川島「楽勝♪」
  あーたまらん
  健康男児の戯れは
川島「さっきのパス マジ熱かったな!」
川島「興奮したわ」
  私もです
  ごちそうさまです
  グヘ、グヘへ
  おい九条
  おーい
  うるせーな
  いま良い所だろうが
  九条!!

〇教室
九条 サエリ「は、はい!」
数学教師「お前、何ブツブツ言ってんだ?」
九条 サエリ「いやー 気のせいじゃないですかね」
数学教師「それにお前」
数学教師「ヨダレたれてんぞ?」
  犯罪者予備軍の覗き魔JK
  三女 サエリ
  能力 千里眼

〇黒
  そう
  家の姉ちゃん達は普通じゃない
  全員”超能力“者だ

〇大きな日本家屋
  九条家の女は、先祖代々
  不思議な力を受け継いで生まれてくる
  母さんと婆ちゃんも
  その力を受け継いでいる

〇祈祷場
  しかし、九条家の男は
  超能力を持っていない
  代々婿養子であり、
  男児が産まれたとしても
  その子に力が宿ることはない

〇黒
  みんな凄い能力を持っているけど
  その使い方はどうにも怪しい
  あ、でも
  サオリ姉ちゃんだけはマトモか
  そんなサオリ姉ちゃんを
  さらに”つかれさせる“事件が起きようとしていた

〇黒

〇住宅街の道
九条 サオリ(あー疲れた)
九条 サオリ(早く帰ってビール飲も)
九条 サオリ(また何かいる)
九条 サオリ(まあ無害そうだし 放っとこ)
九条 サオリ(ん?誰かついて来てる?)
九条 サオリ(やっぱ誰かついてきてる)
九条 サオリ(だんだん近付いて来るし)
九条 サオリ(しかもこの気配・・)
九条 サオリ(よし)
九条 サオリ(逃げよう)

〇おしゃれなリビングダイニング
九条 サオリ「ただいま」
九条 サトシ「おかえり サオリ姉ちゃん」
九条 サユリ「ちょっと姉さん いつにも増して疲れた顔してるわね」
九条 サオリ「まあね」
九条 サオリ「あれ母さんは?」
九条 サエリ「また父さんと研究所行ったよ 一週間くらい家空けるって」
九条 サオリ「困ったな」
九条 サオリ「ちょっとエリさ」
九条 サオリ「千里眼で 家の周り見てくれない?」
九条 サエリ「別に良いけど」
九条 サエリ「千里眼!」

〇高級住宅街

〇おしゃれなリビングダイニング
九条 サエリ「家の前に いかにも怪しい男が居るんだが」
九条 サオリ「あーやっぱり」
九条 サオリ「エリにも見えてるってことは 人間ってことか」
九条 サトシ「なに ストーカーってこと?」
九条 サオリ「そうなのかな? ずっとついてきてたけど」
九条 サユリ「それ完全にストーカーよ」
九条 サユリ「姉さんついに 人間にもつかれるようになったのね」
九条 サオリ「えー」
九条 サトシ「早く警察に言った方が良いんじゃないの?」
九条 サオリ「うーん」
九条 サオリ「いや」
九条 サオリ「放っておこう!」
九条 サトシ「え」
九条 サオリ「そう言うの面倒臭いじゃん?」
九条 サトシ「いやでも」
九条 サオリ「こっちはさ疲れてんだよね!」
九条 サオリ「明日も仕事だし」
九条 サオリ「ご飯食べて、お風呂入って 一刻も早く寝たいワケ」
九条 サオリ「ストーカーに構ってられないワケ」
九条 サオリ「わかる?」
九条 サトシ「はい」
九条 サオリ「よし!」
九条 サオリ「この話おしまーい」
九条 サオリ「ビール飲も!」
九条 サオリ「誰かエリがまた変な所行ってるから 起こして上げて」
九条 サエリ「グフフ」
九条 サオリ「あとユリ ずっと言おうと思ってたけど 肩に小さいおじさん乗ってるよ」
九条 サユリ「え、ウソ! 取って!ねー取ってよ!」
九条 サトシ「・・・」

〇黒

〇オフィスビル前の道

〇オフィスのフロア

〇黒

〇オフィスビル前の道
九条 サオリ(あーやっと帰れる)
九条 サオリ(あの人また居るよ)
九条 サオリ(シカトしよ)
及川 省吾「あの」
九条 サオリ「・・」
及川 省吾「あの」
九条 サオリ(しつこいなぁ)
及川 省吾「うっ」
及川 省吾「うわぁぁぁん!」
九条 サオリ「え、ちょっ泣いた!?」
及川 省吾「お願いします! 助けて下さい!」
及川 省吾「このままじゃ僕 悪魔に殺されます!」
九条 サオリ「は?」
九条 サオリ(ってこの人よく見たら 可奈ちゃんに憑いてた人)
九条 サオリ(それに よりにもよって悪魔かぁ)

〇廃ビルのフロア
及川 省吾「つ、連れてきました」
悪魔「よくやった」
九条 サオリ(本当に外国の方じゃん)
悪魔「お前の願いを叶えてやる」
九条 サオリ「願いって?」
及川 省吾「可奈ちゃんとの復縁です」
及川 省吾「それを願って、悪魔の儀式をしたら 本当に出ちゃって」
及川 省吾「あなたを連れて来なければ 殺すと脅されて」
九条 サオリ「それで私に何の用ですか?」
悪魔「高い霊能力の持ち主を食えば 我の力は増す」
悪魔「お前の力は有名だからな」
九条 サオリ「はぁ」
悪魔「フッ楽しみだなぁ 日本の巫女を食うのは」
九条 サオリ「あの」
九条 サオリ「大人しく本国に帰ってもらう事は 出来ませんかね?」
九条 サオリ「今ならお互いに 見なかったことに出来ると思うんですよ」
悪魔「何でお前の命令に従わないといけない!」
悪魔「我は悪魔だぞ!」
九条 サオリ(ダメだ全然話が通じない)
九条 サオリ(こう言うの勝手に祓うと 後々面倒なんだよなぁ 国際的に)
九条 サオリ(うーん)
九条 サユリ「姉さん!」
九条 サオリ「あれみんなどうして・・」
九条 サユリ「ちょっと良からぬ未来が見えてね」
九条 サユリ「場所はサエリの千里眼で」
九条 サトシ「サユリ姉ちゃんが おぶれば良かったじゃんか」
九条 サトシ「てかもう千里眼良いよ」
九条 サエリ「そっか」
九条 サオリ「心配してくれるのは嬉しいけど・・」
九条 サユリ「あ、姉さん!左から嫌な予感!」
九条 サオリ「うわ」
悪魔「避けられた?」
九条 サユリ「次、上から嫌な予感!」
悪魔「また避けただと?」
悪魔「クソ!あの女厄介だな」
悪魔「先ずはあの女から殺してやる!」
悪魔「ん?なんだ?」
九条 サオリ「妹に手を出されるとなると 流石に放っておけないか」
悪魔「体が動かない!」
九条 サオリ「全く!」
九条 サオリ「勝手に日本に来て 勝手に暴れて」
九条 サオリ「祓うこっちの身にもなってよ!」
悪魔「いや我は儀式で呼ばれて・・」
九条 サオリ「うるさい!」
九条 サオリ「せめて 日頃のストレス発散させて貰うから!」
九条 サオリ「すぅぅぅ──」
悪魔「や、やめろ!」
九条 サオリ「セイヤァァァ!!」
九条 サオリ「ふぅ・・」
九条 サエリ「や、やったか!?」
九条 サトシ「おいやめろ」
九条 サユリ「悪い予感も消えたし 無事、何か倒したみたいね」
九条 サユリ「何が起きてたのか 全然見えなかったけど」
九条 サトシ「そ、そうだね」
九条 サトシ「まあ何はともあれ」
九条 サトシ「サオリ姉ちゃんが無事で良かったよ」
九条 サオリ「ありがと」
及川 省吾「あの」
九条 サオリ「まだ居たんだ」
及川 省吾「本当にすみませんでした!」
及川 省吾「・・・」
及川 省吾「可奈ちゃんは 僕に出来た初めての彼女で」
及川 省吾「でもフラれて」
及川 省吾「僕の人生もう・・」
九条 サオリ「・・・」
九条 サオリ「まあ」
九条 サオリ「人間関係だったり 仕事だったりさ」
九条 サオリ「毎日疲れることばっかだけど」
九条 サオリ「こうやって家族の顔を見ると 少しは頑張ろうかなって思ったりするし」
九条 サオリ「何かを拠り所にするしか無いって 気持ちも分かるけどさ」
九条 サオリ「あんたも頑張れること 見付けたら良いんじゃない?」
九条 サオリ「なるべく 人に迷惑かけないことでさ」
九条 サオリ「じゃあ 私疲れたんで帰ります」
及川 省吾(サオリさん・・)
及川 省吾(素敵だ)

〇繁華な通り
九条 サエリ「街の平和も守った事だし パァーっと焼き肉でも食べ行こうよ!」
九条 サトシ「そんな設定だっけ?」
九条 サユリ「お、たまには外食も良いわね!」
九条 サユリ「そうしようよ姉さん!」
九条 サオリ「疲れてるの」
九条 サユリ「そんなこと言わずにさ~」
九条 サエリ「お願いお姉ちゃん」
九条 サオリ「・・・」
九条 サオリ「もう」
九条 サオリ「しょうがないなぁ」

〇焼肉屋

〇黒

〇一軒家

〇部屋のベッド
九条 サオリ「はい?」
九条 サオリ「え、あの今日休日なんですけど」
九条 サオリ「・・・」
九条 サオリ「分かりました・・・」

〇白いバスルーム
九条 サオリ(あー行きたくない)
小さいおじさん「オレ、お前、憑く」
九条 サオリ「・・・」
九条 サオリ「えー」
  サオリ姉ちゃんの
  つかれた日々は続く・・・

コメント

  • 今回は長女のお話でしたが、疲れたと言いながらOLも除霊も家族サービスまでこなすしっかり者で素敵でした!
    「外国の方は勝手に除霊すると後々面倒(国際的に)」がじわってます🤣🤣🤣
    恋多き次女のお話、千里眼で何でも除いちゃう三女のお話、巻き込まれ大変なことになる長男のお話、などなど、どんどんお話膨らみそうだしどれも読んでみたいと思ってしまいました😆

  • 犯罪者予備軍……w
    三女の話、ハチャメチャになりそうで気になりますねぇ!( ´ ▽ ` )
    後、弟君の「そんな設定だったっけ」っていうセリフがメタっぽくて、個人的にじわじわきてますw

  • 姉妹のそれぞれの能力で連携して危機に対応するのは胸アツ展開ですね😆
    続きがあるとしたら、弟君は知識や分析力でサポートしたりできそうですね😄

コメントをもっと見る(17件)

成分キーワード

ページTOPへ